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今週のひとこと

小さなことでもよい。

問題解決に取り組ませよう。問題を解決

することで、達成感と満足感が得られ、

自信もつく。

☆ 5年後、10年後に輝いている社員を育てましょう

 新卒の採用環境は売り手市場、中堅・中小企業の経営者や採用担当者は、様々な採用対策を講じておられることでしょう。
 筆者は日々、多くの方々の性格能力診断(タナベ式性格テスト)の判定を行っています。新卒採用試験や、人材育成、自己啓発といった場面で活用いただくことが多いのですが、「性格テストの結果も、面接の印象もいまひとつで、人材を採用できない」という声をよくお聞きします。

 これからは、4月に入社した新入社員である彼・彼女たちが活躍できるよう、いかに育てていくかを考え、実行する時です。人が持って生まれた気質は遺伝的なものでもあり不変ですが、置かれた環境や立場、人間関係などによって「性格能力」はいくらでも良い方向に変えていくことができます。採用時は、おとなしく目立たなかった人でも、数年後には自身が企画して立ち上げたプロジェクトのリーダーとして活躍することもできるのです。

 「夢」や「目標」があれば、性格は変わります。
 仕事において夢のある人は輝きを失うことはありません。夢の実現に向けて5年後、10年後の目標を具体的に描き、達成するために努力する。その過程は険しくても、小さな成功を積み上げることで得られる喜びや達成感が人を成長させるのです。
 そして、社員が輝いている会社は、目標を共有し切磋琢磨し合う、働きがいのある職場であることは言うまでもありません。

戦略総合研究所
森口 敦子

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戦略的深耕セールスの実践で「顧客価値」を高めよ


企業が顧客に提供する商品・サービスは、顧客の期待値を超えることで価値となる。これに企業の姿勢・考え方・行動など心理的な要素を加え、固有の価値として認識されて初めて「ブランド」と呼ばれるようになる。

しかしながら、多くの企業は供給過剰マーケットの中で価格競争という消耗戦を避けて通ることができず、「販売すれど、利益は出ず」「顧客離反(自社の存在価値の希薄化)」という現実の受け入れを余儀なくされている。

自社の営業スタイルを振り返る

タナベ経営が考える「顧客価値」とは、企業が提供する製品(商品)・サービスに対して、顧客が感じる価値を意味する。これを高めて自社の売り上げと利益につなげるには、

中堅・中小企業が陥りやすい営業戦略・戦術上の失敗事例を反面教師とし、自社の営業スタイルを明確にしていくことである。中堅・中小企業が陥りやすい失敗事例としては、

①トップの既成概念、過去の経験、技術をよりどころに判断する

②顧客の生の声、時流を見極めるだけの時間の余裕がないまま判断している

③戦略を具体化する人材が不足し、社内体制もできていないため、チャンスを逃す。または具体的な販売促進活動ができない

④属人的な営業体制になっており、マーケティング発想で顧客の声を吸い上げる仕組みができていない

⑤顧客の履歴(取引実績、窓口、キーパーソン、商談内容、要望・クレーム事項など)の管理ができておらず、組織全体としてデータの一元化が進んでいない

――などが挙げられる。


営業スタイル5つの着眼ポイント

今後の営業スタイルの着眼点は、次の5つが考えられる。

①顧客(ユーザー)の立場から、自社の顧客満足を高めるのに必要なこと、商品・サービスの独自性や特徴を明らかにする

②大企業が狙わない顧客層、市場、地域を重点にする隙間(ニッチ)を狙う

③顧客とのネットワークづくりにおいては、対面、もしくは"声"での接触を基本とする

④顧客の過去の売り上げ・利益実績に基づいて、提案商品の選定や営業アプローチ手法を変える

⑤組織営業を推進し、拠点・営業担当者間で顧客ニーズの共有や提案内容の仮説出しを積極的に行う

戦略的深耕セールスを「考える」

得意先(既存顧客)からの受注方法やフォロー体制は、整っているだろうか?「わが社はできている」と思っていても、意外と不備のある企業は多いものだ。

限られた人数の中で、全ての得意先を公平に訪問することは不可能である。従って、重点顧客に対しては、ライバルに負けないように手厚く、また、自社への貢献度が低い得意先には、いかに効率的に動くかを考えて行動することが大切となる。

「戦略的深耕セールス」は、新規取引先への開拓営業も重要であるが、短期的に受注・売り上げを向上させるために、現在の得意先を戦略的に深耕していくことである。

新規顧客開拓は、既存顧客からの受注と比較すると5~10倍のエネルギーが必要だといわれる。そこで、まず得意先からのリピート受注に絞った取り組みに重点を置くことが必要だ。そのために、次の3点を心掛けていただきたい。

