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今週のひとこと

全社員がそれぞれ活躍し、

チームとして最大限に力を発揮できる

ような環境を整えよう。





☆ 「働き方改革」の本当の目的は?!

 「働き方改革」。この言葉を聞かない日は無いと言っても過言ではありません。
 筆者も、日頃多くの中堅・中小企業の経営者や、人事担当者とディスカッションをさせていただく中で、このテーマについて話をする機会が益々増えてきました。そこで耳にすることが多い言葉は、


  「急に言われても、いきなり時間の削減はできない」
  「従業員から働き方改革に関して提言があるが、どのように対応すればいいのか、わからない」
  「大企業のような資金力がなければ実行できない」
―といったことです。


 確かに、「働き方改革」を実践するには、増員や待遇改善に伴う人件費や、生産性向上のための設備投資など、コスト負担のハードルが高いのも事実です。
 しかし、働き方改革を一過性の改革や、新たな仕組みの導入で「従来と同じ仕事を短い時間で対応する」といった考え方であると誤解をしている企業が少なくないのも、また現実です。


 もちろん、新たなシステムを導入し、時間当たりの生産性を高め、残業時間を削減し、ワークライフバランスを実現する、といった考え方が間違っているわけでありません。

 しかしながら、働き方改革は一過性で終わらせることなく、小さな改革を積み重ねていくことが大切なのです。煩雑な業務を見える化し、削減・簡素化できる業務を見つける。例えば、社内メールの文面の定型化、会議時間の見直しなど、いくらでも変えていくことがあります。

 全社一丸となって改革を実現し、働く喜びや満足感など、内的な要因にも目を向けた改革が、いま求められているのではないでしょうか。

コンサルティング戦略本部
人材開発部 アソシエイト
新島 泰久也





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マニュアル作成は人材育成である


マニュアルの必要性

マニュアルという言葉を聞くと、「個人が考えずに働く」「決められたこと以外やらなくなる」「個性がなくなる」など悪いイメージを抱く人も多いのではないだろうか。筆者自身も必要以上にマニュアルに頼ることや、何でもマニュアル化することには否定的である。しかし、仕事を円滑に進めるため、あるいは一定の精度を確立するため、マニュアルは非常に有効だ。

また、個人や組織が蓄積してきた技術やノウハウをルール化して継承していくことも非常に重要である。そうした意味ではマニュアルが企業の競争優位の源泉にもなり得るのである。

タナベ経営にも多くのマニュアルが存在する。全てのマニュアルが有効に活用されているわけではないが、仕事の進め方に迷ったときや、新人社員に仕事のやり方を教えるときには非常に役立つ。マニュアルには言葉だけでは理解し切れない仕事のポイントが明確に示されているからである。また、年に一度といった頻度の低い仕事はマニュアル化しておかなければ、ミスやトラブルの原因にもなりかねない。

マニュアル作成のポイント

筆者は顧客から事務系・営業系のマニュアル作成依頼を受けることが多い。その際は、経営者(トップ)にマニュアル作成へ深く関わるようお願いしている。基本的にはマニュアル作成のプロジェクトメンバーを組んで進めていくのだが、定期的にトップもそのプロジェクトに参画してもらい、価値判断基準の擦り合わせを必ず行うようにしている。

筆者が顧客先で行う、マニュアル作成のステップは次の6つである。

1.マニュアルの目的の確認

なぜこのマニュアルが必要であるのかを明確にする。また、いつまでに作成し、いつから運用するのかも決めておく。
マニュアルを使う対象は誰か、マニュアルで何が標準化(あるいは効率化、簡潔化)できるのか、そしてマニュアルをどのように運用・管理・更新するのかを共通認識する。

2.プロジェクトチームの結成

その仕事(業務)に詳しい、経験豊かなメンバーで構成する。仕事の全体像の理解が深く、自社の他の仕事(業務)との関係性を理解しているメンバーであればより好ましい。さらに、全体統括責任者、推進担当者、作成(編集)担当者およびスポットで参加するメンバーもあらかじめ決めておく。
プロジェクトメンバーの役割分担を次のように明確にしておくことがポイントである。

①全体統括責任者
全体的なスケジューリング、進捗確認、メンバーが判断できない事象のジャッジが主な役割である。

②推進担当者
タスクごとのスケジュール管理、メンバーへの働き掛けなどが主な役割となる。推進担当者の役割は大切だ。メンバーは日常の仕事を行いながらプロジェクトも実践するため、負荷がかかる。それを勘案して、プロジェクト管理を行わなければならない。

