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今週のひとこと

「業績を上げる」とは、今の利益を上げる

だけではない。次の利益も上がる条件・

仕組みをつくろう。





☆ 提案営業の基本はやはり・・・

良い数字を残す営業パーソンは、商談時の必勝パターンを豊富に持っており、また顧客からも深く信頼されています。そのため、必勝パターンに当てはめやすく、そのやり方も定型化されているため、社内外での業務効率が良く、顧客と接する営業活動に十分な時間を確保することができ、次々と"新たな顧客"に向かうという善循環ができ上がります。

営業パーソンの提案力を高めたいと考えるのであれば、各自の必勝パターンをマニュアル化し、それをもとに営業全員で、ロールプレイングを繰り返し、営業の現場で自然と使えるレベルにまで昇華させていくべきです。商品を売っている場合は、"商品そのものが提案書"であり、顧客をよく知り、商品特性の必勝パターンに当てはめていくことが、提案営業になります。自社商品の必勝パターンの引き出しの多さと、顧客の最大の理解が営業で良い成績を残す秘訣です。

しかし、必勝パターンについてはそれなりの成功経験の積み重ねと集約が必要です。まず始めは顧客へアポイントを取り、商談の機会を得ることです。訪問し、コミュニケーションをとり、信頼関係ができなければ、顧客からの最大理解は得られません。顧客との信頼関係を築くことができなければ、情報・ニーズを引き出すこともできず、成功体験の積み重ねもできないでしょう。基本的なことではありますが、提案営業において、まずは訪問と顧客とのコミュニケーションの積み重ねが大切です。

コンサルティング戦略本部
コンサルタント
石丸 隆太





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売り方戦略に基づいた販売アクションプランの策定


販促プロモーション施策を行う前に、時間をかけて考えていただきたいことがある。それは、「自社」「商品」「顧客」という3つの資源がかみ合った「売り方戦略」に基づく「販売アクションプラン」である。

販促計画は、予算に合わせた具体的なキャンペーンや広告、販促ツールなどの話になりがちだが、これらは販売を加速させる手段である。本当に大切なのは、こうした「戦術」の前に「戦略」をしっかりと考え、短・中期的な販売アクションプランを策定することだ。

売り方とは、「成果を上げるために、どのようなモノ・コト(価値)を、どういった方法で、どのような顧客に提供するか」である。多くの企業は決まった売り方に沿って商品・サービスを販売している。販売が順調であれば無理に変えることはないが、売り方は時流に合わせて常に変化させていくべきものでもある。

まずは現有の資源(①自社:経営理念、ビジョン、固有技術、人材力、ブランド力、仕入れ調達力、成長要因、エリアなど、②商品:モノ・サービス、付加価値、差別化要素など、③顧客:販売チャネル/既存客、潜在客、新規客、休眠客など)を見直そう。そして、市場とライバルを知り、3つの資源を組み合わせたり、組み替えたりして売り方を考え、販売アクションプランを策定する。それを年度方針や重点項目へ落とし込み、継続的に実践すれば、必ず成果につながる。その際に重要なのは、独自の販売アクションプランの策定から実践に至る一連のストーリーである。

視点を変えて見直せば、新しい発見がある。「商品と顧客の新たな組み合わせ」「顧客と担当者の組み替え」「自社らしさを追求しつつも、固定観念にとらわれない新たな取り組み」など売り方を変えるだけで、大きな成果を導くことができる。

今まで積み上げてきた売り方を変えるのは難しいかもしれない。だが、ニーズが移り変わるスピードがますます速くなるとともに、人口減・世帯数減によって国内マーケットが縮小していくと予測される今、強い意志を持って売り方戦略を考え、自社の成長を加速させる必要がある。

その第一歩として3つの資源を見つめ直し、販売アクションプランの策定に役立てていただきたい。


■筆者プロフィール
タナベ経営
SPコンサルティング本部
副本部長 兼 大阪本部長
飯田 和之 Kazuyuki Iida
セールス&プロモーションコンサルティングを通じ、中堅・中小企業のSP戦略パートナーとして活躍中。クライアントの売り上げ拡大・ブランド認知向上に直結する販促プロモーションやオリジナル商品開発のプランニング、ディレクション、製作をトータルに支援している。学習院大学経済学部卒。





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100周年を見据え自ら構想し行動する人材の育成を

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不二化成品
代表取締役社長 栁田 一男氏(左)
執行役員 営業推進本部 副本部長 谷口 雅章氏(右)

