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今週のひとこと

わが社の真の強みは何か、真の顧客は

誰か、顧客に評価される真の貢献とは何か。

その正体をつかんでこそ、会社は伸びる。

☆ その仕事って価値を生んでいますか?

 ほぼ毎日見聞きすると言っても過言ではない「働き方改革」という言葉。人手不足が深刻化しているなか、業種・規模を問わず、多くの企業が残業時間削減や勤務制度の充実、それに伴うシステム投資などに積極的に取り組んでいます。
 企業内で様々な改革を進める際、最後まで残るような岩盤的な慣習を変えていく意味でも、働き方改革は前向きに取り組むべきテーマです。


 改革をはじめる上で、まず、皆さんには、"そもそもこの仕事は本当に必要なのか?"という意識をまず持っていただきたい。
 これまで1時間かかっていた仕事を10分短縮するといった工数改善の発想は必要で、現場において改善されたことを実感しやすいことでもあります。しかし、この視点だけでは全社的に目指す改革成果には残念ながらつながっていかないのではないでしょうか。


 大事なことは、組織が大きくなるにつれて、知らぬ間に増えていく実は価値を生んでいない仕事の認識・撲滅であると筆者は考えます。必要以上に詳細な報告書、デザインはきれいでも内容が薄い資料、あまり意味のない調整事項など、皆さんの周りにもたくさんあるのではないでしょうか。
 働き方改革本番。まずは、捨てる仕事に目を向けていただきたい。


経営管理本部 経営企画部
林 一雄

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ファーストコールカンパニーを実現する「割り切りとこだわり」


自社の強みを知っているか

企業がファーストコールカンパニーを目指す際に、最も重要なのは「顧客は誰か」を定義することである。

中でも、自社の「強み」を正しく理解した上で、取引してくれる顧客を「真の顧客」と呼ぶ。その真の顧客が発するニーズの変化に耳を傾け、自社の持ち味を磨くことが、成長戦略を実現するための原動力となる。なぜなら、どの企業も「自社の存在価値=使命感」なくして事業を継続できないからである。

スーパーマーケットを運営するA社は、ある地方の地域密着型の食品スーパーとして、長年にわたり地元住民の台所を支えてきた。ところが、そこに大手全国チェーンの同業他社が参入し、昨今は売り上げがじりじりと落ち始めていた。そこでA社は、社を挙げて、自らの使命感を再度見直す「自社の原点回帰」に取り組んだ。

その取り組みの一環として、店長以上の幹部を対象に「使命感づくり研修」を実施。研修では、「なぜ自社がここまで長く地域に根差してこられたか」「顧客は、なぜ数ある同業他社の中から、わざわざ自店を選んでくれるのか」など、自社の存在価値に迫るディスカッションを重ねた。

この研修の中でA社が結論付けたのは、顧客が認める自社の持ち味は「鮮度」にある、ということだった。それも、採れたての地場産にこだわった素材が生み出す「超鮮度」といえる品質であった。

真の顧客は誰か

次に、自社の持ち味を正しく理解した上で、長きにわたって自店を支えてくれる真の顧客は誰かを考えた。来店客は"顧客"には間違いないものの、ここであえて「真の」と定義する意味は、理想の顧客像を描き、自社が対象とすべき顧客を選び、絞ることで、地域における存在価値を増大させる狙いがあった。

どのような顧客のため、どのような会社や自店を目指すのか?