③作成担当者
ルール化したものを使用する人の立場で、文書化およびビジュアル化していくことが主な役割である。ただし、ここでは美しい資料(デザイン的)より、新入社員が見ても直感的に分かりやすく、読みやすいものであることが重要だ。


3.現状認識

現在の仕事(業務)がどのように行われているかを、「仕事の棚卸し」により正確に認識する。マニュアル作成の目的を再確認し、仕事の全体像を把握した上で、プロジェクトメンバー全員で価値判断基準を合わせる。

この1~3のステップは、筆者が依頼を受けた際、徹底的に検証するポイントでもある。特に、現状認識では仕事のやり方だけでなく、トップの考え方(理念・方針)、全社の仕事の流れ、得意先調査などを行い、問題点を洗い出す。そして改善策の当たりを付け、マニュアルの中に落とし込むようにしている。

4.情報・資料の収集と選別

現状認識で行った仕事の棚卸しの中で、本当に必要な仕事(業務)かどうかを選別する。現場には、過去からの慣習で行っている仕事(業務)も数多く存在している。
また、リスク回避のためや将来のためにやるべき仕事(業務)がないかも確認するほか、他部門や得意先などの好事例、方法を収集して取り込めないかを検討する。
さらに仕事全体の流れを考え、集約できることや細分化した方が良いことを検証していく。

5.マニュアル作成と編集

作成の基本は「分かりやすく、読みやすく、使いやすく」である。1つの仕事(業務)の全体像や結論を初めに記載し、その後に各論や説明を記載する。使用者のレベルに合わせた表現を意識して、難しい言葉や専門用語は避けるようにする。また、曖昧な表現も避ける。字体、サイズ、余白などをルール化し、読みやすさに配慮する。
例外対応が必要な事例があれば、必ずマニュアルに記載する。例外事例はミスやトラブルにつながりやすいからだ。しかし、これにうまく対応できれば、競争優位の源泉にもなり得る。
説明が記載できたら、チェックリストを作成する。仕事を確実に行えるように、仕事をする担当者または管理者が、仕事(業務)の状態をチェックするためのリストである。

6.テキスト化と説明会

マニュアルが完成したら、使用するメンバーを集めて直接説明することが望ましい。一度に集まることが難しければ、何回かに分けて実施する。その際、マニュアル作成の目的は、トップから説明するとよい。

マニュアルの更新

「生きたマニュアル」にするためには、つくって終わりにせず、メンバーが使いやすく、より効率的(標準的)なものになるよう常に更新することが大切である。

定期的な更新を意識付けるためにも、導入開始から3カ月間は、使用メンバーから積極的に要望を集める。それをプロジェクトメンバーが検討して更新する。その後は、集まった要望について半年ごとにプロジェクトメンバーが検討し、更新を継続していく。そして半年もしくは年間で、最も多くの要望を挙げた人やマニュアルに反映された件数の多かった人を表彰するなどして、マニュアル更新を習慣化する。

基本的に、「マニュアル作成・更新は人材育成である」と捉えてほしい。自分たちの仕事を棚卸しして、マニュアルというテキストにまとめる。また、それをOJTやOff-JTにも活用する。マニュアルにはトップの価値判断基準も盛り込まれているので、価値観の共有も図ることができる。

集合研修や外部研修に従業員を参加させても成果が出ないと嘆いているのであれば、マニュアル作成という人材育成法を試してみてはいかがだろうか。

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  • タナベ経営
  • コンサルティング戦略本部 部長代理
  • チーフコンサルタント
  • 森松 貞治
  • Sadaharu Morimatsu
  • 企業の成長戦略の立案およびビジョン構築、新規事業・新商品開発に数多く携わる。各企業の強み(技術・商品・ノウハウ)に磨きをかけ、勝てる場(新マーケット・新チャネル)へと展開させ高収益企業へと導いている。クライアントの真の強みを見つけ、クライアントと共に育てていく親身なコンサルティングで数多くのファンを持つ。







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社員の力が会社を成長させる
冠婚葬祭を起点に革新的なビジネスモデルで新市場を切り開く

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とかく費用がかさみがちな婚礼市場に、「小さな結婚式」という全く新しい切り口で新風を吹き込んだレック。冠婚葬祭を起点に多角化を進め、100億円企業へと成長を遂げた。2016年には企業のフィロソフィーを伝える「KSGアカデミー」を開校。人づくりの仕組みをつくり、さらなる飛躍を目指す。



被災から再出発し100億円企業へ

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レック 代表取締役
高橋 泉氏

関西新生活互助会入社、1983年取締役就任。1989年レック設立。1995年には写真アルバムの製作・販売事業を行う新規事業「ラヴィ・ファクトリー」、2000年には「小さな結婚式」事業を開始、大きな反響を呼ぶ。2014年「平成25年度おもてなし経営企業選」(経済産業省)に選出。

