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今週のひとこと

経営者は常に自分の考え方を明示し、

全社員に徹底しよう。「自分の考え方」

とは、経営者の価値判断基準のこと

である。





☆ 「経営者目線で仕事をする」とは?

先般、ある会計事務所の所長とのディスカッションの中で「うちの職員は経営を分かっていない。日頃、クライアントである経営者からの経営相談にお応えしているはずなのに...」という話をお聞きました。つまり、事務所の経営者である自分の気持ちを、職員が分かってくれないということです。

確かに、多くの経営者が社員に対して「経営者の気持ちを分かって欲しい」「経営者目線で仕事をして欲しい」と思われていることでしょう。ところで、「経営者目線」とは具体的にはどのようなことなのでしょうか。

 ◆中長期的な視点で業務に取り組む
 ◆自分のこと、自部門のことだけでなく、他部門そして全社のことを考える
 ◆常に会社のこと、仕事のことを考える
―など、さまざまだと思います。


こうした意識を持つことはもちろん大切ではありますが、全社員が「経営者目線」を持つことだけで会社は本当に強くなるのでしょうか。
常に未来を見据えビジョンや戦略を社員に伝える経営者や役員、経営陣の思いを具現化し実行に移すマネジャーやチームリーダー、全社・チーム方針のもと日々の業務で活躍するメンバーでは、それぞれ果たすべき役割が異なります。全社員が将来のことばかり考えていても実務としては前に進みませんし、細かなことまで経営トップの判断に頼っていては、経営者が本来やるべき仕事に十分な時間をとることができません。バランスが大切です。


そして、もうひとつ、本当に「経営のことを知ってもらいたい」「経営者目線で仕事をして欲しい」と思うのであれば、経営者自身が、経営のことを社員に教え、自分の考えを伝え続けることも必要ではないでしょうか。

マネジメントパートナーズ本部
アソシエイト
市川 洋輔





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本気で女性を戦力化する~女性が活躍できる環境づくり~


「女性活躍推進法」の施行を受けて

「一億総活躍社会」の実現を打ち出した安倍政権。その柱の1つが、女性の活躍推進である。政府は2020年までに女性管理職の割合を30%に高める目標を掲げるほか、産休・育休制度や時短勤務制度など、女性が長く働き続けられる環境整備を進めている。

そういった流れの中、2016年4月から「女性活躍推進法」が施行された。従業員数301名以上の企業に対して、

①自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
②その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取り組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表
③自社の女性の活躍に関する情報の公表
―――が義務付けられた(300人以下の企業は努力義務)。経営者は、この法律を自社の文化や風土を変える機会(チャンス)であると捉えてほしい。

企業における女性管理職の現状

内閣府男女共同参画局が2015年6月に発表した『男女共同参画白書』(平成27年版)によれば(【図表1】)、2014年における女性の役員・管理職者数は16万人であり、1996年の22万人をピークに緩やかな減少傾向にある。ただ、男性の役員・管理職者数も93年以降減少しているため、女性が占める割合は11.3%(2014年)と相対的に上昇している。

同調査では、「現在の職場で昇進したいと思うか」との問いに対して、「昇進したい」と回答した割合は、正社員・非正社員共に男性の方が高く(【図表2】)、女性は「そもそも昇進したいとは思わない」が高かった。「一定の条件が変われば昇進したい」との回答は女性の方が男性よりもやや高かったことから、昇進の条件を整備することにより、女性の昇進意欲が高まる可能性は十分にあるといえる。

先の質問に「一定の条件が変われば昇進したい」と回答した人に、どのような条件が変われば昇進したいのかを問うと、男女共に最も多く挙げられたのは給与面の改善であった。また、女性は男性に比べ労働時間や休業・休暇の取得条件の改善を理由に挙げた人が多かった。このことから、ライフスタイルに合わせた働き方を認めることも、女性の昇進意欲を高める可能性があることが見て取れる。

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【図表1】 管理的職業従事者数(男女別)および女性割合の推移 (昭和40~平成26年)

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【図表2】現在の職場で昇進したいか


女性活躍をあらためて考えるチャンス

繰り返しになるが、「女性活躍推進法」の施行は自社の在り方を見直すチャンスでもある。表向きには「女性の活躍を期待している」と言うものの、心の中では「女性は出産・育児によるブランクがあり、長く働けない」と決め付けている経営者や経営幹部は多い。