A社では、「開店の10時に来店し、生鮮野菜を毎日午前中に購入する顧客」を具体的な真の顧客と位置付けた。なぜなら、この顧客は鮮度の良さを求め、最も鮮度の良い時間を選んで、毎日来店し続けているからである。

売り上げの金額だけを見れば、例えば「週末○曜日は△△ポイント5倍デー」といった集客イベントを開催することで、1人当たりの買い上げ金額は大きく伸びる。また、売れ残り商品を売り切るための値引きシールを貼る閉店間際のタイミングを見計らって買いに来る顧客もいる。

このような顧客は、他社のスーパーがもっと条件の良いイベントや値引きを行えば、A社の店には来ないだろう。ポイントや値引きに魅力を感じているわけで、決してA社の持ち味である「鮮度」に魅力を感じて買い物をしている顧客ではない。

つまり、来店する全ての顧客のために力を注ぐのではなく、あくまで自社の持ち味である「鮮度」に魅力を感じる顧客のために、店舗・売り場作りを行うことを決めたのだ。

これを実現するには、「毎日仕入れ、毎日売り切ること」が真の日常活動だといえる。どのようにして毎日新鮮な食材を仕入れ、毎日売り切っていくか。このために、全社を挙げて何に取り組むべきかを検討し、継続することが、A社の持ち味を磨いていく。真の顧客をリピーターとして確保しながらも、業績を作り、自社の存在価値を高める「割り切った」活動になるのである。

ただし、顧客を絞って割り切るだけでは、企業の持続的成長は不可能だ。自社の持ち味を生かすことも、一朝一夕にできることではない。自社の持ち味を他社からまねがされにくい強みにするには、一定の年月が必要となる。


自社の持ち味と顧客のニーズ

これに対し、顧客のニーズは思いの外、変化するものだ。例えば、現在の世帯の中心は、親子2世代の「両親+子」というファミリー層ではなく、単身世帯や老夫婦世帯が構成比の上位を占めている。このことは食品を扱うA社にとっても大きな意味を持つ。

例えば、これまで生鮮野菜コーナーの主流は「白菜1玉」「キャベツ1玉」であったが、いまや4分の1カットのサイズから売れていく。つまり、消費の単位が「4人家族」から「単身・2人」と小さくなることによって、1回当たりの売り場での購買単位が小さくなっているのである。

それだけではない。共働き世帯が増えるにつれ、手軽で簡単に調理できるものや総菜に近いものが、より好まれるようになった。A社を支えてきた鮮度を求める顧客にも、このようなニーズの変化が表れてきている。

つまり、鮮度という持ち味を生かしつつ、真の顧客のニーズの変化にもしっかり目を向けて取り組まないと、売り上げの確保が危うくなるのだ。

顧客が価値として認めるものしか、自社の存在価値としては認められないのである。(【図表】)

そこで、あらためて顧客の声に注目したA社は、新たな存在価値を生み出した。それが、「マイギフト」というアイデアだった。

ギフトといっても、「お中元」や「お歳暮」とは少し異なる。身近な人へのちょっとした贈り物や、頑張った自分へのご褒美としてのギフトという位置付けだ。

包装などにはコストをかけない代わりに、質の良いフルーツやブランド牛などを取りそろえた。旬の食材や生産地との強いつながりを持つA社ならではのこだわりが存分に生かされた企画だ。

「マイギフト」は店頭での販売を行わず、予約制とした。そのため、先行業績を見込むことができ、新たな需要を生み出す業績基盤が生まれることとなった。

このように、顧客に価値が認められる持ち味を磨き、100年先も支持される存在価値の創出にこだわりたい。

【図表】自社の存在価値を狭める
【図表】自社の存在価値を狭める

  • タナベ経営
  • コンサルティング戦略本部 部長
  • 戦略コンサルタント
  • 影本 陽一
  • Youichi Kagemoto
  • 成長ビジョン・戦略構築から人事制度構築、人材育成まで幅広い実績を持つ。組織活性化に向けたクライアントと一体となった熱いコンサルティング展開が持ち味。現在は、医療・介護を中心とするヘルスケアビジネス戦略研究会のサブリーダーとしても活躍中。

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食改善で「真の健康」を提供
"軸のぶれない経営"で成長

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現代の食事に不足しがちな栄養をバランス良く補う『ハイ・ゲンキ』を中心に、堅実な成長を続ける玄米酵素。
創業から46年、全国各地にファンを広げた鍵は、年間1万9000回以上開催するセミナーを通したダイレクトコミュニケーションにある。