(1)リピート受注を支える仕組みづくり

既存顧客へリピートを促す仕組みは、「目的にかなった生産性」の物差しと考える。費用対効果を念頭に置きつつ、既存顧客に平易性(誰でも分かる)・お買い得感・継続性を重視させる。

(2)顧客情報のリアルタイム管理

顧客ニーズの多様化により、「必要なとき」に「必要なもの」を「必要なだけ」提供する対応のノウハウが求められている。過去客の掘り起こしよりも、直近で実績がある顧客へのリアルタイムアプローチに絞ったスピード対応を実践する。

(3)顧客が顧客を呼ぶ紹介運動の展開

「遠くの親戚より近くの他人(現取引窓口の隣の部門・担当者)」の言葉通り、近い距離・間柄の方がフォローしやすい。顧客の期待を裏切らないこと、約束を守ることを前提として、紹介運動の展開へつなげる。


戦略的深耕セールスを「展開する」

まず、既存顧客の潜在需要を掘り起こすためのターゲットと攻め方を明確にし、効率的な受注を目指す。既存顧客の隙間と潜在需要の掘り起こしを行い、顧客ごとの課題を明確化し、優先順位を付けて効率的にターゲット化する営業スタイルを確立する。①顧客の現状認識(売り上げ・利益実績の分析)と課題発見、②顧客のポジショニングとプライオリティーの明確化、③ポジションごとの攻め方を決め、行動基準を具体化することだ。

次に、属人営業から組織的営業へ移行し、営業品質の統一化を図って提案営業力を高める。統一販促ツールを整備して営業を効率化し、属人営業からの脱却を図る。①広角的な隙間つぶしを可能にする管理フォーマット化、②属人的になりがちな営業ツールの標準化、③隠れたノウハウを洗い出し、共有化することで自社の武器にする(システム化する)必要がある。

また、顧客・業績情報の「見える化」で部門・個人の情報共有化と生産性アップを図る。顧客、担当者別の見込み情報を集約し、業績管理や差額対策の検討、個別指導に活用する。①業績管理(部門・商品別のランク別受注情報の集約)の見える化を行い、②業績対策を検討する営業会議の進め方を見直す。

成果の上がる深耕セールスのため、教育プログラムの整備と実施を行うことも有効だ。具体的には、①アプローチ・ヒアリング・ニーズ収集力の強化プログラム、②プレゼンテーション力の強化プログラム、③交渉力・クロージング力の強化プログラムが挙げられる。

最後に、戦略的深耕セールスは、マインドシェア(顧客の心の中における企業・商品ブランドの占有率)を伸ばす重要手段でもある。ぜひ顧客との信頼関係を築いていただきたい。

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  • タナベ経営
  • 経営コンサルティング本部
  • 中四国支社長代理 戦略コンサルタント
  • 北島 康弘
  • Yasuhiro Kitajima
  • 「業績向上と社員活性化を両立させる風土づくり」をコンサルティングの指針に掲げ、事業戦略や収益構造改革、組織改革、風土改革、人事制度改革、営業改革などをテーマに数多くの企業を支援している。特に企業風土の活性化を軸にしたコンサルティングに定評があり、「自ら考え、自ら行動する」新たな風土を構築することで、社内改革を多数実現している。

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親族外承継で持続的発展を目指す
社員一人一人の「幸せ」を追求

20代、30代の若手社員が活躍する三陽建設。 社内はフリーアドレスで、自由に席を選べる
20代、30代の若手社員が活躍する三陽建設。
社内はフリーアドレスで、自由に席を選べる

古くから医薬品の生産地として知られる、滋賀県甲賀市に本社を構える三陽建設。地域に根差して発展を続ける同社は、親族外への事業承継を堅持しており、5代目へのバトンタッチが間近に迫っている。現在と未来の経営者TALKに、「みんなで幸せになる会社」へ向けた取り組みを聞いた。


会社は「人が全て」全社員に理念浸透

北東 三陽建設は設立60年を超える総合建設会社です。大きな特徴として、経営権の親族外承継を続けてきたことが挙げられます。まずは会社の概要をお聞かせください。

大石 1920年、宮大工の棟梁だった船田粂一が建築請負業を開いたのが事業の始まりです。そこに瓦業者と運送業者が加わって49年に有限会社船田工務店、54年には三陽建設株式会社となり、事業拡大に努めてきました。有志が集まって法人化した経緯もあり、同族経営の意識が当初から薄かったことが、親族以外への事業承継を続ける大きな流れにつながっています。私は4代目の経営者で、私から経営のバトンを受け取るのが専務取締役の阪本です。

