vol.2 愛がなければ感動は伝わらない
ジャパネットたかた 前代表取締役社長 髙田 明氏
 × タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦

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Vol.2

ハイトーンボイスと徹底した商品ストーリー提案で顧客満足度を高め、お茶の間の人気を集めているのが、「ジャパネットたかた」創業者の髙田明氏だ。小さなカメラ店を売上高1500億円の通販大手に育て上げた背景には、どのような理念があったのか。経営哲学、会社への思い、次世代への期待などについて話を伺った。

 

 

おごらず「誰のために」を問い続ける

 

若松 先般は、タナベ経営主催のセミナー「社長教室」へのご出講、ありがとうございました。ジャパネットたかたは、売上高が約1540億円(2014年12月期)と、通販業界大手に成長されました。成長過程において、「会社が変わったな」と感じた時期や節目はありましたか。

 

髙田 家業のカメラ店(佐世保店)を出した30歳当時から、「1000億円を目指す」などの意識はなく、今でも(その規模に)育てた感覚はありません。しかし、企業が大きくなるにつれ、社会の人々から見られていることを感じるようになり、1000億円を超えたとき、それを強く実感しました。
 企業が大きくなると、経営者の責任と課題が増えます。社員が増え、養う意識も随分と変わりました。

 

若松 企業成長には「1・3・5 の壁」があります。年商で100億円、300億円、500億円、1000億円、3000億円……という規模の壁です。ジャパネットたかたが超えたのは、まさに1000 億円の壁だったのかもしれません。
 企業経営の原点となる志や夢を、どのように持たれて成長してこられたのですか。

 

髙田 長寿企業は、一貫して普遍的なものを持っています。普遍的なものとは、消費者の求めに応じること。時代の変化に対応しながら、消費者が求めるものを提供し続ける。おごらず、「誰のために」と自分に問い続けることが重要です。
 だからこそ、企業理念は「人の幸せに寄与すること」以外にありません。半面、企業が継続的に発展するためには、利益などの数字も重要です。
 私は“ 数字人間” で、数字にコミットする経営手法を取っています。「経営者が数字のことを言うのはタブーだ」と言われますが、全ての経営者は数字で動いている。利益を上げねば、世の中のためにならないからです。その数字をつくる過程が理念に基づいているかどうかで企業の価値は変わります。
成長とは、自社をどう高めるかであって、他社との比較ではありません。ライバルを意識し過ぎると、身の丈を超える数字を求めるようになりがちです。背伸びし過ぎれば、社員や取引先にしわ寄せがいってしまいます。

 

若松 髙田社長が築いてこられたビジネスモデルだからこそ実感できる経営観です。私も企業成長は顧客価値の変化への対応と自己変革の先にあると考えています。そして経営理念は、成果(利益)が挙がらないと信じる価値にはなり得ません。企業規模が大きくなるほどミッション(使命)が必要です。髙田社長はどのような会社を目指してこられたのですか。

 

髙田 「求められる会社」です。「こういう会社がある」ではなく、お客さまから「こういう会社は必要だよね」と思われる会社になりたいのです。商品を買ってくださる方だけでなく、子どもやお年寄りの方にも、ジャパネットたかたのことを知っていただけている。そうした存在感を質・量ともに持ち続けられる会社であってほしいですね。

 

若松 これまでに300社以上の企業再建を手掛けてきましたが、会社がつぶれてなくなるのは、社会における存在価値がなくなったからです。「求められる会社」であり続けることは、「100年企業」になる条件であると思います。

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