多様な商品・サービスの強みを生かす鍵は人材

不二化成品は2018年に創業70周年を迎える企業だ。工業、建築向け塗料の販売を礎業とし、プラスチック樹脂・成型品、建築用資材、塗装設備など、顧客の要望と課題に向き合いながら商品を多様化させてきた。事業部門も商事から施工、製造へと拡大。近年は屋外広告用のLED製造・販売で業績を伸ばしている。

この多種多様な商品が同社の強みだが「強みを生かし切れているか? 多様性を融合し使いこなせているか?」と、代表取締役社長の栁田(やなぎた)一男氏は常に自問する。そして「お客さまから真っ先に相談していただける、価値創造ナンバーワン企業という当社の企業ビジョンへ近づくために、課題は尽きません」と気を引き締める。

その課題の1つが人材育成、社員教育だ。執行役員営業推進本部副本部長の谷口(やぐち)雅章氏が続ける。

「しっかりした教育システムはまだ出来上がっていません。ただ実行できていることはあります。その1つが、タナベ経営も推奨している基本動作です」

自ら気づき腹に落ちるそこから自発性は生まれる

現在、基本動作委員会を進化させた「バリューアップ委員会」が社内で立ち上がっており、基本動作からさらに一歩上を目指した取り組みを進めている。

キーワードは「気づき」。「人間として社会人として、自らを高めていくためには気づきが大切です」と谷口氏。具体的に実行しているのは、毎月5つの新たな「気づきスローガン」を朝礼で復唱することや、社員同士が相手の「よいところ」「してもらってうれしかったこと」などを「グッドアクションカード」に書き、投函する制度などだ。グッドアクションカードをたくさんもらった社員は表彰される。加えて、カードを多く書いた人も表彰される。「周囲に対し前向きな意識を持っていないと、書くことも気づくこともできませんからね」と栁田氏。

気づきにこだわるのは、「腹に落ちる」ことから自発性が生まれてくるとの考えからだ。

「私たちが目指すのは挑戦し続ける組織風土、社風です。諸先輩方の挑戦の歴史のおかげでさまざまなお客さまに恵まれていますが、新しい価値の創造へ挑戦し続けるには、お客さまに言われたことに応えるだけではなく、何に困っているのかを感じて提案する必要があります。それがお客さまから最初に声を掛けていただくために大切なことだと思います。そうしたことを自分で構想して行動を起こせる人材を育てなければ、100周年を迎えることはできないでしょう」(栁田氏)

個性と課題解決能力を伸ばせるセミナーを

栁田氏が社員に求めるのは「自発性」「主体性」「しっかりした意思」などである。だが、それを「教育体系に落とし込むことは簡単ではない」とも認識している。社員一人一人の個性や感度、ポテンシャルはさまざまだ。全員横並びの社員教育ではなく「オーダーメード」が求められるが、既存のセミナーや研修では、なかなかかゆいところに手が届かないという。

谷口氏は「新入社員セミナーを受講した社員は、キリッとして帰ってくる。幹部候補生スクールに参加するとスキルが上がって戻ってきます」とタナベ経営のセミナーを評価する。だが、「入社5~10年目の社員向けに、一人一人の個性を伸ばせるようなセミナーが欲しい」と注文も付ける。

栁田氏も「他社と同じアプローチで、同じ結果が得られるとは限りません。各々の組織や個人に、各々の背景や葛藤がある中で、どのような考え方、見方がどう作用したかといった生々しい事例に学びながら、課題解決能力をブラッシュアップしていけるセミナーがあれば魅力的ですね」と続ける。

パーソナルな入り口と出口を意識したセミナーや研修の制度設計に、さらなる人材育成のヒントが潜んでいるかもしれない。

PROFILE

  • 不二化成品㈱
  • 所在地:〒424-0067 静岡市清水区鳥坂327-1
  • TEL:054-344-1700(代)
  • 創業:1948年
  • 資本金:3960万円
  • 売上高:70億円(2016年9月期)
  • 従業員数:92名(2016年4月現在)
http://www.fujikaseihin.co.jp/


タナベ コンサルタントEYE
不二化成品は、塗料販売、サイン資材販売、塗装・防水工事、サイン事業、LED事業と幅広い分野で顧客の課題解決に挑み、成長を続けている。競争が激化している業界においてそれを可能にしているのが、同社の教育方針である。一律の教育ではなく、一人一人の課題にマッチする研修を選び、求める成果を伝えることで、研修への参加意欲を高めているのだ。
個性を大切にし、"自分軸"を持った社員が創り出す「多様性」が同社の競争力を高めている。




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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所