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今週のひとこと

部下に気配りを求めるなら、まず自分が

「気づく力」を養うことだ。仕事の先行

管理、リスク管理をしっかり実行すれば、

おのずと身に付いてゆく。





☆ 人見知りも信頼関係を築く武器となる

これから春にかけて、入社や異動などで周りの環境がガラッと変わり、新たな出会いも多く訪れます。そこで今回は、「人見知り」についてお伝えします。

人見知りの方は、新たな環境に身を置くことにストレスを感じることが多いかもしれません。学生時代の入学時やクラス替え、会社に就職してからの異動・転勤の時などに、新たな交友関係を構築することが苦手で、「人見知りを克服したい!」と思ったこともあるでしょう。

そんな人見知りですが、実は誰もが本能的に持つ警戒心の一つなんだそうです。人見知りをする人は自分に自信を持てない方が多く、警戒心や緊張感を保ちながら相手と接する傾向があります。したがって、相手に対する気配りができたり、人を観察する力が自然と身に付いたりと、決して悪いことばかりではありません。

人見知りは決して弱みではありません。初対面の人と会う時、初めてではないと思いこんだり、自分に自信を持ち克服できれば、むしろ強みとなり、人との信頼関係を築く武器にすることができるのです。

マネジメントパートナーズ本部
椹木 彩音





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ソリューション創造による新・事業戦略構築スキーム


消費マーケットから課題マーケットに目を向ける

人口減少や世帯数減少といった社会構造の変化により、国内の消費マーケットは縮小するといわれている。そのため、多くの企業が業種の壁を越え、成長マーケットであるドメイン(事業領域)を狙う動きを活発化させている。これは、業種・業態間のボーダレス化を意味する。新たな競争時代が到来しているのだ。中堅・中小企業にとっては、今まで想定していなかった企業がライバルになる可能性がある。

一方、社会的課題や顧客課題がより鮮明となり、課題マーケットは拡大している。従って、中堅・中小企業が成長するには、課題解決技術(ソリューション)を磨き、提供していくことが不可欠である。

課題マーケット拡大の環境下における事業戦略を、クロスSWOT分析やアンゾフマトリクスといった消費マーケットを前提とする従来型のフレームで捉えるのは限界があると考える。

筆者は現在、複数のクライアント先で、課題マーケットを切り口とした事業戦略構築の支援を行っている。次にその具体的な事例を紹介したい。


顧客課題を捉える

ソリューションを磨くに当たり、まずは、顧客課題を的確に捉える必要がある。この課題は大きく2つに分類できる。(【図表1】)

1つ目は「顕在的課題」であり、未来に確実に起こる課題を指す。課題発見の着眼は、顧客の声に耳を傾けること、つまり直接顧客へヒアリングを行うことである。コンサルティングの一環として、クライアントの顧客(得意先)に、ヒアリングを行うケースも多くなってきている。内容は直接的な課題だけでなく、得意先の経営理念やビジョン、業績構造、クライアントとの現在の関係、クライアントの強み・弱み、今後の成長戦略などだ。あらゆる角度からヒアリングし、本質的な得意先の課題を導き出す。営業担当者は日頃より、このような視点を持って営業活動をすることが理想である。

2つ目は「潜在的課題」であり、今後起こり得る課題を指す。顧客がまだ課題と認識しておらず、ヒアリングではなかなか浮き彫りにならない。この課題を発見する着眼は、顧客の業務プロセスや、顧客の顧客(エンドユーザー)の思考や行動を分析することだ。マクロミルや楽天リサーチなど、Webを用いた一般消費者調査を利用するのも有効である。

【図表1】顧客課題の分類と着眼
【図表1】顧客課題の分類と着眼


磨くべきソリューションを決め、ナンバーワンポジションを狙う

顧客課題をつかんだ後は、解決のために自社が磨くべきソリューションを決める。【図表2】のソリューションマップに沿って考えていきたい。このマップは、顧客課題(縦軸)×顧客区分(横軸)のマトリクスであり、まずは横軸のセグメントを設定する。顧客の業界・規模・地域、次にエンドユーザーの販売チャネル・販売地域・層といった2段階で設定していく。

次に、縦軸を顕在的課題、潜在的課題の2つに分け、それぞれ明らかになった課題を列挙する。各マトリクス内には、自社が該当課題を解決できていれば○印を記入する。最右列にライバルの有無を置き、ライバルが存在するか否かを明らかにする。

このマトリクスを埋めていくと、横列に「○」が多い課題項目は既に解決できており、自社が磨くべきソリューションであると分かる。さらに、ライバルが存在しない場合はナンバーワンポジションを狙える可能性がある。