藁田 レックは婚礼アルバムの製作や挙式会場の運営、レンタル衣装、ファミリー葬をはじめとする冠婚葬祭関連ビジネスを展開し、2010年には売上高が100億円を突破(KSGグループ計)するなど、順調に事業を拡大されています。2017年で、設立28年となりますね。

高橋 会社の設立は1989年。エステサロンと会員制のレンタル衣装を手掛けていましたが、1995年に阪神・淡路大震災が起こって事業は壊滅状態に陥りました。それまでの価値観が180度変わるほどの経験をした私は、神戸の地から再び立ち上がる決意をしました。
そうした中、現在の主力事業である婚礼アルバム「ラヴィ・ファクトリー」事業をスタート。形が決まっている従来の「型物写真」とは全く異なる、式の準備から終わりまでをドキュメンタリー形式でつづるデザインアルバムが評判となり、瞬く間に全国に広がりました。

藁田 現在の婚礼アルバム市場では、ラヴィ・ファクトリーが始めたデザインアルバム形式が主流になっています。この成功が次の事業を生み出す原動力となりました。

高橋 都市部から離れた、神戸の六甲山の裏側にある小さな会社でも市場を変えることができる。この経験が励みとなり、それまで感じていた「こんな結婚式があったらいいな」という思いを2000年に事業化したのが「小さな結婚式」です。
規模も費用も大きい"派手婚"が主流だった時代に、挙式やヘアメーク、衣装、写真などを含めて10万円を切る価格帯の小規模な結婚式を提案しました。スタート時は広告費がなく、地元のフリーペーパーに小さな広告を載せただけでしたが、それでも約300件の問い合わせが寄せられたのです。結婚式を挙げたくても、高額過ぎたり、派手過ぎたりして挙げられない人がたくさんいるのだと確信しました。日本全国どこでも、結婚式を挙げやすい環境を整えることで文化を残すお手伝いをしたいと、東京や大阪へ拠点を広げていきました。

業界の逆をいく発想でホワイトスペースを創造

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タナベ経営 取締役
藁田 勝

立命館大学大学院修了(経営学修士)。金融機関勤務を経て、2000年にタナベ経営に入社、2014年より現職。志の高い経営者とともに理想を追い続けるコンサルティングの実践が信条。赤字企業の再建から成長戦略の構築まで数多くの実績を誇る。

藁田 ラヴィ・ファクトリー事業や小さな結婚式は、それまで存在しなかった画期的なコンセプトで消費者の支持を集めました。新しい価値観を提供する事業開発は、その後の展開にも共通していますね。

高橋 グループ会社のKSGインターナショナルが行うメッセージ事業は、NTTが独占していた電報市場に多彩なサービス・料金設定で新規参入を果たしました。その結果として法律が改正され、お客さまがサービスを選択できる市場へと変えられた意義は大きいと思います。また、2003年にスタートした「ファミリー葬」は結婚式と同じ価値観です。何百万円もかかる従来の葬儀へのニーズがある一方、小規模な葬儀を望む方もいるのではないか。ご自宅のような空間が特徴のリビング式を採用し、温かみのある空間を演出したのも当社が最初です。

藁田 これまで手掛けられた事業には、3つの特徴があります。1つ目は出発点が冠婚葬祭であること。ドメインにこだわりつつ、多角化することで成長エンジンとなっています。2つ目は業界の常識を打ち破っていること。業界の逆をいくことで誰も手を付けていない市場、つまりホワイトスペースを創造されています。3つ目は、お客さまの価値観の先取り。低予算で結婚式を挙げたいというニーズや自分らしい婚礼アルバムへのニーズなど、顕在化していないニーズに着目した社会的課題解決業であると言えますね。

高橋 28歳で起業した際、①100億円企業をつくる、②全国展開する、③子どもを留学させる、④母に大きな家をプレゼントする、という目標を立てました。被災から3年後に社員と共に100億円企業を実現する設計図を作成し、それに沿ってグループ会社を増やし、道筋をつくってきました。事業のアイデアを出したのは私ですが、事業を軌道に乗せてきたのは社員です。

藁田 事業で何をやるかは大事ですが、誰がやるかも非常に大切なことです。

高橋 事業アイデアが注目されますが、私は事業を成功させるために大事なのは組織づくりだと考えています。成功要因の8割を占めると言っても過言ではありません。社長の仕事は多々ありますが、最も重要なのが人づくり、そして人を生かす環境づくりだと思います。そのために、社員を集めた総会を開いて目指すべき方向を合わせたり、社員の優れているところを伸ばしたりすることに注力してきました。

