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今週のひとこと

できるか、できないかではない。

やるか、やらないかで、すべては

決まる。





☆ 失敗する条件を自らつくっていませんか?

前もって言い訳をつくることを「セルフ・ハンディキャッピング」と言います。人は、失敗する可能性があるという不安を感じると、あらかじめ自分自身にハンディキャップを課し、失敗する理由をつくろうとする傾向があります。

このセルフ・ハンディキャッピングは日常にあふれています。
例えば、試験当日の朝、「昨日は夜中までテレビを見てしまった」と言う学生や、重要なミーティングを行う日の朝、ミーティングルームに着くなり、「昨晩遅くまでお酒を飲んでいたので、まだ二日酔いです」と言う職場の同僚など。


セルフ・ハンディキャッピングの怖いのは、その人が本当にその行動をとっているということです。試験前日に夜中までテレビを見ていたことや、ミーティングの前日の夜遅くまでお酒を飲んでいたことも、紛れもない事実です。失敗した時に、ダメな奴だと思われたくない、という気持ちが失敗しやすくなる行動を実際に起こさせているのです。

ちなみに、筆者のこれまでの経験から、セルフ・ハンディキャッピングを行いがちな人には、共通点があると感じています。
それは、「しなければならない」という言葉を多く使うことです。
「しなければならない」という言葉を多く使う、いわゆる、やらされ感を持って仕事に取り組んでいる人は、「したい」という言葉を多く使う人よりも、セルフ・ハンディキャッピングをする傾向が強いようです。


あなたは最近、ブツブツ・・・言っていませんか?

コンサルティング戦略本部
コンサルタント
野間 健太郎





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事業承継の経営技術を高める


帝国データバンクによると、創業100年以上の長寿企業は、調査対象131万4829社のうち2万8972社で、その割合は約2%である(『帝国タイムス』2016年7月25日付)。100年続く企業となるために必須の「事業承継」をどう考え、準備するかが、2%に入れるかどうかの重要な要件となる。

タナベ経営では、100年先も一番に選ばれる会社「ファーストコールカンパニー」を目指すことを掲げており、その条件の1つとして「事業承継の経営技術」を挙げている。事業承継について重要なポイントはたくさんあるが、本稿ではクライアントの長寿企業に共通する3点を確認したい。

(1)企業の存在価値が明確である

企業の存在価値とは、社会的役割である。自社が倒産したら、誰がどのように困るのか、誰に何を提供するのかをしっかりと定義し、それを全社員が共有している。逆に言えば、やらないことを明確にしているということだ。特に中堅・中小企業の場合、限りある経営資源をどこに集中するのかをはっきりさせている。

(2)チームで経営する組織がある

長寿企業は、チームで経営する組織を保有している。例えば、ホールディング組織によるグループ経営、次代の経営陣候補によるビジョンボードなど、組織を横断するチームで経営を行う組織である。創業者によるワンマン経営を、ずっと続けることはできない。

(3)経営者を育成する仕組みがある

長寿企業の経営者は、口をそろえて「経営は行き着くところ『人』で決まる」と言う。長寿企業には、人材の能力を最大限に引き上げる技術がある。例えば、人事ローテーションを積極的に行っており、1部門しか知らない経営幹部はいない。また、新入社員から役員までの教育体系を社内大学(アカデミー)のように整備している。次代の経営者候補には、ジュニアボードなど経営を疑似体験させる仕組みがある。

こうした共通点を前提に考えると、100年経営を目指すには、承継スケジュールを明確にしておく必要がある。5年後、10年後、20年後の経営者は誰なのか、それを支える役員・幹部は誰なのかを具体的にしておくことだ。100社中2社という確率でしか生き残れない長寿企業になるために、ぜひ事業承継の経営技術を高めていただきたい。


■筆者プロフィール

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 大阪本部長
小田巻 肇 Hajime Odamaki
「業績に直結する」をモットーに、財務戦略・ブランディング戦略や新規事業計画の立案などのコンサルティングを担当。関西一円の企業にて、年商規模がそれぞれ1、3、5の数字(例えば100億円、300億円、500億円など)で直面する壁を破り、増益企業をつくる実践的支援を展開。