また、縦列に「○」が多い顧客業界やチャネルは、複数の課題解決ができており、自社の価値がより認められていることとなり、今後強化していく業界・チャネルであるといえる。

【図表2】は、ある化粧品卸売業のマップである。横軸のA~C業界には、百貨店業界やドラッグストア業界といった顧客区分を想定している。○○~□□チャネルは、大規模店舗や中規模店舗、小規模店舗といった店舗規模区分である。

課題を列挙した際、「○」が多いのは「売り場改善による売り上げ拡大」「コストダウン」「仕入れ先の一元化」である。つまり、磨くべきソリューションは「売り場づくり支援によるリテールサポート」「一括購買管理支援によるコストダウン」の2種となる。なお、この事例では1つのソリューションで2つの課題を解決している。課題とソリューションは必ず1つずつの対になるわけではない。

また、何を解決するかという視点は、①業績拡大、②業務支援の2つに分類されることが多い。自社が顧客の業績に貢献するのか、業務の支援をしていくのかも考えていきたい。

【図表2】ソリューションマップの例①
【図表2】ソリューションマップの例①

【図表3】ソリューションマップの例②
【図表3】ソリューションマップの例②


絞って勝つ、勝ってから広げる

中堅・中小企業の事業戦略の鉄則は、「絞って勝つ、勝ってから広げる」。つまり、ソリューション創造による新・事業戦略構築のスキームは、第一に1つのソリューションを極めナンバーワンポジションを獲得した後、顧客の水平展開を行うこと。第二に1顧客セグメントに対してソリューションの数を広げ、ソリューションをマルチ化させることだ。

事例では、【図表3】の通り、「売り場づくり支援によるリテールサポートソリューション」「一括購買管理支援によるコストダウンソリューション」の2つで未開拓の顧客を開拓し、さらにソリューションを磨く。そして、現在多く課題を解決しているA業界△△チャネルに対し、ソリューションの数を拡大し、自社がなくてはならない存在となるまでソリューションの価値を向上させる。その後、業界・チャネルを拡大していくというステップだ。

繰り返すが、課題マーケット拡大の環境下においては、顧客の課題を発見し、その課題を解決する技術(ソリューション)を決め、そのソリューションを戦略的投資により磨いていくことで、成長戦略を描く必要があるのだ。

  • タナベ経営 コンサルティング戦略本部
  • チーフコンサルタント
  • 森田 裕介
  • Yuusuke Morita
  • 大手アパレルSPA企業での経験を生かし、小売業の事業戦略構築、出店戦略、店舗改革を得意とする。理論だけでなく、現場の意見に基づく戦略構築から実行まで、顧客と一体となった実践的なコンサルティングを展開。「お客さまに喜んでいただけるまで妥協しない」をモットーに、業績向上を図っている。







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日本一小さな村で生まれた世界一の圧造加工、複合加工メーカー
卓越した技術と高品質でニッチトップを確立


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φ50ミクロンの極小ヘッダーピン(IC 用マイクロ端子)(左)
バンドリア、プレスフィット製品。顧客側でのはんだ付け工程の削減が期待される(右)

線材の冷間圧造加工(ヘッダー加工)で日本一の生産量を誇るファインネクスグループ。
圧倒的な競争力の源は、徹底した自働化が生み出す独自技術と高品質にある。競合がひしめく業界にあって、トップメーカーであり続ける同社の戦略と今後の展望を伺った。



加工技術と自働化を磨き世界シェア70%を実現

大川 日本一面積の小さな村、富山県・舟橋村に本社を置くファインネクスグループは、パソコンなどのCPU、MPC用マイクロ端子で世界シェア70%を占める世界一企業です。まずは歴史からお聞かせください。

松田 もともとは製縄業を営んでおり、簡単な機械をつくって縄を製造していました。その加工技術が金属線材を使ったリードピンへとつながり、1965年に電子部品用端子ピンやリード線の専門メーカーとして生産を開始、1969年に法人改組しました。当初より自動機を内製し、それを用いてさまざまな電子部品を製造しています。外からは見えませんが、当社で製造した部品は自動車やスマートフォン、液晶ディスプレー、ビデオカメラ、産業機器など身近な製品に入っています。

大川 直接ユーザーの目には触れませんが、先端技術を支えていらっしゃいます。また、2015年には社長就任に合わせてグループの使命を策定されましたね。

松田 国内外の工場や営業所、グループ会社が共通の目的に向かって取り組むために策定しました。「いい会社を創ります」という一文から始まりますが、いい会社づくりとは、①世界ナンバーワンの卓越性ある仕事を通して、お客さまの求める新しい満足を提供し喜んでいただく、②全社員が日々意欲的にわくわく挑戦し幸せな会社をつくる、③会社が1つにまとまって、たくましく、誠実な会社をつくる--の3つを日々実践することです。