「玄米酵素」との出会いが転機に

長尾 北海道札幌市に本社を置く玄米酵素は、看板商品である『ハイ・ゲンキ』を中心に健康補助食品の製造販売で成長を続けていらっしゃいます。私自身も愛用しております。

鹿内 うれしいですね。お客さまの役に立っていることが一番です。
社名でもある「玄米酵素」は、玄米と胚芽、表皮を麹菌で発酵させて作る健康補助食品で、消化が良く玄米食以上にバランス良く栄養を摂れるのが特長。添加物を一切使用していませんから、小さなお子さまから妊娠中の方まで安心して食べていただけます。

長尾 玄米は健康に良いと分かっていても、白米を玄米に置き換えるのは難しい。玄米酵素であれば続けやすいですね。

鹿内 創業者の岩崎輝明も同じ悩みを抱えていました。自身と家族の健康面に不安を抱えていた岩崎は、ある人から食生活の改善を勧められて主食を玄米にしたところ、体調がみるみる良くなったそうです。ただ、当時はすでに白米が中心でしたから、幼い子どもがいる家庭で玄米食を続けることは簡単ではありませんでした。
そうした折、「酵素研究家の岡田悦次氏が、玄米を麹で発酵させることに成功した」と耳にし、すぐに彼を訪ねて1971年に玄米酵素の共同開発をスタート。自分や家族が助けられた玄米を世間に広めることで、世の中の役に立ちたいと考えたわけです。こうした意識と行動力は、創業者の偉大なところですね。

長尾 高度経済成長期を経て、日本でも家庭料理の西洋化が急速に進み、生活習慣病などの健康問題が顕在化し始めていた頃でしたから、時代に合った商品といえます。

鹿内 しかし、創業当初は苦労したようです。サプリメントが今ほど浸透していない時代で、一軒一軒訪問して玄米酵素を販売していました。今思えば気の遠くなる仕事ですが、それでも商品の良さが認められて徐々にクチコミで広がっていきました。
そうした中、1982年に中曽根康弘元首相がハイ・ゲンキを愛用されていることがメディアに取り上げられました。当時、中曽根元首相の健康の秘訣を聞かれた奥さまが当社の商品名を挙げたところ、問い合わせが相次いだのです。これが1つの転機になりました。

長尾 社長室に飾られている、中曽根元首相からのお礼状を拝見しました。国を担う政治家として、健康管理に人一倍気を使われているのですね。

ダイレクトコミュニケーションで顧客との接点を重視

長尾 鹿内社長は、もともと銀行員だったとお聞きしました。

鹿内 大学卒業後に地元の銀行に入り、24歳で初めて当座預金を開設していただいたのが玄米酵素で、私にとって大切な存在です。転勤後も折に触れて会社に顔を出していましたし、私自身がハイ・ゲンキを愛用していたこともあって関係は途切れませんでしたね。
創業者の岩崎には本当にかわいがってもらいました。銀行在職中に支店長や常務になった際も喜んでくれましたが、「おめでとう。ところで、いつうちに来るんだ」なんて聞かれたりして(笑)。冗談でしょうけど、気に掛けてくれる人がいるのはうれしいことです。

川島 玄米酵素には後継者として入社されたのですか?