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人材育成を担うKSGアカデミーを設立

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タナベ経営 コンサルティング戦略本部 部長 戦略コンサルタント
松本 宗家

クライアントの立場に立った現場優先のコンサルティングを実践。組織戦略や評価連動型人材育成システムの構築など、人材に携わるコンサルティングに定評がある。「企業は人なり」をクライアント企業とともに体現することに心血を注いでいる。中小企業診断士。

松本 社員教育の一環として、2016年6月に「KSGアカデミー」を発足されました。目的と概要について教えていただけますか?

高橋 現在の社員数はグループ合計で780名ですが、会社の成長に伴ってこれまでの方法では教育が追い付かなくなっていました。そこで、タナベ経営の力を借りて、社員の成長を計画的にサポートする教育システムとしてKSGアカデミーを開校。社員が十分に力を発揮できる環境や社風をつくる上で、KSGアカデミーは長年の念願でした。

浜岡 社長自ら学長を務め、人間学の講師として理念やビジョンを伝えていらっしゃいます。他にもビジネススキルやマネジメント、各事業の専門講座など、社員の育成に欠かせない講座を総合的に用意されている点がポイントですね。

梅原 執行役員が各社員に合わせて必須講座を決めますが、それ以外は社員が自由に講座を選んで受講できる仕組みとしています。所属する部門の専門性を高めるのはもちろん、それ以外の分野について学ぶチャンスにもなります。

浜岡 会社の規模が大きくなるほど、所属以外の事業部について学ぶ機会は減っていくものです。その点、レックではKSGアカデミーがグループ会社間の相互理解を深める場にもなっています。
実際に運営される中で講師や社員に変化はありましたか?

梅原 私自身も講師として社員の前に立ちますが、若い社員とのコミュニケーションが増えて彼・彼女らを身近に感じるようになりました。講師という立場ですが、社員から学ぶことも多い。社員からは「こんな講座を受けたい」という声も寄せられていますので、もっとカリキュラムを改善していきたいですね。

浜岡 アカデミー事務局を人事部の中に設置されたことからも、会社としての強い意思が感じられます。社員の受講状況などはどのように管理されていますか?

梅原 誰が何を受講しているかをはじめ、レポートや試験の結果を事務局で把握しています。

松本 社員教育と組織づくりが一体となった仕組みです。教育で失敗する企業の多くは、教育することが目的となっている。その点、KSGアカデミーは人の成長という目的が明確です。人材育成のポイントは、教育や社風づくり、人事評価が連動していること。さらに福利厚生も一体になると社員のモチベーションは一段と上がります。

高橋 KSGアカデミーはタナベ経営なしには実現できませんでした。社員教育には力を入れており、素人なりに試行錯誤してきました。しかし、会社の規模に応じた社員教育の仕組みづくりには十分に手を付けられていませんでしたから。

KSGアカデミーのパンフレット
KSGアカデミーのパンフレット

国内外のネットワーク構築で300億円企業を目指す

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レック 専務取締役
梅原 栄次氏

1997年レック入社。黎明期よりブライダルヘアメイク事業の「ブライダルfeel」を立ち上げる。「小さな結婚式」、「ブライダルカフェ」をはじめ数々の新規事業を立ち上げ、現在も経営企画に携わる。

藁田 社長が出したアイデアを社員が事業化することで、当初の売上高目標である100億円を達成されました。今後の目標についてお聞かせください。

高橋 2017年5月期の売上高目標は171億円ですが、将来的には300億円企業を目指しています。

藁田 個別事業の展望についてはいかがですか?

高橋 ラヴィ・ファクトリー事業はスタートしてから20年が経過しており、さらなる成長に向けて海外も含めたネットワークの構築を目指しています。今期は、パリとニューヨークに出店する準備を進めています。
商品面では、「アルバムを選ぶ」から「カメラマンを選ぶ」へ価値転換を図りたい。現状は、どのカメラマンでも同一価格ですが、今後はお客さまにカメラマンを選んでいただくことで、よりイメージに近い婚礼アルバムづくりをご提案していこうと考えています。

藁田 婚礼アルバムの差別化を図っていくわけですね。

高橋 ネットワークづくりと価値転換によって、海外も含めたさまざまな場所で、希望するカメラマンの撮影で婚礼アルバムを作ることができます。また、すでに拠点がある香港や上海など海外のお客さまにもカメラマン・撮影場所などを選んでいただくことで、よりお客さまらしい婚礼アルバムを実現できれば、これまで以上に喜んでいただけるでしょう。2015年9月に旅行業登録も完了しましたから、新たに「グローバルフォトウェディング」として事業を広げていきたいと考えています。

藁田 小さな結婚式やファミリー葬についてはいかがですか?