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経営の基本「人間愛」で、社員の育成に注力


川北電工
取締役総務部長 兼 経営企画室長
瀨戸口 浩 氏

将来を見据えて人材を確保

川北電工は、鹿児島県を拠点に送電工事や配電工事をはじめ、電気設備や無線・有線・情報設備、電気通信設備、防災設備・空調設備など、電気に関する工事をメインとする総合電気設備工事事業を推進。九州地方から関西、東京へとビジネスエリアを拡大させている。1945年9月の設立から70年以上が経過し、確かな技術を持った地域密着型の企業として着実に成長してきた。

東日本大震災以降は、地域の防災無線の整備に関わる工事も多く、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた需要増加が期待されている。しかし、発送電分離や電力小売り自由化などの業界変革によって先行き不透明感も増しており、さらなる経営構造の強化が課題となっている。

成長の鍵を握るのは、人材だ。積極的に新卒採用に取り組み、2015年度は16名、16年度は11名とコンスタントに人材を獲得。取締役総務部長兼経営企画室長の瀨戸口(せとぐち)浩氏は「電気工事業は、過酷な労働環境下でも作業をしなければならず、入社希望者が少ないため、いい人に出会えれば定員にとらわれることなく採用しています。実際に2016年度の採用は、6名という募集枠に対し、11名を採用しました。現状は高卒が中心ですが、今後はマネジメントを任せられる大卒も多く採用したいと考えています」と採用戦略について語る。

「人間愛」を掲げ、低い離職率を実現

企業方針である「経営のこころ」に掲げるのは「人間愛」。川北電工は人を大切に育てる思いが強い。そのため、新入社員や幹部候補のほか、階層別の各種研修で人材教育に力を入れている。社会人の基礎である接遇・マナーから、経営理念や年度方針をかみ砕いて社員個人の目標に落とし込むところまで、さまざまな局面で研修を活用しているのだ。人を大切にし、業績が苦しい時期でも人材をリストラしない企業姿勢によって、同社の離職率は低い。

「一般的に入社3年で中卒7割、高卒5割、大卒3割が離職する(753の法則)といわれています。しかし、当社には当てはまりません。例えば、高卒の離職率は2割程度です。それに『仕事が厳しいから辞める』という退職理由の人はいません」と瀨戸口氏は話す。

人材育成のコストは削らない

入社した社員は、まずタナベ経営の新入社員セミナーへ派遣する。そこでは高卒や大卒に関係なく、あいさつなど接遇マナーをはじめ社会人として仕事に取り組む基本姿勢を学ぶ。こうした派遣型の研修は、他社の新入社員と交流することができ、「他との違い」を認識する良い機会になると瀨戸口氏は話す。幹部候補生スクールやプロ役員セミナーなども同様である。

「人と会い、話をすることは必ず自分のためになります。そうした経験を多く積ませたいですね」(瀨戸口氏)

技術力は確かであっても、それをアピールするコミュニケーション力がなければ、顧客に会社の価値が伝わりにくい。タナベ経営の各種セミナー・研修で他社の人材と交流することによって、コミュニケーション力の向上を期待しているのである。

こうした人材育成プログラムを活用して基礎を固めているため、取引先から「技術力だけでなく、あいさつなどもしっかりしている」と評価されることが増えてきたという。そのような顧客の声をフィードバックし、社員のモチベーションアップにつなげることも重視している。

各種セミナー・研修に派遣することは、当然コストを要する。しかし、瀨戸口氏は「人材育成のコストは、削ってはいけません」と強調する。景気動向によって左右されがちな人材育成コストだが、削ると必ず後になってしっぺ返しを食らうからだ。企業が持続的に成長するためには、業績が厳しい時でも踏ん張って教育コストを確保すべきなのである。

PROFILE

  • 所在地(川内本部): 〒895-0036 鹿児島県薩摩川内市矢倉町4311-1
  • TEL : 0996-25-1100
  • 設立: 1945年
  • 資本金: 1億4500万円
  • 売上高: 79億3000万円
  • (2016年2月期)
  • 従業員数: 329名(役員除く)
  • http://www.kawakita-denko.co.jp/


タナベ コンサルタントEYE

川北電工は「経営のこころ」として「人間愛」を掲げており、社員を育て、大切にする風土が根付いた会社である。同社は何があろうとも、教育・人材育成のためのコストを削らない。そして、毎年必ず社員教育を階層別に実施している。この結果、全社員のベクトルが同じ目標に向かってそろい、組織が一体となって業績を上げているのである。川北電工はまさに「継続は力なり」を体現している企業と言っても過言ではないだろう。

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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所