2017.11.10







Made in Japanのビジネスモデルで持続的成長に挑む

国内においては、すでに事実として起こっている人口減少に加え、2019年をピークとして世帯数も減少していくという、本格的な消費マーケット縮小時代が到来する。このような中、内需型企業は従来のマーケットで競争がさらに激化し、成長が見込めないことから、新たな成長マーケットを発見し、成長戦略を構築していくことが求められている。

その選択肢の1つが海外マーケットである。すなわち、Made in Japanのブランドを武器として、海外マーケットに目を向けて外需を取り込む。このようなMade in Japanビジネスモデルで「持続的成長」を実現することだ。

ただし、海外マーケットへ向けて事業を展開する上では、国内における既存のビジネスモデルを海外バージョンへ再設計することが必要である。国内と同じものを同じやり方で提供するのでは、うまくいかないケースが多い。

つまり、「誰に」「何を」「どのように」という、ビジネスモデルの構成要素である顧客価値・提供価値・提供方法を、海外顧客向けに置き換えて考えてみるのである。

成功するMade in Japanモデルの要件は次の5点だ。

① Made in Japanであることの明確な競争優位性の存在

海外の製品・サービスが提供する価値よりも、現地の顧客にとって優れた価値の提供。

②日本にしかない希少性の高いビジネス

海外を見渡しても存在しない、日本独自の物的資源・人的資源を活用したビジネス。

③海外では作れない技術や制約条件の存在

海外では提供することのできない日本独特の固有技術や地理的条件などの参入障壁。

④グローバルマーケットにおけるホワイトスペースの発見

海外企業と同じ土俵で戦うのではなく、誰も手を付けていないマーケットの発見。

⑤高付加価値ビジネスを実現する粗利益基準の設定

為替や回収などのビジネスリスクをカバーできるだけの高い粗利益基準の設定。

海外は魅力あるマーケットであるものの、誰もが成功を収められるとは限らない。以上の5つの要件を兼ね備えた上で、

・何のために海外へ展開するのか、目的や使命感が明確であること

・自社の提供する価値が生かせる国・地域へ事業展開すること

・自社の提供する価値で、現地の社会や顧客に貢献できること

――という点もしっかり確認していただきたい。

そして、経営者自身の「確固たる意志」「揺るぎない信念」「こだわりと粘り強さ」こそが最大の成功要因といえよう。

内需型の企業であればなおさら、持続的成長を実現する上での戦略オプションとして、海外マーケットに向けたMade in Japanのビジネスモデル展開をご検討いただきたい。


タナベ経営 取締役/
海外ビジネス成長戦略研究会 アドバイザー


藁田 勝 Masaru Warata
立命館大学大学院修了(経営学修士)。金融機関勤務を経て、2000年にタナベ経営に入社、2014年より現職。志の高い経営者とともに理想を追い続けるコンサルティングの実践が信条。赤字企業の再建から成長戦略の構築まで数多くの実績を誇る。