高橋 小さな結婚式は、全国展開の一環として新潟・埼玉・広島・沖縄・愛媛・熊本など地方都市への出店を進めていきます。ファミリー葬についても、現在進行中の複数のプロジェクトも含めて本格的に多店舗化を図っていきます。

人が育つ仕組みをつくり社員の能力を最大限生かす

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タナベ経営 コンサルティング戦略本部
部長 チーフコンサルタント
浜岡 裕明

立命館大学卒業。2006年タナベ経営入社。財務戦略から計画数字をやり切るための具体策を一般社員にまで落とし込む業績管理体制構築に定評がある。活躍は財務面にとどまらず、幹部社員への教育においてはタナベ屈指の高い評価を得ている。

藁田 「女性起業家大賞」特別賞(全国商工会議所、2007年)をはじめ、「ニッポン新事業創出大賞」最優秀賞(公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会、2010年)、「平成25年度おもてなし経営企業選」選出(経済産業省、2014年)など、卓越したビジネスモデルや社風が多方面から注目されていますね。

高橋 おもてなし経営企業選選出の審査項目に、「社員の意欲と能力を最大限に引き出す」「顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する」などがあり、当社の社風が評価されたことはうれしかったですね。28歳で起業した際、4つの目標と一緒に「目指すべき社風」(次頁参照)を掲げて取り組んできたことが、選出につながった要因の1つだと思います。

藁田 目指すべき社風には、社長の思いが込められていますね。

高橋 一言で表すなら「社員の能力が最大限に開花できる会社」。今読み返しても、女性の生真面目さが出ていると思います。私が一貫して目指すのは仲間・チームで力を発揮できる社風。理想は、社員の力を全てお客さまが喜ぶ活動に使える会社です。残念ながら多くの会社では、社員の大切なエネルギーが出世や派閥抗争など内向きに使われていますが、人間は成熟するとそうした私欲を乗り越え、そこに使っていたパワーをお客さまに向けることができると私は信じています。

藁田 そのような社風を確立できれば、人の力を最大限に生かすレックの企業DNAは受け継がれていくはずです。事業が増えて国内外に拠点が広がっていますから、今後は分社型経営も課題となります。

高橋 分社長の育成には力を入れていきます。まだまだやりたいことはたくさんありますから、それを実現してくれる人づくりが課題です。まずは私自身や幹部が成長しないといけませんから、KSGアカデミーを通して一緒に成長していきたいですね。これからは精神論より仕組みで人を育てていく段階だと思います。人の成長が組織の成長につながりますから、やはり人づくりが全てですね。

藁田 今後もKSGアカデミーを通して人づくりのサポートをさせていただきます。レックが一番に選ばれ続けるファーストコールカンパニーとして、ますます成長されることを祈念しております。本日はありがとうございました。

KSGグループ~目指すべき社風~
一、与えられる責任職より、自らが願って責任職に就く社風をつくる。
一、「何もしない人間より、挑戦をし、失敗をする人の方が偉大である」と云う社風をつくる。
一、すべての人間は、自己の力の全力、精一杯の力で物事に取り組めば必ず、すべての事は達成される。
達成出来ないのは、自己の力が充分発揮されていないと云う事である。
一人の偉大な人間の能力を信頼する社風をつくる。
一、自己の力が充分発揮されていない組織の要因は、危機感の欠如、甘えの構図、馴れ合いの組織である。
このような組織は、その人本来の能力を消し去ると云う最大の悪である。
その人が、本来持つ秘めた力を最大限に発揮出来る社風をつくる。
一、年功序列は関係なく、すべての人にチャンスは平等にある。
自己の力が充分発揮され、自らチャンスを勝ち得る事の出来る社風をつくる。


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PROFILE

  • ㈱レック(KSGグループ)
  • 所在地:〒650-0044 神戸市中央区東川崎町1-3-3 神戸ハーバーランドセンタービル18F
  • TEL:078-360-0920
  • 設立:1989年
  • 資本金:5000万円(グループ計5億円)
  • 売上高:133億円(グループ計、2016年5月期)
  • 社員数:620名(グループ計780名、2016年5月期)
  • 事業内容:写真事業、アルバム事業、結婚式事業、美容事業、通信事業、広告事業、輸入事業、葬儀事業ほか
  • http://www.lec-net.com/


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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所