このような古い考えをいまだに持っていては、企業は成長しないと筆者は断言する。それだけでなく、情報化社会の現代、「あの会社は古い」「働きにくい会社だ」とすぐに悪い評判が立ってしまうことも懸念される。

モノがかつてのように売れなくなっている今、求められるのは新たな発想や価値観に基づく、斬新なアイデアである。女性の視点を生かす意味でも、ぜひ自社を改革していただきたい。

女性社員のロールモデルをつくる

今年、筆者はある経営者から、次のような相談を受けた。「わが社で活躍している女性リーダーが、この度めでたく妊娠した。出産後もできる限り早く復帰してほしいが、どういった環境を整えたらよいだろうか」というものだった。

筆者はまず、当事者であるAさんと面談した。面談では、「仕事に対する考え方」や「出産後の働き方」について質問した。Aさんは仕事に対してかなりの上昇志向を持っており、「今の仕事にはやりがいを感じている。リーダーとして早くレベルアップして、マネジメント層に上がっていきたい。出産後はなるべく早く復帰して働きたい」と今後の働き方についての希望を話した。

同時に、同社で働く数名の女性社員とも面談をすると、「出産することになれば、会社を辞める」という言葉が多く聞かれた。前述の経営者や経営幹部だけでなく、他の女性社員も同じような考え方を持っていたのである。

働く環境を整備したからといって、女性社員自身が働き続けたいと思わなければ意味がない。

そこで、筆者は意欲にあふれるAさんをロールモデルに設定した上で、Aさんのような考え方や働き方を他の女性社員に示し、後続する社員を育てていくべきだと社長に提案。女性社員に対して「キャリアプラン研修」を実施した。それは今まで切り離されていた人生と仕事をつなげ、将来の仕事の在り方を考えさせるものであった。

この研修を経て、今まで「出産することになれば退職する」という考え方を持っていた女性社員たちも、自分たちのキャリアを長いスパンで考え、人生を設計するようになった。

このように、企業において女性の活躍を推進するには、社内制度の整備だけではなく、幹部側と社員側のそれぞれに対し、考え方の教育を同時に実施していくことが肝要である。ぜひ自社でも戦略に組み込み、成長企業を目指してほしい。

  • タナベ経営
  • コンサルティング戦略本部 部長
  • チーフコンサルタント
  • 細江 一樹
  • Kazuki Hosoe
  • 「人事制度で人を育てる」をモットーに、制度構築を通じた人材育成はもちろんのこと、高齢者・女性の活躍を推進する制度の導入などを通じ、社員の総活躍の場を広げている。人を生かす独自のアイデアを数多く生み出し、ソフトな語り口での提案と、本質をズバリ提言するコンサルティング展開で、クライアントから高い評価を得ている。








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時代を読む先見性で沖縄ナンバーワンの酒類卸へ
組織経営を加速し、100億円の壁に挑む



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沖縄県内の酒類卸で圧倒的なシェアを誇る南島(なんとう)酒販。
泡盛の普及を通して地域活性化に貢献する一方、卓越した先見性と顧客対応力で後発ながら県内外の量販店・酒販店から厚い信頼を獲得している。創業40周年を控えた同社は、組織経営の確立でさらなる飛躍を目指す。



酒販卸に特化し沖縄ナンバーワン企業へ

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南島酒販 専務取締役
大岩 健太郎 氏

1982年沖縄県南風原町(はえばるちょう)生まれ。父(創業者)は愛知県出身、母は沖縄県出身。私立昭和薬科大学附属高校、早稲田大学政治経済学部卒。卒業後、全国規模の酒類卸であるリョーショクリカー(現三菱食品)に就職し2年間の修業期間を経て、南島酒販東京営業所の所長を務める。数年間の東京勤務ののち沖縄へ戻り現職。



南川 まずは南島酒販の事業概要からお聞かせください。

大岩 父・馗一郎(きいちろう)が、1979年に酒店の一角を間借りして酒類卸を始めました。父は愛知県出身。当時の沖縄は今よりも閉鎖的で、よそ者が泡盛などの地酒を扱うことに違和感があったようですが、県内においても泡盛の販売が伸び悩む中、「泡盛を盛り上げたい」という志を応援してくださる方も多く、徐々に事業が広がっていきました。この時に築いたメーカーとの信頼関係が南島酒販の礎となっています。

南川 現在は売上高も伸び、県内のみならず県外へも酒を出荷されていますね。商品や販路などに違いはありますか?

