2018.01.05

☆ 面倒なことを部下に任せていませんか?

 筆者がコンサルティングをしている企業で、全社員と個別面談を実施した時のことです。「あのリーダーは信用できない」、「あのリーダーのもとでは働けない」、「違う部署に異動させてほしい」。これらのコメントは、すべて工場のリーダーAさんに対するものです。Aさんは若くして課長になり、問題意識が高く、工場内の様々な問題を改善していこうと努力していました。しかし、Aさんは部下から信頼されておらず改善は進みませんでした。

 なぜ、そのような状態になってしまったのか。改革・改善を進めていこうとすると、様々な新しい業務が生まれたり、時には面倒なものも出てきたりします。Aさんは、それらの業務を部下に割り振り、自分は指示をすることに徹していた状態に、部下は不満を感じていたのです。
 何もリーダーが全ての業務をプレーヤーとして行う必要はありません。ただ、人は理屈ではなく感情で動く生き物であり、変化を嫌う生き物でもあります。そうした中で、Aさんは指示を出すだけで、それまでの業務と何も変化がなかったのが、部下からすると面白くなかったのです。


 リーダーの役割は問題を発見し、解決していくことですが、同時に部下が前向きに問題解決に取り組むことができる環境をつくることも重要です。そのためには、まずはリーダーが率先垂範し、部下の心を動かすことから始めることをお勧めします。

 さて、Aさんには面談結果を伝え、まずはAさん自身が現場で実践することから始めています。メンバーもその変化を敏感にとらえ、少しずつですが一緒に改善していこうという雰囲気が出てきています。リーダーの方々には、「部下が嫌がることこそ、率先してやってみせる」という心構えで改善に取り組んでいただきたい。

コンサルティング戦略本部
チーフコンサルタント
内田 佑