vol.2 愛がなければ感動は伝わらない
ジャパネットたかた 前代表取締役社長 髙田 明氏
 × タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦

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㈱タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦(わかまつ たかひこ)

株式会社タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦(わかまつ たかひこ)
タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000 社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。関西学院大学大学院(経営学修士)修了。1989 年タナベ経営入社、2009 年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。著書『100 年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか多数。

 

商品には生まれてきたミッションがある。
新たなストーリーをつくることで新たな価値が生まれる。
それを顧客や組織とどう共有するかが重要です。若松 孝彦

 

古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求める

 

若松 これまでのお話を具現化したのがジャパネットたかたなのですね。結局、会社は経営者・リーダーの意志によってつくられます。

 

髙田 社長は目標を掲げて社員に示し、それを遂行する戦略を立てる。しかし、「目標を達成しなさい」ではなく、社員が戦略を実行するよう持っていかねばなりません。だから教育ほど大事なものはないと常に言っています。教育で人は変わりますから。ジャパネットも、もっと学んで成長していけば、さらに素晴らしい会社になると期待しています。

 

若松 長年やってこられた社長業への思いをお聞かせください。

 

髙田 社長業で必要なのは、66 歳の私が語るのも気恥ずかしいのですが、「愛」です。人を愛して感じる心がないと、人を動かすことはできないし、人に感動を伝えられません。
 企業は世の中に奉仕するためにある。奉仕するために利益を出すよう努力するという理念を、社員と共有することも大切です。ジャパネットたかたを評価できるのは、社員がそうした愛や理念を持つ集団になっているところです。

 

若松 「ジャパネットを100年企業にする」と宣言されていますが、後継者や次世代に期待することは何ですか。

 

髙田 私は、2015 年1 月に社長を退任しましたが、あと1年くらいは応援するつもりです。現在はアドバイザーとしてガンガン言いますが、大胆に変えている部分にはタッチしません。普遍的な部分を信じて持ち続けることができれば、他のやり方は変えてもよいと思います。長男の髙田旭人社長の体制下、新たなことに挑戦し、人事制度や労務制度などもより良い方向に変えています。それが世代交代の意義だと考えます。後継者に譲るとは、「任せる」ということです。前社長が「影の社長」になってはいけませんね。

 

若松 ビジネスモデルをつくり上げ、「お客さまを大事にする」「社員を大事にする」という「愛」を、言葉だけでなく実践されてきた重みを感じます。理念を大切にしながら、何を変えて何を残すか。「古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ」(松尾芭蕉)の精神で、次世代の皆さんが今を超えていかなければならないですね。

 

髙田 私がテレビに出なくても成長するなら最高です。

 

若松 確かに、そこに事業承継の本質があります。しかし、出演されないとなると、一視聴者としては寂しい限りです。「髙田社長が選んだモノ(物)語」は、私たち消費者に楽しさと安心を与えていますから。

 

髙田 そう言っていただけて本当にありがたいです。しかし本音は、私が売らなくても成長できる企業になってほしいのです。現社長に引き継いだとき、ホールディングスの社名を「ジャパネット」とし、「たかた」の名前を外したのもそのためです。現在「ジャパネットたかた」の社名は、子会社の各制作部門と商品開発部門が使っているだけで、他は全て「たかた」なしです。

 

若松 会社にとってオーナーは大切ですが、それ以上に「オーナーシップ」が大事です。「自分の会社」と思える社員をどれだけ育てられるかが、特にオーナー企業にとって大切なことだと思います。
本日はお忙しい中、佐世保のスタジオも拝見させていただき、本当にありがとうございました。ますますのご活躍を祈念しています。

 

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