鹿内 いいえ、そうではありません。創業者から誘われて入社したのは2006年ですが、最初は専務として増加する販売代理店の管理と若い世代の教育を任せられました。その3年後に代表権を持つ副社長への就任を打診され、会社を背負っていく決心をしました。2012年に社長に就任しましたが、翌年に岩崎は他界してしまいます。

長尾 社長就任以降、健康講座をはじめとするセミナーを積極的に開催されていますね。

鹿内 入社したときに創業者から言われたのが、「お客さまとのコミュニケーションを大事にする姿勢を守っていきたい」ということ。そこで、10年前は年間9000回だったセミナーの開催数を、昨年は販売代理店を含めて1万9000回以上に増やすなど力を入れてきました。

長尾 1万9000回以上とは驚きです。単純計算すると、1日52回以上も開催していることになります。

鹿内 今後はさらに増やして「年間3万6500回にしよう」と社員に言っています。1日100回の方が分かりやすいでしょう(笑)。これまでも、「これ以上は増やせません」と社員から声が上がることもありましたが、当社の経営理念は「『食改善』で真の健康をお届けする」こと。そのためには、健康に関するお客さまの悩みをお聞きすることや、食生活について一緒に考える機会を大切にしていかないといけません。

食と健康に関するセミナーを積極的に開催
食と健康に関するセミナーを積極的に開催

1956年北海道生まれ。1979年、小樽商科大学卒業後、北海道銀行入行。1980年に玄米酵素の創業者・岩崎輝明氏との出会いがあり、以来、玄米酵素の愛食とともに親交を深め、メインバンクの立場を超え、絆を強めていった。2003年、同行の常務執行役員を経て、2006年玄米酵素へ取締役専務として入社。2009年、代表取締役副社長。2012年、代表取締役社長に就任。全国各地で年間100回以上の講演を行う。
玄米酵素 代表取締役社長
鹿内 正孝氏
1956年北海道生まれ。1979年、小樽商科大学卒業後、北海道銀行入行。1980年に玄米酵素の創業者・岩崎輝明氏との出会いがあり、以来、玄米酵素の愛食とともに親交を深め、メインバンクの立場を超え、絆を強めていった。2003年、同行の常務執行役員を経て、2006年玄米酵素へ取締役専務として入社。2009年、代表取締役副社長。2012年、代表取締役社長に就任。全国各地で年間100回以上の講演を行う。

1959年北海道生まれ。1983年早稲田大学卒業後、あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)入行。札幌支店長を経て、2011年玄米酵素入社。鹿内社長とは銀行員時代に出会い、現在に至る。NPO法人日本綜合医学界監
玄米酵素 取締役 東京支社長
遠藤 優一氏
1959年北海道生まれ。1983年早稲田大学卒業後、あおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)入行。札幌支店長を経て、2011年玄米酵素入社。鹿内社長とは銀行員時代に出会い、現在に至る。NPO法人日本綜合医学界監

「食事道」を提唱し真の健康を啓蒙

食 事 道
「食の三原則」を基本とし、玄米と野菜を中心とした日本の伝統食によって健康を目指そうという食事の考え方

食の三原則
1、玄米・菜食の人間本来の適応食のすすめ
2、自分の住む土地で採れる旬のものを食べる身土不二のすすめ
3、食物は命を丸ごといただく一物全体食のすすめ

企 業 理 念
「食改善」で真の健康をお届けする。


鹿内 健康には玄米自然食を基本とする食事が重要だと考えています。コメの栄養の7割は胚芽と表皮に含まれるのに、現代人はそこを省いた白米を主食としている。これはほんの一例で、健康を保つには良いものを選ぶ「健康リテラシー」が重要ですが、現代人には良いものを選ぶ力が失われているようにも見えます。

長尾 いかに良いものを選ぶか、という日々の選択や判断の積み重ねでできているという点で、健康と経営は共通していますね。食改善として、玄米と野菜を中心とする日本の伝統食を「食事道」として掲げておられます。食事道とはどのようなものですか?

