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◆ コンサルタンツ・EYE
  掟(おきて)破りにチャンスあり


掟(おきて)破り、すなわち、「不可能・シンプル・非常識」にこそ、チャンスがある。

まず、不可能と思われていることに挑戦する。皆が「できない」と諦めていることは当然、未開の領域だ。自社がそこに取り組めば一番乗りである。皆ができないのに自社ができるはずはないと考えがちだが、やってみなければ分からないものだ。 

そして、シンプルに考える。人は往々にして単純なことを複雑に、複雑なことをそのまま複雑に考えてしまう。だが、優秀な人は違う。複雑なことを単純に考える。単純化すれば焦点が絞れていき、本質が見えてくる。それがイノベーションの突破口となる。シンプルに考え、シンプルな答えを出す。たったこれだけのことなのに、多くの人はできない。複雑に考え、複雑な答えを出そうとする。人は複雑に考えると知恵を絞った気になって安心する。失敗しても言い訳が立つからだ。


さらに常識を疑う。英国の経済学者J・M・ケインズは、「世の中の大多数の人は、常識どおりに動いて失敗するほうが、常識に反して成功するよりましだと考えている」と喝破した。常識外にこそ成功のチャンスがあるのに、常識の中に安住する人間が多すぎるという皮肉である。人は常識破りを恐れる。“掟”に従うほうが楽だからだ。しかし社会の良識は守るべきだが、世間の常識は破るべきものが多い。「人が空を飛ぶ」「地球は丸い」――人類の発展の歴史は、非常識への挑戦の歴史でもある。常識とは既成概念か固定観念であり、一種の偏見に過ぎない。

業界や商品で「当たり前」とされている“常識”を書き出してほしい。それが自社の破るべき「常識リスト」だ。それを一つずつ疑っていく。偉大な発見はルールが破られた時に表れる。今は非常識でも、次代の新たな常識となるかもしれない。企業は既存のルール(常識)を破壊する「ルール・ブレーカー」でありたい。



株式会社タナベ経営 戦略総合研究所 パブリッシング

 

日々のヒントに! 今週のひとこと

わが社の真の強みは何か、真の顧客は誰か、

顧客に評価される真の貢献とは何か。

その正体をつかんでこそ、会社は伸びる。




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長尾 吉邦 タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009 年より常務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。


政府は、企業数の減少を事業承継課題や後継者不足が原因であると捉え、金融機関や法人サービス事業者を含めて取り組みを強化している。しかし、それが本質だろうか。私は「なぜ後継者が不足するのか」という根本的な要因にメスを入れなければならないと感じている。

思い出してほしい。ユニクロやニトリの創業はどうだったか? どちらも個人商店からスタートし、ビジネスモデルを革新して今日の優良企業となった。多くの企業は経営資源が少なく、顧客も従業員も来てくれない中で創業する。そこから顧客価値の変化に適したビジネスモデルを構築し、地位を築いていくのだ。

私は数多くのコンサルティングの臨床経験から、「収益力・成長力の決定要因はビジネスモデルである。従ってビジネスモデルの革新こそが、企業の飛躍の条件である」と常に提言している。さらに言えば、個人事業であっても、零細企業であっても、瀕死の中小企業であっても、真の顧客価値に目を向け、ビジネスモデル革新に挑戦することが、企業数の減少を止め、ひいては日本経済の発展につながると確信している。経営者一人一人のビジネスモデル革新への挑戦が、日本経済の未来を拓くのである。

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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所