北東 三陽建設の強みは何だとお考えですか。

大石 真面目に一生懸命にやる。最たる強みはこれに尽きます。それに加え、製薬会社から医薬品工場建設の仕事を数多く受注することで、豊富なノウハウを蓄積していることも挙げられます。滋賀県は、昔から富山県や奈良県と並ぶ配置薬(置き薬)の産地で、本社のある甲賀市は現在も医薬品工場の密集地帯。製薬会社を得意先にすることで、地場ゼネコンとして成長することができました。

北東 社是や経営理念はいつごろ策定されたのでしょうか?

大石 前任の3代目社長が20年ほど前に定めたものです。また、クレドと行動指針は3年前に私が作成しました。というのも、ザ・リッツ・カールトンでは企業の信条をまとめたクレドを従業員が携帯して、世界トップレベルのサービスを実現していると聞き、同ホテルに宿泊。そこで頼み込んでクレドを見せてもらい、タナベ経営に「こんなものを作りたい」と相談したのが、発端になりました。

北東 建設業界では先駆的な取り組みですね。

大石 当社には際立った先進技術はありませんが、ここまでやってこられたのは、お客さまに魅力を感じさせる社員がいたおかげ。当社の事業は人が全てであり、人をつくらないと成り立ちません。そのため、会社の進むべき道を決める基本的な考え方を、全社員に浸透させたい思いがありました。

北東 現在、取り組まれている課題を教えてください。

大石 設立60周年を迎えて今後の展開を考えた際、企業規模を追い求めるよりも、「みんなで幸せになる」基盤を持つ会社にしたい、と思いました。その実現に必要なのは、会社の安定性と永続性。つまり、この先もずっとお客さまから必要とされる会社になることで、社員一人一人の幸せを追求していくことが、社長としての大きな課題です。

1950年石川県輪島市生まれ。1992年三陽建設常務取締役、1998年専務取締役を経て、2000年に代表取締役就任。2014年から公益社団法人水口納税協会常任理事甲賀支部長、水口納税貯蓄組合連合会理事役員、滋賀県信用組合総代。
三陽建設 代表取締役
大石 彰 氏
1950年石川県輪島市生まれ。1992年三陽建設常務取締役、1998年専務取締役を経て、2000年に代表取締役就任。2014年から公益社団法人水口納税協会常任理事甲賀支部長、水口納税貯蓄組合連合会理事役員、滋賀県信用組合総代。

三陽建設 専務取締役 阪本 仁彦氏 1969年三重県伊賀市生まれ。2005年三陽建設本社建築部課長、2009年本社営業部課長を経て、2012年専務取締役に就任。NPO法人甲賀ユートピアネットワーク副理事長。
三陽建設 専務取締役
阪本 仁彦氏
1969年三重県伊賀市生まれ。2005年三陽建設本社建築部課長、2009年本社営業部課長を経て、2012年専務取締役に就任。NPO法人甲賀ユートピアネットワーク副理事長。

10の事業を育て売上高100億円へ

北東 三陽建設の事業承継は、形式的にはホールディングス(以降、HD)化を採用されていますが、最大のテーマは「経営理念や人づくりの考え方をしっかり伝承すること」です。そして、その考えに賛同する会社の受け入れや、成長性のある事業の独立を積極的に行う考え方です。以前からこのようなお考えだったのでしょうか?

大石 2年前、得意分野・個性的な事業を作ろうとM&Aを実施したのを機に、そう考えるようになりました。傘下に個性的な会社をいくつも設立し、それらを効率的に束ねるには、HDという形が最適と判断しました。
また、当社のような親族外承継の場合、株の譲渡という高いハードルがあります。HD化でその難関をクリアし、「実力のある人材が社長になれる仕組み」の確立を急いでいます。
さらに、人材確保が難しくなる中、せっかく採用した人が辞めたいと言った時に「建設業が向かなくても、他の事業をやっている会社があるよ」とHD傘下の会社を紹介できるメリットもあります。

北東 一般的なHD化とは目的が異なっていますね。多くの場合はスムーズな同族承継を目的とするのに対して、三陽建設ではモノの考え方を承継し、親族外の経営者で会社を永続発展させることを目的にしています。

大石 HD経営のキーワードは、多様性です。人の生き方は多様性に富んでいるし、そのような人材を受け入れる企業側にも多様性がないと存続は難しい。私は「10の事業を育て、売上高100億円を目指す」という10年計画を推進する中で、仕組みや規則を練り上げてきました。後を継ぐ阪本専務には、それを実践しながら、社員がいきいきと活躍できる組織づくりに励んでほしいです。

北東 事業承継はそう遠くないと思いますが、引き継ぐ立場としてのお考えはいかがですか?