大川 さらに、使命は「圧造加工、複合加工、自働化を極め、社会に役立つ『新しい価値』を創造します」と続きます。

松田 圧造加工は創業当初からの強みです。銅や真鍮(しんちゅう)、アルミ、鉄などの金属線材を、自動加工機でたたいたり曲げたりして粘土のように目的の形状にする圧造加工を行っています。複合加工とは、金属条材のプレス塑性加工や成型、インサート成形、めっき、組み立てといった工程を複数組み合わせて行うことです。ファインネクスでは一連の工程を一気通貫で手掛けることができます。また、当初より圧造加工や複合加工に用いる自動機を内製している点が特長であり、自働化を得意としています。この3つを極めて、これまでにない価値の創造を目指しています。

ファインネクスグループ 代表取締役社長 松田 竜彦 氏
ファインネクスグループ 代表取締役社長
松田 竜彦 氏
1976年富山県生まれ。大学卒業後、電子部 品メーカーに入社、製造技術部に配属。2002年にファインネクス入社。製造部、東京、シン ガポール、上海の各営業拠点、製品技術部を 経て2009年取締役、2015年4月に代表取 締役社長就任。全員参加型経営、部門採算 制度と強いリーダーシップ育成、バリューエンジ ニアリングと科学的なものづくり、ドラッカーマネ ジメントを参考にした使命経営により、皆にとって ファインな「いい会社」創りを目指す。

加工技術を磨き他社ができない分野に挑戦

森松 国内のみならず世界市場でもニッチトップ企業としての地位を築いていらっしゃいます。

松田 冷間圧造加工(ヘッダー加工)では引き続き世界ナンバーワンを目指しています。圧造加工の市場規模は条材プレス加工の50分の1程度とニッチ分野ですが、金型費が条材プレスに比べて大幅に安い、寸法調整もしやすい、加工時に材料くずを出さないなど効率が良くて地球環境にも優しい。当社はCPU用ICマイクロ端子において世界のトップメーカーになりましたが、以前はライバル企業も複数ありました。その中で品質が継続して安定しているメーカーのみが生き残ったわけです。

森松 安定的に高品質を提供できる秘訣(ひけつ)はどこにあるのでしょうか?

松田 精度の高い自働化が要です。当初より工機部を設置して社内で自動機の設計・製造を行ってきたことが、独自技術や品質の安定につながりました。現在では、2000台の社内加工機を保有しています。さらに、画像検査装置も自社で開発するなど徹底した自働化によって、製品のコストを抑えるとともに品質管理や安定供給に努めています。不良品を出さなかったことでお客さまとの信頼関係が構築できました。

中村 加えて、コスト面のメリットもあります。通常の条材プレス加工では型抜きする際に捨てる部分が生じますが、線材加工は捨てる部分がない。また、金型についてもプレス加工のように高価なものは必要ありません。小さな金型で済むため初期費用も抑えられます。

大川 一気通貫が大事ですね。複合加工によって製品の付加価値が格段に高まります。また、圧造加工は特殊技術を生かして大小さまざまな製品をつくることができます。

松田 線材の直径でいえば、小さいものでは髪の毛よりも細い50ミクロン前後のサイズから加工が可能です。大きいものでは、車載用に3~8ミリメートルの製品もあります。

中村 電機通信関係の民生用ではより小さいサイズの製品にニーズがありましたが、車載関連は太い形状にニーズがあります。当社にしかできない高精度・高品質が求められる市場とモノづくりを目指しています。

大川 複合加工でいえば、素材加工のみならず、めっきや成形、一体インサート成形、組み立てまで一貫生産できる体制は他社にない特長です。

松田 例えば、コネクタやセンサの場合、プレス加工やめっき、組み立て、インサート成形まで一気通貫で行っています。ワンストップソリューションをご提供することで、お客さまは、工程のつど複数の会社に発注する手間が省けるほか、品質保証の面でも大きなメリットがあります。特にめっき工場には専門の技術者を配置し、新しいめっき加工の導入、分析・解析に力を入れて科学的な提案ができる体制を整えています。

