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今週のひとこと

会議の生産性は準備で決まる。

事前に配付された会議資料を事前に検討し、

当日会議に臨む。

そうすれば、会議の生産性は向上する。





◆発言は多いのに、何も決まらない。そんな会議は・・・

会議そのものは実施すること自体が目的ではなく、実践を通じて成果を上げることが最大の目的です。
とは言うものの、会議を行っても、話がなかなかまとまらないということでは、その後の成果も期待できません。


「議して決せず」。議論は活発でも何も決まらない会議になってしまう要因は様々ですが、良く目の当たりにするのは、会議で発せられる言葉が、参加者の思うがままにやり取りされていて、共通認識がなされていないという状況です。
もし、「このような形の会議が多い」と感じておられるようでしたら、ホワイトボードを活用して、


・会議のアジェンダを書いておき、現状、どこまで進んでいるかを分かるようにする。
・発表者はホワイトボードに説明する内容のポイントを書いた上で説明する。
・参加者の発言のポイントをホワイトボードに書き出し、議論の内容を視覚化する。
 または、あらかじめホワイトボードに書いた思考の軸に、各人がポストイットに書き出した意見やアイデアを貼り付けていく。
・決定事項やフォローアップ事項をグルーピングする。
・今後のアクションスケジュールをその場で書き、やるべきことを共有する。


―といったようなポイントの整理をしてみてください。

こうした簡単なことを行うだけでも、会議の内容は共有化され、ベクトルが合い、発言の「見える化」を通じて合意形成が図りやすくなります。

一度試されてみてはいかがでしょうか。


経営管理本部
総務課 課長代理
森 幸之助





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新卒者を十分に採用できず、人員計画が思うように進んでいない企業が多い。この傾向は、当面改善する見込みは薄い。たとえ2020年以降、経済成長が減速し、企業の採用枠が縮小したとしても、日本の少子化は続くからである。

この課題は、採用テクニックを駆使するだけでは解決しない。なぜなら、それで新卒採用に成功しても、活性化していない組織に新人を配置すれば退職してしまうからだ。しかも、人材はすぐに成長しない。打っている対策が今、効力を発揮しても、実際に効果が表れるのは数年後である。

故に私は、採用難時代の組織展開は、採用そのものよりも、育成の方が重要だとみている。そして、育成のカリキュラムを整える以上に大切なことは、組織のモチベーションをいかに上げていくかである。極論すれば、モチベーションの高い組織に新人を配置すれば、教育カリキュラムが多少整っていなくとも新人は育ち、定着率も良くなる。人材は企業風土が育てるのだ。

従って経営者は、優秀な学生の争奪戦を続けること、すぐに退職してしまう若手人材を育成すること、また高齢化する組織を活性化させる取り組みを同時に行っていかねばならない。

それが最も難しいのだが、ヒントは今年の「箱根駅伝」(東京箱根間往復大学駅伝競走)で2連覇を達成した青山学院大学陸上競技部の「ワクワク大作戦」(2015年)、「ハッピー大作戦」(2016年)にある。監督の原晋(すすむ)氏が、ワクワクさせるレースで、自分も楽しみながら、見る人をハッピーにしたいとの思いを込めた作戦は、チームの士気を高めた。楽しむために努力するチームメンバーを魅力的に感じたのは、私だけではないはずだ。

あなたの会社では、「ワクワク」「ハッピー」といった、社員のモチベーションを上げる取り組みを行っているだろうか? いつも社員にため息をつかせているようでは、採用難時代は乗り切れないのである。

自社にとって最も有効な顧客へのメッセージとは何か? それをどのような手段で広げるべきか?

客観的な顧客視点に立ち、ブランドをスイッチする心のハードルを下げるキーワードを見つけていただきたい。

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■筆者プロフィール
タナベ経営 コンサルティング戦略本部 北海道支社長
笠島 雅人 Masahito Kasajima
1962年生まれ、北海道出身。IT企業勤務を経て1997年タナベ経営入社。2006年4月より現職。入社当初から、全国各地の企業診断にメンバーとして参加し、地域中小企業から一部上場企業まで、幅広いコンサルティング経験を持つ。戦略構築に伴う組織改革、業績コントロールシステムの構築、情報システムの再構築、人事処遇制度、人事評価制度、幹部人材育成などで実績を挙げている。「成長するクライアント企業と共に成長するパートナーであり続けたい」が信条。





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理念・スローガン・ビジョンの策定で次代の針路を明示

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遠藤隆浩税理士事務所 税理士 遠藤 隆浩 氏

複雑化する業務に組織の力で対応する

日本一面積の広い市町村で知られる岐阜県高山市。同市内に事務所を構える遠藤隆浩税理士事務所は、東海地方の大規模事務所だ。従業員数は24名。現所長の遠藤隆浩氏は、1967年に名古屋国税局を退職して開業した父の跡を継いだ2代目である。