大岩 2015年の売上高は約93億円で、その95%を酒販売が占めています。構成比は、県内の量販店や酒販店など家庭用が約50%、業務用が約35%と、全体の8割以上が県内向けで、残りの15%が県外向けともろみ酢です。県内は離島も含め、沖縄全域の小売店や飲食店などに毎日配送しています。一方、県外への出荷は泡盛やオリオンビールといった地酒に特化したことで、取引先は大手量販店や業務用酒販店、ホテル、外食産業など幅広い業種に広がりました。

王道を行けば会社はつぶれない

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タナベ経営 常務取締役
南川 典大

1993年タナベ経営に入社(東京本部)。西部本部長、取締役を経て2014年より現職。上場企業から中小企業まで数百社のコンサルティング・教育などに従事し、数多くの実績を誇る。経営の視点から、仕組みと人の問題解決を行う"ソリューションコンサルタント"として定評がある。著書に『問題解決の5S』(ダイヤモンド社)ほか。

南川 創業から10年は資金繰りが大変だったようですが、量販店の成長に乗って事業が拡大。さらに、1995年ごろのもろみ酢ブームもあって純利益を積み上げ、2000年には無借金経営に近い企業体質を実現されました。また、沖縄ナンバーワンの酒類卸になったのも2000年でしたね。

大岩 父は早い段階から量販店が成長すると読んで他社より安く商品を卸していました。儲もうけよりもシェア拡大を優先したことでトップシェアを確立。そこは先見の明があったといえます。
また、量販店・酒販店にかかわらず、顧客の要望にできる限り応えることでシェアが伸びていきました。例えば、土曜日が休日のため配送を行わない酒卸の代役として、土曜日だけ当社に注文が入る取引先がありました。そうした要望に対応するうち、他の曜日の注文もいただけるようになるなど、小さな取引の積み重ねがトップシェアにつながりました。

比嘉 縁もゆかりもない地で事業を起こし、トップシェアを取るまでには大変なご苦労があったと思います。創業者の言葉で印象に残っているものはありますか?

大岩 「当たり前のことを一生懸命やれば商売は成り立つ」とよく言っていました。また、「つぶれる会社は余計なことをしている」とも。正当な道、王道を行けば会社はつぶれないということでしょうか。それを朝礼などで社員に伝えていましたし、社員を個別に呼び出して3、4時間かけて話すこともありました。もちろん、私も経験しました(笑)。

中間流通の役割はニーズに合わせた商品提供

南川 沖縄県の人口は、出生率の高さや若年層の移住増加などに支えられ、140万人を超えました。日本全体では65歳以上の高齢者人口割合が27.3%(※1)と過去最高だったのに対し、沖縄県は19.2%(※2)。また、2015年度の観光客は793万6300人(※3)と過去最高を記録しており、県内では今後も酒類の需要増加が見込まれています。
※1 総務省『統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)』(2016年9月15日現在、推計値)
※2 沖縄県高齢者福祉介護課(2015年10月1日時点)
※3 沖縄県『平成27年度入域観光客統計概況』

大岩 沖縄県内は家庭用が伸びていますが、需要は多様化しており、県外や海外から仕入れた商品販売が増加している状況です。飲酒運転の取り締まり強化や健康意識の高まり、若者の酒離れなどの要因で、沖縄の人も以前に比べればお酒を飲まなくなっています。その分を国内外の観光客や新たに沖縄に移住した層が補っている印象ですね。

南川 かつて泡盛の需要を掘り起こして地域活性化に貢献したように、新たな市場を創っていくことも必要ですね。

大岩 泡盛の場合は潜在的なニーズがあり、それを掘り起こす手伝いをしました。近年は、海外からの観光客も含め多様な人が沖縄を訪れています。そうした層が地酒以外の酒を求めるのであれば、そのニーズに的確に応えていくことが南島酒販の役割です。
中間流通の役割は、あくまでお客さまが求める商品を的確に届けること。ニーズの掘り起こしは良いことですが、売る側の趣味を押し付けてはいけないと考えています。「問屋は自分たちが売りたい酒を売るようになってはいけない」というのが父の考えでもありました。急速に広がるニーズの多様化に追い付いていない部分もあり、県内で当社が取り組むべき部分は残されていると思います。