タナベ経営 常務取締役 大川 雅弘
タナベ経営 常務取締役
大川 雅弘
大手機械メーカーの技術開発部門を経てタナベ経営に入社後、北陸支社長、取締役を経て2011年より現職。企業の進化を支援するコンサルタントとして上場・中堅・中小企業の経営全般のコンサルに従事し、従来の発想にとらわれない独創的な手法で数多くの企業を優良企業に進化させている。信条は「進化の中に感動があり、感動こそが企業の若さを生む」「難しいことを分かりやすく言うのが本物のコンサルタントである」。著書に『企業進化への挑戦』(ダイヤモンド社)ほか。

圧造加工事業では、あらゆる種類のヘッダー圧造部品を製造。 世界ナンバーワンのシェア実績でモノづくりに貢献している(左)。 複合加工事業では、センサやコネクタの部品加工でワンストップソリューションを提供している(右)
圧造加工事業では、あらゆる種類のヘッダー圧造部品を製造。
世界ナンバーワンのシェア実績でモノづくりに貢献している(左)。
複合加工事業では、センサやコネクタの部品加工でワンストップソリューションを提供している(右)

組織改革と人材育成で次のステージを目指す

ファインネクスグループ 取締役 支援本部長 中村 晋也 氏 1987年東洋産業(ファインネクスの前身)入社。医用機器事業部に配属後、ISO取得のため本社へ。1996年ISO取得後、品質管理部、製造部、情報システム部を担当し、工場管理と仕組みづくりに注力する。執行役員を経て2015年より現職。
ファインネクスグループ 取締役 支援本部長
中村 晋也 氏
1987年東洋産業(ファインネクスの前身)入社。医用機器事業部に配属後、ISO取得のため本社へ。1996年ISO取得後、品質管理部、製造部、情報システム部を担当し、工場管理と仕組みづくりに注力する。執行役員を経て2015年より現職。

大川 新たに経営基本方針も定められました。

松田 6つの方針を定めましたが、第一に挙げたのが使命の実現です。今は、お客さまの視点に立ったマーケティングと、部門別採算制度の導入を通した全員参加型経営、リーダー育成に重点を置いて取り組んでいるところです。

新田 経営計画の達成に向け、組織づくりや人材育成にも力を入れていらっしゃいます。

松田 4月から組織を機能別に再編成し、支援本部、営業本部、技術本部、製造本部から成る体制としました。また、よりお客さまに近いところで開発を行う体制を整えたほか、自働化をより強化するために自働化部を新設しました。体系的な教育制度で外部研修へ派遣したり、社員一人一人の指導計画をつくって育成したりと、早く一人前になり面白い仕事ができるような教育制度づくりにも取り組んでいます。

大川 顧客に近いモノづくりや自社の強みを磨く組織形態に転換されたのですね。また、以前から部門横断型のプロジェクトを使って効果的な改革を進めていらっしゃいます。

松田 例えば、現在進行中のプロジェクトとして、電力費削減に挑戦する「ELEC(エレック)50」を2015年に立ち上げました。3年間で電力料金半減を目標に、地球環境に優しいモノづくりに取り組んでいます。ほかにも、海外拠点開設や新規事業の立ち上げ、新市場開拓などの課題にプロジェクトチームを活用して取り組んできました。タナベ経営と実施した事業戦略プロジェクトや組織デザインプロジェクトでは、新しい切り口から客観的に会社の現状を把握することができた点が良かったと思います。

大川 プロジェクトは、松田社長と若手メンバーが中心でしたが、積極的に取り組まれていました。テーマごとに最適な人材を集めたプロジェクトを通して、課題解決のスピードアップを図られています。

新田 プロジェクトチームの活用は人材育成にもつながります。ファインネクスでは、現場力を高める「7S」やQC活動などにも継続的に取り組んでいらっしゃいますね。

中村 整理・整頓・清潔・清掃・しつけの5Sに、セーフティーと省エネを加えたのが7Sです。7S活動を通して働く環境を自ら整えていく姿勢を新入社員のころから徹底することで、体質強化に取り組んでいます。QC活動はグループ全体で取り組みを続けており、発表会は既に40回を超えました。また、全体朝礼を月1回実施しているほか、改善提案制度には年間700件ほどの提案が寄せられるなど活発です。こうした活動をリニューアルしながら続けていくことで、効果を高めているところです。

松田 全体朝礼は、社員がスピーチする機会を設けるなど人間力を高める場としても活用しています。また社内コンパもお酒を飲みながら、仕事に関する話をする場として役立っています。社内のコミュニケーションを大切にしています。

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長 チーフコンサルタント 新田 毅 数多くの経験に基づく独自の視点で、戦略・人材・ITなど幅広い分野においてクライアントの特性に応じた具体的施策を提言。経営視点からの実践的なアドバイスが高い評価を受けている。上場企業から中小企業まで、事業戦略や組織戦略のコンサルティング実績多数。
タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長
チーフコンサルタント
新田 毅
数多くの経験に基づく独自の視点で、戦略・人材・ITなど幅広い分野においてクライアントの特性に応じた具体的施策を提言。経営視点からの実践的なアドバイスが高い評価を受けている。上場企業から中小企業まで、事業戦略や組織戦略のコンサルティング実績多数。

従来の枠を超え真の中堅企業へ

森松 伸ばしていきたい分野など、今後の展望はいかがですか?