阪本 承継が刻々と迫る中、一緒になって会社をつくってくれる人材の確保が最大の課題です。社内外のバランスを配慮して、よい出会いを果たしたいですね。さらに、将来を見据えた若手幹部候補の育成にも取り組んでいきます。

北東 経営幹部の候補となる条件は何でしょうか。

阪本 社是に共感し、こつこつ努力できること。そして、三陽建設が大好きなことです。

大石 自立していることも重要です。中小企業でも社員が自立していれば、どんな苦境も乗り越えられます。

北東 オーナー経営者の分身型ではなく、自立した社員の中から経営者が育ち、責任を持って事業継続に取り組む。そのような仕組みや文化をつくることがポイントになります。

大石 経営者によって経営に対する考えや手法が異なるのは当たり前。阪本専務にも自分なりのやり方を確立してほしいと思います。

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タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長 戦略コンサルタント 北東 良之 経営理念やビジョン策定、中期経営計画策定を軸に、方針管理制度、予算管理システム、人事評価賃金制度構築など、中堅・中小企業を主なクライアントに経営システム構築を支援。事業承継案件も多数手掛け、「会社をつぶしてはならない」の信条のもと、持続的成長企業づくりを目指し、改革・改善に取り組んでいる。中小企業診断士。
タナベ経営 経営コンサルティング本部
部長 戦略コンサルタント
北東 良之
経営理念やビジョン策定、中期経営計画策定を軸に、方針管理制度、予算管理システム、人事評価賃金制度構築など、中堅・中小企業を主なクライアントに経営システム構築を支援。事業承継案件も多数手掛け、「会社をつぶしてはならない」の信条のもと、持続的成長企業づくりを目指し、改革・改善に取り組んでいる。中小企業診断士。

HD傘下の会社をリニューアル事業で結ぶ

丹尾 HD化の進捗はいかがでしょうか?

阪本 HD体制のスタートは、2018年3月31日を目標にしています。現在、三陽建設を筆頭に、西出建設(土木建設関連)と三陽マシンテクノロジー(機械設計・組立関連)の3社でグループを構成しています。さらに三陽建設ではリフォーム、福祉、医薬品事業も展開していますし、木造建築や商業施設建設などの分野も検討中です。こうした多彩な事業を会社として独立させ、HD傘下に収めていきます。時代のスピード感を考えると、迅速にHD化を果たして次の段階へ進むべきだと考えています。

大石 例えば、新規の建設案件が終了した後も、リニューアル事業で受注関係を維持し、次の新案件へつなげる。このようなサイクルで事業を回していきたいと考えています。

丹尾 HD傘下に建築や福祉、医療品などのドメインがあり、それらにリニューアルという横串を通して、各社が協力しながら顧客獲得につなげていく戦略ですね。スポット受注になりやすい建設業の構造を、リニューアル事業によって"線"でつないでいく。その中から新事業が生まれて成長したら、会社として独立させてHDに加えるというお考えでしょうか。

阪本 その通りです。新しい事業や、それを担う人材を育てることが当社の使命。HD体制を確立して社員が本気で勉強したくなったとき、きちんと学べる仕組みを作っておきたいと思います。

大石 建設の仕事はやりがいがあって楽しいものだと確信しています。そんな楽しい仕事をしながら、家族も幸せになれる環境を築こうと、業界の先陣を切って完全週休2日制の実施に取り組みました。
ゆくゆくは60歳以上の社員だけの週休5日の会社を設立したいと思っています。一生懸命働くのではなく、自分の時間を大切にしながら趣味を謳歌し、人生を楽しむのが目的。社員が週休2日を確実にとれる一方で、その2日を60歳以上の社員がカバーする形です。HD内の社員は休みが確保され、良好なワーク・ライフ・バランスを維持できます。

北東 三陽建設グループが、充実した人生を送るプラットフォームになるわけですね。それによってHD傘下の会社に自立した多様な人材が集まる。実に壮大な計画です。

本社へ入ると、洗練されたオフィス空間が広がる。 会議室はそれぞれ異なるテーマカラーを採用
本社へ入ると、洗練されたオフィス空間が広がる。
会議室はそれぞれ異なるテーマカラーを採用