遠藤氏は2012年に事務所を継承したとき、「これからは税務申告だけでは生き残れない。できることは何でもやらなければ」と考え、事務所の組織的運営が必要だと痛感したという。

従来、税理士・公認会計士の多くは個人事業主として税務・会計業務を営んできた。だが、近年は税法の複雑化に伴い、特に税理士・公認会計士が少ない地方都市では、企業の決算業務や税務申告だけでなく、新規開業や経営計画策定など幅広く経営者の相談に応じることが求められる。

そうした多様なニーズや複雑化した業務へ対応していくには、個人運営から脱却し、組織的運営にシフトしていくことが欠かせなかった。「そのためにはどうすべきか」と考えていた2015年、タナベ経営マネジメントパートナーズ本部から提案があった。

具体的には、事務所経営の軸となる経営理念とスローガンを整備するとともに、東京オリンピックが開催される2020年を見据えた「ビジョン2020」を策定し、次のステージへ成長するために実行すべきことを明らかにすること。遠藤氏はその提案を受け入れ、経営理念・スローガン・ビジョンの策定に取り組んだ。

「創業者であれば、起業の思いを経営理念に掲げることができます。しかし私は2代目ですので、職員の意見を聞いて練り上げました」と遠藤氏は話す。

多くの職員から出た共通意見は「顧客から『ありがとう』と言われるとうれしい」というもの。そこで「三方良し(お客様、地域、事務所)の考えのもと、日本で一番『ありがとう』の声を頂ける事務所を目指します」、さらに「豊富な経験と専門性の向上により、一人ひとりが志事と真摯に向き合い、社会貢献を通じて顧客企業の永続的繁栄と適正利潤を追求します」という理念を掲げた。

顧客に価値を提供しながら適正利潤を得る仕事を「志事」と表現し、その追求を規定したのである。

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正しい方向性を示せば危機は必ず打破できる

理念とスローガンは事務所に掲出して毎朝唱和。ただ、唱えるだけではお題目となりかねない。そこで経営理念やビジョン2020の進捗状況を確認するため、「ビジョンPDCA会議」を毎月開催し、目標と課題を明確化しながら状況を確認することで、「志事」の意味を職員に浸透させている。

「職員の意見を聞くことができ、これからの事務所について真剣に考えていることが分かりました。実行のペースも早まる傾向にあり、職員の隠れた才能も知りました」。遠藤氏は、想定外の効果が出ていることに驚いたと話す。

経営理念やスローガン、ビジョンは「オール遠藤会計事務所」の一体感を生み出す上で有効に機能している。トップダウンではなく、次代を担う人材によるプロジェクトチームで策定したことが、各職員に問題意識を持たせることにもつながった。

遠藤氏は今後について、「もともと会計事務所は競争のない業界。しかし、これからはそうも言っていられない。税法が複雑化し、顧客の海外進出も増加するなど、ニーズは高度化しており、個人で対応できる範囲を超えています。チームで取り組むことが、より大切になるでしょう」との見通しを示す。そして積極的に動く人材、新分野を開拓する人材を採用し、顧客のニーズに応えられる体制を整備したいと話す。

「今は時代の変わり目にあり、組織に熱意・才能・正しい方向性が備わっていれば、必ず危機は打破できると考えています」と遠藤氏。東京オリンピックという国内の一大事業に向けた上昇機運と、その後に予想される下降局面を乗り切るには、多彩な人材とそれをまとめる組織力が欠かせない。有能な人材を集め、一丸となれる方向性を示すことが何よりも重要となる。作成した経営理念・スローガン・ビジョンは、今後、組織の針路を示す羅針盤として機能するであろう。

PROFILE

  • 遠藤隆浩税理士事務所
  • 所在地: 〒506-0031 岐阜県高山市西之一色町3-740-1
  • T E L: 0577-32-1770
  • 開業: 1967年
  • 従業員数: 24 名(2016 年2 月現在)※うち税理士3 名
  • 事業内容: 税務・会計に関する申告・決算・相談・代行業務


タナベ コンサルタントEYE
業種・機能に特化する傾向がある都心の会計事務所とは違い、遠藤隆浩税理士事務所は税務・会計の支援に加え、事業計画、経営計画策定や財務コンサルティングなども請け負う総合型会計事務所である。多岐にわたる業務を円滑に進める要となるのはスタッフ一人一人の意識だ。組織の基盤となる経営理念をつくった際は、職員から積極的に意見が出たという。使命感を持つ組織こそが、地域を元気にしていく。飛騨高山のけん引役として成長が期待される。


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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所