松田 現在の主力である民生用に加えて、今後は車載関連を強化していきたいです。中小企業から真の中堅企業へと成長するためにも、10年後には車載関連が売り上げの半分を占める規模まで育てていきたいと考えています。中でも、はんだ付けなしで結合できるプレスフィット製品を強化しています。ヨーロッパでは車載関係にも採用されており、日本でも広がりつつある分野です。はんだ付けが不要な分、工程を簡素化できるため、コストダウンにつながります。

中村 民生機器向けは差別化が難しくなっていますから、今後はコア技術を他の分野に生かし、市場を開拓していこうと取り組んでいます。問い合わせも増えており、複合加工も含めて提案を強化していきたいと考えています。

大川 当初から自社でオリジナルの設備を製作されています。加工用はもちろん検査装置まで手掛けていて、他社からの開発依頼もあるとお聞きました。

松田 自社向けに開発していたため、全く異なる業種から問い合わせが寄せられ驚きました。例えば、当社の画像検査装置が衣類メーカーの不良品検査のために導入されるなど、想定していなかった分野に広がっています。日本の人口減少が進む中、メーカーがさらなる自働化を進める流れもありますから、市場調査も含めて今後の可能性を模索しているところです。

中村 自働化技術に対するニーズがあると分かりましたので、積極的に取り組んでいきたいですね。これまではお客さまからの要望に応える受注型メーカーでしたが、今後はお客さまに提案できる企業へと変えていきたいと考えています。

大川 車載関連をはじめ、これまで培った技術を転用できそうな分野がまだまだありそうです。今後はあらゆるところでモノとインターネットがつながるIoTが進み、自動車の電装化もますます進んでいきますから、ファインネクスグループの領域がますます広がっていくと感じています。

松田 世の中の製品は多数の部品から成り立っています。いい製品は「いい部品」があってこそ成り立つものです。当社は加工技術を極めていい部品をつくり続けていく。さらに、いい部品は「いい工程や機械」からつくられますから、今後も自働化を進めてモノづくりを極めていきます。また、長年培った自働化の強みを社内だけでなくお客さまにも提供することで、新たな価値と満足を創造できる会社にしたいと考えています。

大川 ファインネクスグループは成長の可能性を秘めた優秀な会社です。日本一小さな村の中で世界一戦略をしっかり極め、ますます大きく発展することを祈念しております。本日はありがとうございました。

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長代理 チーフコンサルタント 森松 貞治 企業の成長戦略の立案およびビジョン構築、新規事業・新商品開発に数多く携わる。各企業の強み(技術・商品・ノウハウ)に磨きをかけ、勝てる場(新マーケット・新チャネル)へと展開させ高収益企業へと導いている。クライアントの真の強みを見つけ、クライアントと共に育てていく親身なコンサルティングで数多くのファンを持つ。
タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長代理
チーフコンサルタント
森松 貞治
企業の成長戦略の立案およびビジョン構築、新規事業・新商品開発に数多く携わる。各企業の強み(技術・商品・ノウハウ)に磨きをかけ、勝てる場(新マーケット・新チャネル)へと展開させ高収益企業へと導いている。クライアントの真の強みを見つけ、クライアントと共に育てていく親身なコンサルティングで数多くのファンを持つ。

■ ファインネクスグループの使命
いい会社を創ります。
私たちは、圧造加工、複合加工、自働化を極め、社会に役立つ「新しい価値」を創造します。


PROFILE

  • ファインネクス ㈱
  • 所在地: 〒930-0281 富山県中新川郡舟橋村舟橋415
  • T E L : 076-462-1881 ㈹
  • 設立: 1969 年
  • 資本金: 2 億9967 万円
  • 売上高: 約80 億円(連結、2016 年3 月期)
  • 従業員数: 約380 名(連結、2016 年3 月時点)
  • 事業内容: 電子部品製造業(民生用エレクトロニクス部品、自動車用エレクトロニクス部品)
  • http://www.finecs.co.jp/
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所