規模は小さくてもみんなが幸せになる会社へ

丹尾 次期社長としては、どのような"右腕"を求めていますか。

阪本 三陽建設の理念と社風を基軸に、新しいことへ果敢にチャレンジする人材です。生え抜きでも中途採用でも構いません。当社の理念や社風をしっかり身に付けた上で、役割を果たしてもらいたいと思っています。

丹尾 リーダー育成に関する取り組みを教えてください。

阪本 体系的な社内教育のプランづくりをタナベ経営に依頼しています。毎年見直しながら定期的な教育を施し、その中から幹部を選ぶシステムにしたいですね。理念や社風などの基本的な思いを共有する人材の育成が第一。業務に直接関わらない専門性が必要な場合は、ネットワークを駆使して外部の人材を活用した方が効率的ですから。当社では「お友達作戦」、つまり、信頼できる外部ブレーンの確立と拡大を奨励しています。

丹尾 タナベ経営は三陽建設の事業承継カレンダーを作成しました。改めて、タナベに依頼された理由を教えてください。

大石 事業承継に際して整理すべき点を外部の目でチェックしてもらおうと考えたからです。タナベ経営とは10年以上の付き合いがありますから、信頼してお任せしました。

阪本 事業承継までの流れを見える化し、手順とやり方を教授してもらったことが役立っています。

北東 事業継承のためにやるべきことを整理すること自体が、大きなプラス効果を生むはずです。三陽建設は当社が提案した必須項目を確実に実行していらっしゃいます。

最後に今後の目指す姿と、事業展望をお聞かせください。

大石 事業承継やHD化を機にIPO(株式上場)を狙う会社も多いようですが、当社は違います。規模は小さくても安定感があり、みんなが幸せになる会社をつくることが目標です。そのために前述の10年計画(10の事業を育て、売上高100億円を目指す)をぜひ実現させたいですね。

阪本 安売りしないと仕事が取れない状況から脱却し、自社で価格を決められるビジネスの確立を目指します。そのためには「ここは三陽建設しかない」と評価される分野をつくり、適正価格で取引できるお客さまを開拓することが不可欠。お互いに「選び、選ばれる」関係のパートナーシップを築き上げていきます。

丹尾 「自立した人材の確保」がキーワードになりそうですね。

大石 最初から自立した人材を採用するのは、中小企業には難しいので、人材を教育して能力向上を図り、ITなどの武器も駆使して大手企業の人材と競わせる。その中で自立心が養われていくと思います。

阪本 「自分の給料は自分で稼ぐ意識を持ち、やりたいことをやりなさい」という社風を大事にしたいですね。

大石 ポジションと待遇を自分で設定すると、それに必要な教育メニューが提示されるような画期的な仕組みをつくりたいですね。伊勢神宮の式年遷宮のような仕組みが確立できたら、1000年企業も夢ではないでしょう(笑)。

北東 壮大な夢に向けたご発展を祈念いたします。本日はどうもありがとうございました。

タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長 戦略コンサルタント 浜岡 裕明
タナベ経営 経営コンサルティング本部
部長 戦略コンサルタント
浜岡 裕明
財務戦略から計画数字をやり切るための具体策を一般社員にまで落とし込む業績管理体制構築に定評がある。活躍は財務面にとどまらず、幹部社員への教育においてはタナベ屈指の高い評価を得ている。

タナベ経営 経営コンサルティング本部 チーフコンサルタント 丹尾 渉
タナベ経営 経営コンサルティング本部
チーフコンサルタント
丹尾 渉
クライアントの成長に対する「真摯」な姿勢と、ビジョン実現へのステップを着実に進める「丁寧」さを持ち味とし、財務戦略を中心としたコンサルティングで活躍中。決算数値を企業改革の宝ととらえる着眼で、共に成功事例を生み出し、業績が上がる体質を作ることを信条としている。

PROFILE

  • 三陽建設㈱
  • 所在地:〒520-3426 滋賀県甲賀市甲賀町 田堵野890-1
  • TEL:0748-88-3220
  • 設立:1954年(創業:1920年)
  • 資本金:8000万円
  • 売上高:52億963万円(2017年3月期)
  • 従業員数:65名(2017年6月現在)
  • 事業内容:建設工事の請負・建設設計事務および建設コンサルタント業務・不動産業務
  • http://www.sanyoukensetsu.co.jp/
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所