鹿内 食事道とは、①玄米・菜食の人間本来の適応食のすすめ、②自分の住む土地で採れる旬のものを食べる身土不二のすすめ、③食物は命を丸ごといただく一物全体食のすすめ、という「食の三原則」を基本とする食事の考え方。こうした食材・食事を選ぶことで健康を目指しています。明文化したのは2005年と最近ですが、それ以前の1989年には当社の健康に対する考えを示した「玄米酵素のこころ」をまとめ、社内で毎朝唱和して行動指針としています。

長尾 まさに、経営理念がダイレクトコミュニケーションという戦略やマーケティングを定義しています。

鹿内 われわれが実現したいのは、お客さまの真の健康です。ハイ・ゲンキを中心とする玄米酵素の普及はその1つの手段。東京・両国と大阪・心斎橋においては、料理教室「エコロクッキングスクール」(東京校・大阪校)や、自然食れすとらん「元氣亭」(両国)や「玄米カフェ」(心斎橋)も経営していますが、これらも体に良い食べ物をお届けするための試みです。

川島 洞爺自然農園を立ち上げるなど、農業にも参入されました。

遠藤 1988年に北海道洞爺湖町に保養施設「洞爺健康館」をオープンした後、1991年にJAS認定を取得した農業法人・洞爺自然農園を立ち上げました。

鹿内 小さな農園ですが、コメやイチゴ、トマトなどを作り、販売代理店へのプレゼントや頒布会を行ったり、洞爺健康館で提供しています。私自身も毎年田植えや稲刈りに参加していますが、これは「食の問題を真剣に考えている」という姿勢を示す意味もあります。

家庭でできる自然食の料理教室を展開
家庭でできる自然食の料理教室を展開

レストラン「元氣亭」では
レストラン「元氣亭」では"健康になれる玄米自然食"を提供

「山高ければ谷深し」地道な成長にこだわる

長尾 玄米酵素は健康食品会社のように見えますが、実際は「食を通して健康を提供すること」を本業とされています。その軸が、戦略やマーケティング、人材育成まで貫かれており、だからこそ安定成長を続けていらっしゃいます。

鹿内 「山高ければ谷深し」という言葉の通り、サプリメント業界では著名人を起用した派手なテレビCMで一気に成長する企業もありますが、その分、落ち込みも激しいものです。

長尾 多産多死の業界ですね。落ち込んだ分を多角化によって賄おうとするあまり、本来の強みが薄れてしまう企業も見受けられます。

鹿内 フランスの哲学者アランは、「ロープウエーで来た人は登山家と同じ太陽を見ることができない」と言いましたが、われわれはきちんと自分の足で山に登ろうと社員に言っています。命と向き合い、子どもの未来と向き合っている会社が、ロープウエーで一気に昇ってしまおうと考えることは間違っている。こうした姿勢に共感してくれる社員と取り組んでいこうと考えていますし、社員も理解してくれています。この考えが共感されているのか、ここ10年間、家庭の事情で退職されるケースはあったものの、社員はほとんど辞めていません。

長尾 鹿内社長の考えは社員の行動や実績にも反映され、これまで堅実な経営を続けていらっしゃいます。

鹿内 当社の販売代理店向けのセミナーは6~10人規模が中心で急成長は望めませんが、今後もセミナーを中心にお客さまとのコミュニケーションを大事にして、コツコツと地道に成長していきたいですね。経営とは、上っている実感がないほど緩やかな坂を上り続けていくことだと考えています。マーケティングが利益至上主義に陥ると、本業が崩れていくものです。

長尾 地道というより、王道です。経営理念と戦略、実績の間にブレがありません。理念を掲げる企業は多いですが、戦略や社員の行動まで浸透し、実績につながっているところは意外と少ないのが現実です。

鹿内 規模ではなく、企業としての生き方を貫くことが重要です。タナベ経営の創業者・田辺昇一先生は「企業は本業そのものが社会貢献になる」とおっしゃっていましたが、非常に共感します。玄米酵素は本業そのものが社会貢献。経営者として大事なのは、企業の生き方を消費者と約束すること。私自身もセミナーで話す機会がありますが、そこで玄米酵素の生きざまを伝えて、お客さまに約束しています。

