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今週のひとこと

部門・チームの成績は、上司の能力を

映し出す。まずは、上司として部下を

納得させる行動・実績・判断を示そう。





☆ 数字と向き合い、チーム力を高める

部下をお持ちの皆さんに質問です(部下がおられない方は自分自身への質問としてください)。

「あなたの部下は、所属チームの目標売上や目標利益を即答できますか」。

A社のリーダー研修会でこの質問をした時、「部下全員が即答できる」と自信を持って答えたリーダーは約1割しかいませんでした。また、「答えられる部下は半分」と答えたリーダーは約6割、「部下全員が答えられない」と答えたリーダーが残りの約3割でした。

目標数字をすぐに答えることができないということは、その数字が他人事となっている証(あかし)でもあります。また、チームや個人の目標となっている数字が形骸化し、目標達成に対する責任意識が低下している可能性があります。これはチームマネジメントに注意信号が点っている状態と言えるのではないでしょうか。
上記のA社でも、部下全員が即答できると答えたリーダーのチームは、目標達成が当たり前という雰囲気がつくられており、チーム全体が常日頃から数字にこだわっていました。


目標数字を常に念頭に置き計画的に業務に取り組んでいるか。それとも、日々の業務をこなすことで積み上げ式に数字を組み立てているか。両者には目標の達成度合いに大きな差が生じます。
チーム力を高めるきっかけとして、社員一人ひとりがチームの数字を我が事として向き合うよう取り組んではいかがでしょうか。


コンサルティング戦略本部
チーフコンサルタント
水本 伸明





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「事業のリノベーション」にチャンスあり

「事業ライフサイクル20年」。事業は時代とともに変遷し、20年ごとに大きな節目を迎える。住宅分野も同様だ。

トレンドを20年サイクルで俯瞰(ふかん)すると、住宅の量の充足が完了した1970年代は、"モノ(住まい)選びの時代"だったといえる。世帯平均人員の3人割れが始まったのが1990年代(厚生労働省『平成26年国民生活基礎調査』)。「DINKs(Double Income No Kids:共働き、子どもなし)」に代表される2人暮らし提案などが盛んになり、"モノ(住まい)+コト(暮らし)の時代"へと変遷していった。

人口減が始まった2010年代。65歳以上の高齢者のいる世帯が4割を超え(厚労省)、いわゆる「空き家問題」など従来の枠組みを超える"社会の課題と向き合う時代"、言葉を変えれば"コト(暮らし)を創る時代"が到来している。「住まいと暮らし」に関わる企業は、この20年ごとのトレンドと正しく対峙する必要があると、私は提唱している。

社会の課題と向き合うとは、「暮らし」を主役としたライフスタイル提案企業への変化と成長を意味している。住宅業A社は、住まいを持つと始まる「ローンとの戦い」という現実を変えるべく奮闘。同社社長が「分譲以上、注文以下」という、適正価格で購入できる規格型住宅を筆頭に、資産形成アドバイスや家計を助けるエネルギー事業など、「家を持つことで生活が豊かになる」を合言葉に事業を展開し、増収増益基調を堅持している。

一方、業績好調なエクステリアメーカーB社。好調の要因は、「エクステリアという部材」を売らず、「庭のある暮らし方」を提案し続けて顧客から支持されていることにある。

現在は中古住宅や空き家をリノベーションし、新たな暮らし方を提案する企業が増え、結果、中古住宅市場は伸長している。政府も中古住宅の市場規模を2025年に8兆円(2013年は4兆円)、リフォーム市場の規模を同12兆円(同7兆円)に拡大する目標を定め(「住生活基本計画」2016年3月閣議決定)、新築(フロー)中心から既存住宅(ストック)を活用する政策へと軸足を移している。

