vol.5 「おさな子」の未来を
100年研究し続ける日本一企業
ジャクエツ 徳本 達郎氏 × タナベ経営 若松 孝彦

2 / 4ページ

3_100nenmidashi

2016年3月号

 

ダイレクトマーケティングとオリジナル開発商品でブランド化

 

若松 教材事業は会社の柱事業となりましたね。

 

徳本 第二次ベビーブームもあり、毎年20%ほど売り上げが増加していました。しかし、出生数は1973年の約209万人から減少に転じます。教材事業の成長が鈍化する中、やり方を変えなければならないと考え、消耗品ではなく心に残る教材の開発に注力。高付加価値のオリジナル商品にこだわり始めたのです。

 

若松 マーケットが横ばいになる中、原点である幼児教育の専門性を深掘りされた。深化させる方向に進んでいったのですね。

 

徳本 直販でお客さまとダイレクトにつながっていたことが、こうした方向に進めた最大のポイントだったと思います。

 

若松 脱下請け経営の原理原則は、オリジナル商品開発とダイレクトマーケティングへの取り組みにあります。自立した会社経営を目指す意志が当初から強かったのでしょうね。

 

徳本 当社グループ代表である父・徳本道輝の思い入れが特に強かったですね。中小企業は大手企業の下に入ることが一般的です。しかし、それでは良いものをつくっても、お客さまにどのように届いているのか確認できません。価格決定権がなくなるなどのデメリットもありますが、何よりお客さまとの間に他社が入ってしまうことが問題です。現在も、独立した組織への思いは強いですね。

 

若松 大手企業と契約すれば一時的な売り上げ増加なども期待できますが、それを捨てる勇気を持たれた。決断をされたわけです。ご苦労はあったと思いますが、経営者の強い意志が感じられます。独立した組織を貫くジャクエツのコア・コンピタンスは何でしょうか。

 

徳本 顧客を「就学前の子どもたち」に絞ったことですね。その上で、直販でお客さまとダイレクトにつながること、生産設備を持ち開発を行うモノづくり企業であること、高付加価値のオリジナル商品を提供することにこだわってきました。さらに現在は、園舎などの設計に加え、アフターメンテナンスまでワンストップで対応しています。また、次のテーマになりますが、施設だけでなく、人(運営ノウハウ)や教育を合わせてご提案する。そんな仕事に変わってきています。

 

若松 就学前の子ども、すなわち「おさな子」のためにという理念に沿った、幼稚園の設立に通じる事業ですね。幼稚園に始まり、施設やその中で必要となるものをつくって100年を迎えられている。独自性の高いビジネスモデルであり、使命(ミッション)の裏付けがないと生まれない発想です。現在の事業の構成比はどのようになっていますか。

 

徳本 グループ全体で見ると、約半分を旧来の教材や制服などが占めています。残り半分は、カスタマイズしたロッカーや園舎などの建築・設計や改修、遊具などですね。既製品は半分を切っている状況で、オリジナル商品の割合が増えてきています。(【図表】)

 

1603_100taidan_04

【図表】ジャクエツの事業内容

 

1 2 3 4