タナベ経営 取締役副社長長尾 吉邦 タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009年常務取締役、13年専務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。
タナベ経営 取締役副社長
長尾 吉邦
タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009年常務取締役、13年専務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。[/caption]

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 副本部長 川島 克也 経営全般からマーケティング戦略構築、企業の独自性を生かした人事戦略の構築など、幅広いコンサルティング分野で活躍中。企業の競争力向上に向けた戦略構築と、強みを生かす人事戦略の連携により、数多くの優良企業の成長を実現している。
タナベ経営 コンサルティング戦略本部 副本部長
川島 克也
経営全般からマーケティング戦略構築、企業の独自性を生かした人事戦略の構築など、幅広いコンサルティング分野で活躍中。企業の競争力向上に向けた戦略構築と、強みを生かす人事戦略の連携により、数多くの優良企業の成長を実現している。

成長の鍵を握る共感力

川島 創業者から会社を引き継いで6年目に入りました。今後の展望をどう捉えていますか?

鹿内 玄米酵素だけが伸びればいいとは思っていません。サプリメントはいまだに有象無象の世界で、効果や広告表示にはいかがわしい部分も散見されるのが現状です。そうしたイメージを変えていくためにも、「国民の健康を守っている」という誇りと信念を持つ企業が一緒になって環境づくりに取り組む段階だと思います。効果に対するエビデンス(科学的根拠)の提示や、成分表示の厳格化を含めた基準の一元化も必要でしょう。

長尾 玄米酵素は、理念が戦略や行動に徹底されています。経営において理念は変えてはいけないものですが、伝え方は時代に合わせて変えていくことも必要です。

鹿内 おっしゃる通りで、真の健康を届ける上で、これまで以上にセミナーを増やしてお客さまとより密接にコミュニケーションを取っていく所存です。一方、新たな事業としてクリニック経営を視野に入れています。初めから薬に頼るのではなく、まずは食事を見直すことで健康を目指すような食養生を主眼に置いた病院です。

川島 4年後の50周年、さらにその先に向け、次世代の幹部・リーダーの育成にも力を入れておられます。

鹿内 創業40周年を超え、次世代の事業を担う人材を育成する必要性を強く感じていました。そこでタナベ経営に指導いただき、1年半のスケジュールで次代の役員候補、幹部候補を育成する「次世代ボード研修」を実施しました。
それまでは社員教育をなかなか整備できず、OJTが中心だったので、どうしても狭い視野でしか物事の判断ができない課題を感じていました。研修を通して、経営の基本を学ぶだけでなく、会社の将来の姿を幅広い視点で考えることができるようになってきています。

川島 現在では、女性リーダーの育成にも力を入れておられます。

遠藤 次世代ボード研修を実施してから、社内の女性メンバーからも「リーダーとしての基本を学びたい」という声が上がりました。当社はこれまで共感力を強くして成長してきた会社ですので、女性社員にもそのような期待を込めて現在、タナベ経営に「女性リーダー研修」の実施をお願いし、指導いただいているところです。

鹿内 お客さまと一緒に考え、分かち合う能力は男性よりも女性の方が秀でています。今後は計数管理やマネジメント力を身に付けて、女性リーダーにもどんどん活躍してもらいたいと考えています。

長尾 戦略や人材育成、実績の全てを貫く経営理念が徹底されていることに、いつも感心させられます。本日はありがとうございました。

次代を担う女性リーダーの育成に力を入れる
次代を担う女性リーダーの育成に力を入れる

PROFILE

  • ㈱玄米酵素
  • 所在地:〒001-0012 北海道札幌市北区北12条西1丁目1-1 第1酵素ビル
  • TEL:011-736-2345
  • 創業:1971年
  • 資本金:1億円
  • 売上高:27億円(2016年12月期)
  • 従業員数:87名(2016年12月現在)
  • 事業内容:健康補助食品「玄米酵素」、「自然化粧品」、「自然食品」の販売
  • http://www.genmaikoso.co.jp/
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所