"住まいをリノベーション"し、新たな暮らし方を提案することによって、「事業のリノベーション」へ挑む。時代の変化に向き合うことが、今こそ必要だ。


タナベ経営 常務取締役
住まいと暮らしビジネス成長戦略研究会 アドバイザー

中村 敏之 Toshiyuki Nakamura
「次代の経営者育成なくして企業なし」をコンサルティングの信条とし、100 年発展モデルへチャレンジする企業の戦略パートナー。豊富な現場経験に基づく「ビジョンマネジメント型コンサルティング(VM 経営)」は具体的で、クライアント企業から分かりやすいと大きな信頼を得ている。関西学院大学卒。






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ストックマーケットへの挑戦

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 副本部長/ 住まいと暮らしビジネス成長戦略研究会 リーダー
山本 剛史 Tsuyoshi Yamamoto


企業の潜在能力を引き出すことを得意とする経営コンサルタント。事業戦略を業種・業態ではなく事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客を再設定して事業モデル革新を行うことを得意とする。現場分散型の住宅・建築・物流事業や、多店舗展開型の小売・外食事業などで生産性を改善する実績を挙げている。神戸大学大学院卒。


フローから「ストック」へ住宅市場の現状と課題

総務省統計局『平成25年住宅・土地統計調査』(2013年10月1日時点)によると、総住宅数6063万戸に対し、総世帯数は5246万世帯。つまり、800万戸以上の住宅が余っていることになる。

これだけ中古住宅(ストック)があるのに、なぜ毎年90万戸前後の住宅が新設され続けるのだろうか?

理由の1つに、市場に流通する中古住宅のシェアが低いことが挙げられる。各国の全住宅流通量(新築・中古)に占める中古住宅のシェアを見ると、「アメリカ」90.3%、「イギリス」85.8%、「フランス」64.0%と大勢を占めるのに比べ、日本はわずか13.5%(【図表1】)。住宅構造や文化の違いを差し引いたとしても大きな差がある。

こんなに新築住宅(フロー)を多くつくっているのは日本だけであり、住宅を新しく建て続ける企業と、それを供給する企業による一大産業が形成されている希少な市場といえる。

政府は1999年に、ゆとりある生活空間の形成を目指して「生活空間倍増戦略プラン」を閣議決定したが、空き家・空きビル問題が深刻化している現在、政策的に誘導しなくても、結果として空間が倍になっていると言っても過言ではない。もちろん、活用している状態とはほど遠く、「ただ空いてるだけ」である。

そこで今、この余っている空間を豊かに使おうという動きが全国で起こり、それがリノベーション事業を手掛ける企業などの後押しによって広まりつつある。

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【図表1】中古住宅流通シェアの国際比較

ストックマーケットが注目される3つの変化

初めて総住宅数が総世帯数を上回ったのは1968年であり(総務省統計局『住宅・土地統計調査』)、少なくとも数字の上では半世紀近くずっと余り続けている。中古住宅が流通しない理由として、不動産流通市場の未整備や、15年間で住宅としての価値がゼロになる建物の評価方法などの要因がよく挙げられるが、なぜ今になって中古住宅市場が注目されているのか。次に示す3つの変化から要因を探る。

(1)価値観の変化

第一に、若者を中心とした「価値観の変化」がある。内閣府が行った『平成27年度 住生活に関する世論調査』の結果から読み取れるのは、「持ち家は不要と考える人が増えた上に、持ち家を希望する人も中古で構わないと考えるようになっている」という変化である。要するに、「新築の家は特に必要ない」という傾向が強まっているのだ。
「住宅を所有したいか」との問いに対して、「所有したい」とする回答は、前回調査(2004年11月)から4.1ポイント減少して2015年度は74.9%。また、「住宅を購入するとしたら新築か中古か」との質問では、「中古」(一戸建て、マンション)が6.5ポイント増の9.9%と前回(3.4%)から約3倍へと支持を広げている。(【図表2】)