組織経営を推進し社員の幸せを実現する

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南島酒販 取締役 管理部長
大岩 誓子 氏

1981年神奈川県川崎市生まれ。福徳長酒類、若松酒造で経理業務に従事し、酒類業界での経験を重ねる。その後、SBSに入社。在職中に大岩健太郎氏と結婚、沖縄へ移住。現在、南島酒販で財務・経理部門管掌の取締役を務める。

南川 3年前に南島酒販を初めて訪れた際、さらに成長するには「規模の壁」と「承継」に課題があると感じました。
規模の壁をタナベ経営では段階別に「1、3、5の壁」と呼んでいます。30億円は「組織経営の壁」、50億円は「新たな事業づくりと部門経営の壁」といったように、企業経営には売り上げ規模に応じて解決すべき課題があるのです。
100億の壁は「ペンタゴン経営」の壁であり、開発、営業、仕入れ、人事、経理の5つの部門がしっかりと確立された状態です。いずれか1つでも弱い部門があると企業は成長しません。壁を乗り越えるには各部門の経営者が育ち、バランス良く機能しなければなりません。新体制への移行には、「社長」「資本」「ブレーン」「事業」をスムーズに引き継いでいく必要がありました。

寺井 現在は規模に見合う体制を目指し、中期経営計画に沿って組織経営に向けた階層別の組織づくりに取り組んでいらっしゃいますね。

大岩 何より社員の給与を上げたいと思い着手しました。現在の社員数は67名。会社の方針で全員、正社員として雇用していますが、これまでは役職のないフラットな組織で全員が同等の給与でした。3年前からタナベ経営と一緒に、部長や課長などを中心に部門の業績に責任を持つ組織へと変えているところです。徐々に組織化が浸透しつつあり、このまま進めば売り上げ規模に対応できる組織が見えてくると思います。
県内でナンバーワン企業になったわけですから、社員がゆとりを持って暮らせる額まで給与を上げたい。そのためにも生産性を上げて、きちんと稼げる会社にすることが目標です。

南川 課長、部長のやるべきことを明確にするフレームを作りました。それによって社員に変化はありましたか?

大岩(誓) 課長や部長という役職を導入したことで、昇進して給与を増やしたいと思う社員も出てきています。

寺井 良い意味で欲が出てきたわけですね。部長や課長の理想像はありますか?

大岩 今後は、経営者の視点を持った人材が出てくるといいですね。特に部門長は、「部門のことは私に任せてほしい」と言える責任感と行動力を持った人材が出てくることに期待しています。そうした意味も含めて「部門の自立」を今期の目標としています。

時代に合ったやり方で収益率の改善を図る

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タナベ経営 コンサルティング戦略本部 沖縄支社長
比嘉 純弥

クライアント視点での情熱的なコンサルティングが持ち味。「企業と人の成長が何よりの喜び」という信条のもと、さまざまな企業の人材成長を実現。また、成長戦略から営業マネジメント、管理会計システム、業務先行管理、人事制度、教育体系づくりまで、幅広い分野でも実績を上げている。観光ツーリズム成長戦略研究会の戦略ドメインサブリーダーとしても活躍中。

南川 創業者が広げた事業を、組織で回していく段階を迎えていますね。

大岩 父は「人の何倍も働かなくてはならない」とよく言っていました。その言葉通り、長時間労働もいとわない社員の頑張(がんば)りで事業は拡大しましたが、地域ナンバーワンとなった今も当時のような低価格戦略や長時間労働を続けていてはトップシェアを取った意味がありません。現在の環境に合ったやり方に変えていくことも必要だと考えています。

比嘉 前期は減収でした。今後の課題として利益率の改善が挙げられますが、それには在庫管理やIT化の推進も必要ですね。

大岩 「体を動かすことが仕事」という意識が根強い社風であり、数値管理やIT化が後回しになっていました。ただ、組織化を進める中、数値管理の必要性が商品部や営業部を中心に浸透しつつあります。

