vol.6 ブランドを磨き、感動を創造
変化と成長を続ける100年企業
久原本家グループ本社 河邉 哲司氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2016年4月号

 

「アイデアを形に」が変化の原動力

 

 

 

若松 家業を家業のままで終わらせる会社もあれば、久原本家のように家業をどう発展させるかと考える会社もあります。私は拙著『100年経営』(ダイヤモンド社)で、「変化を経営する会社こそが100年企業になる」と提言し、どう変化していくかの大切さを説いています。河邉社長も、自社が成長を続けるためには変化せざるを得ない、という思いが強かったのでしょうか。

 

河邉 私はただ、仕事がすごく好きだったのです(笑)。先ほども言った通り、アイデアを形にすることが楽しくて。もちろん、会社が成長するほど危機感が生まれ、変化せざるを得ない要素も多く出てきました。

 

若松 失敗の経験からもビジネスセンスを磨き、現場で事業戦略のヒントを得てこられたのですね。当時、先代からはどのようなアドバイスがありましたか。

 

河邉 父はよく「将来も続く会社にならなければいけない」と言っていました。入社当時、値が張るコメや酒の小売免許を取得して売っていこうとこっそり計画していた際、父からは「醤油屋もできない人間に何ができるのか」と一喝されました。今なら、父の言葉が正しかったと分かります。一時的に売り上げが上がっても、長く続く会社には決してならなかったでしょう。実はめんたいこ事業も、だし事業も、父のアイデアです。私は父が亡くなって41歳で社長に就任しましたが、非常に良い形で私に承継してくれました。

 

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(株)久原本家グループ本社
代表取締役社長 河邉 哲司(かわべ てつじ)氏
1955年福岡県久山町生まれ。78年、福岡大学商学部貿易学科卒業。同年、家業である醤油製造販売会社に入社。醤油中心の事業から加工調味料へと事業を転換し、精力的な営業活動で業績を伸ばす。以降、「椒房庵」「くばら」をはじめ、素材にこだわった食品ブランドを立ち上げるほか、自然食レストラン「茅乃舎」を運営。「モノ言わぬモノにモノ言わすモノづくり」の信念のもと、創業から120余年を経た久原本家グループの社主として、人の心と手間をかけた“本物”のモノづくりを追求している。

 

 

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