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【図表2】住宅を購入するとしたら新築か中古か

(2)情報インフラの変化

第二の変化は、IT技術の革新により、暮らしを取り巻く情報インフラが急速に発展している事実である。
中古住宅の個人間取引を想定した場合、売り主と買い主の希望が、外観や間取り、築年数、仕様などを含め、同一エリアで、しかも頻繁(ひんぱん)に一致するのかという疑問が生じる。加えて「今すぐ欲しい」「半年後に欲しい」など時間軸の概念が入る。
この取引を可能にしたのがインターネットである。売りたい人と買いたい人をリアルタイムで瞬時にマッチングできる世の中へと移行していく中、中古住宅のネットでの取引も可能になってきた。

(3)異業種参入による市場プレーヤーの変化

中古住宅を手掛けるのは、主に内装デザインやインテリアにこだわる若年層向けに、築年数を経て値ごろ感の出てきたマンションをフルリフォームする事業者が中心だった。しかし、近年は大手仲介会社やデベロッパーが市場へ参入。取り扱う住宅もマンションだけでなく、一戸建てへと拡大してきている。
またIT・インターネット大手と住宅・不動産事業者の業務提携も目立つ。2015年6月、アマゾンジャパンが大手ハウスメーカーと組んで「リフォームストア」を開設し、住宅リフォーム市場に参入したことは記憶に新しい。エンドユーザーにとってリフォームやリノベーションがより身近になると考えられる。
市場原理では、開拓者1社だけが頑張っていても市場全体の成長は見込めない。ライバルの参入により、市場参加者(事業者とユーザーの両方)が増える中で市場が刺激され、拡大していくからである。中古住宅市場は、まさにこれから拡大期に入ろうとしているといえよう。

ストックマーケットを取り込むポイント

この有望市場を取り込むポイントは、次の3点である。
(1)新たな業態の確立
ストックマーケットは新たな市場であるが故に、そこで勝ち残っていくには新たな業態によるサービスの提供が必要である。
例えば、「水と油」といわれてきた建築と不動産の融合によるワンストップサービスの実現だ。不動産取引に伴う手数料を利益とする不動産仲介業と、リピートを含めて工事を受注しながら利益を出していくリフォーム事業では、ビジネスの形態が大きく異なる。仲介は早く効率よく契約しようとする傾向にあるが、リフォームはじっくりと話をまとめていく。
また、購入顧客の総予算が限られている以上、物件購入費とリフォーム工事はトレードオフの関係にある。一方の額が増えれば他方の予算が減ることになるため、アライアンスを組む、もしくは、1社で両方の機能を持つ新たな業態の創造が解決策である。

(2)住まい選びの川上へ

中古住宅を購入してリフォームする顧客は、まず不動産会社に相談に行くのが一般的だ。ここで売買契約をしてから、あるいはほぼ物件が決まった段階で、建築会社に工事の依頼をする。
従来の新築を中心とした住宅会社であれば、自社のモデルルームやホームページで商品ライン(洋風の家・和風の家、高価格帯の家・低価格帯の家など)を紹介するのが通例である。しかし、それよりもさらに上流工程の「家の選び方・買い方」に対するサービスを開発し、新築や中古に限定せず、住まいの選択肢を幅広く提供する取り組みが必要だ。

(3)コミュニティーづくり

単なる不動産取引のように、売りっ放しで終わらず、売った後の"暮らしへのケア"を忘れてはいけない。既にある建物を活用することは、単に古い物件を新しくするということではない。
例えば、老朽化したビルの良さを見つけ、リフォームやリノベーションで新たな価値を付加。さらに時間をかけて、そのビルを中心としたコミュニティーが創造できたとき、そのビルは魅力的な"場"としてよみがえり、人が人を呼ぶサイクルを確立することが可能となる。
そのためには、建物や土地、街の魅力や歴史などを知るとともに、暮らしに対する顧客ニーズを正しく見据える企画力が問われる。設備のアップグレードも必要だが、それよりも「そこに住みたい」と顧客が感じるコンセプトを生み出すことが重要である。

そういった目線で街を見渡すと、街の至る所に活用できるストックがある。自社の事業に適した形で、このストックマーケットを取り込んでいただきたい。

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