南川 数値管理の導入時は社員も大変ですが、数字の見える化によって各指標が社内の共通言語になると、改革は一気に進んでいくものです。

大岩(誓) 数字の見える化に関して言えば、今までは社員に見せていなかった側面もあります。ITについても、現状はある程度のスキルがないと使えないシステムがほとんどですから、今後はみんなが使えるようなシステムに変えていきたいですね。特別なスキルが不要になれば、子育て世代の女性やシルバー人材など幅広い層の人材活用につながります。

比嘉 人不足も深刻ですから、人材採用面で大きなメリットとなりますね。

沖縄に貢献する酒卸であり続ける

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タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長代理
チーフコンサルタント
寺井 秀一

大手小売専門チェーンにて店舗運営・管理業務に従事後、タナベ経営入社。中堅・中小企業の事業・営業戦略の策定、組織・経営システムの構築を中心にコンサルティングを担当。戦略を組織へ浸透させ、全社で推進していくための仕組みづくりに定評がある。「明るく、誠実に」をモットーに、組織活性化に挑むコンサルタント。社会保険労務士。

南川 5年後、10年後を見据え、どのような会社を目指していきたいですか?

大岩 沖縄県に貢献する会社であることが第一。事業領域で言えば、「沖縄県内で県内の酒を売る事業」「県内に県外の酒を売る事業」「県外に県内の酒を売る事業」という3つの事業を通して、さらに貢献していきたいですね。県内の多様化するニーズに的確に応えることはもちろんですが、貢献度から見ると沖縄の地酒の県外への販売により力を入れないといけません。特に、海外への販売が重要な課題だと考えています。

南川 まさに、「万国津梁(ばんこくしんりょう)」。万国津梁とは首里城の鐘に刻まれた言葉で、「アジアと内地を結ぶ交易によって沖縄は成長していく」という願いが込められています。酒を通した万国津梁が今後のビジョンですね。

大岩 もう1つ、南島酒販の社員を幸せにすることも沖縄への貢献です。そのためにはトップシェアを維持し、かつ中身のある勝負をすること。優秀な社員の存在によって、メーカーにも小売りにも南島酒販と取引するメリットを感じていただくことが重要です。

南川 2019年が40周年。その3年後の2021年度で中期経営計画が完了する計画ですね。

大岩 今後の数年は、売り上げ拡大よりも、収益改善と人材育成に注力していきます。この2つを整えた上で倉庫を移転し、売上高を120億~130億円規模まで伸ばす計画です。

南川 この3年間はインフラ・仕組みづくりに集中し、次の3年間で成長を目指すわけですね。

大岩 仕組みを整えて、名実ともにナンバーワンとなれるように取り組んでいくつもりです。これまでは価格を重視するあまり、必要以上に安く売っていた側面もあったと思います。時代は常に変化しますから、価格以外の価値にも目を向けながら酒類卸としてナンバーワンの機能を持ち続けることが、次の成長につながるのだと思います。

南川 経営は、「人づくり」「(ニーズに合った)もの選び」「金づかい」「ブランド」。ヒト・モノ・カネをつくる・選ぶ・つかう、そしてブランドを育てていくこと(=ステークホルダーとの長期的な信頼関係づくり)で成り立っています。それらのバランスを取りながら、50周年に向けてさらなる高みを目指していただきたいと思います。本日はありがとうございました。

■ 経営理念
南島酒販は沖縄に貢献する会社である
・ 沖縄県産の酒類を流通させることで、沖縄経済に利益をもたらす会社でなければならない
・ 社員とその家族が豊かに健やかに暮らすことで、沖縄社会に貢献する会社でなければならない
・ 消費者のニーズに応えることで、沖縄人の心を満たす会社でなければならない


PROFILE

  • 南島酒販 ㈱
  • 所在地: 〒903-0104 沖縄県中頭郡(なかがみぐん)西原町兼久(かねく)277
  • TEL: 098-882-9393
  • 創業: 1979年
  • 資本金: 4800万円
  • 売上高: 93億円(2016年3月期)
  • 従業員数: 67名(2016年7月末現在)
  • 事業内容: 酒類卸業、もろみ酢の販売
  • http://www.nanto-shuhan.com/


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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所