vol.7 創業140周年。最良のユニフォームメーカーを志すファーストコールカンパニー
トンボ 近藤 知之氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2016年5月号

 

 

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東京の駐日英国大使館で「トンボ140th アニバーサリータータン」を発 表(2015年5月15日)。左から、ロキャロン社のチーフデザイナー、ドーン・ロブソン=ベル氏とトンボの近藤氏

 

全事業のナンバーワンブランド戦略を加速

 

若松 創業130周年時(2006年)、社名を「テイコク」から「トンボ」へ変更するという、一大変革をしました。歴史ある企業としてはなかなか決断できないことです。それによって、ブランドに対する考え方も一気に深まったように感じます。

 

近藤 学生服におけるトンボブランドは既に広く認知されていたので、当時の取締役会で社名をトンボにしてもよいだろうという結論に至りました。これにより社会的な知名度アップに成功するとともに、社内でインナーブランディング活動にも注力した結果、飛躍的に業績が向上しました。

 

若松 製品ブランドと企業ブランドの統一により、学生服業界で揺るぎない地位を確立されたわけですね。その技術力とブランド力で、スポーツウエア事業やヘルスケアウエア事業も展開されています。これらの事業はどのような経緯で開始されたのですか。

 

近藤 スポーツウエアを始める転機になったのは1964年の東京オリンピックです。日本選手団がブレザーやジャージを着用したことで、大学生を中心に詰襟学生服からカジュアルな服装へトレンドが一変。当時、岡山県全体で1000万着の出荷があった詰襟学生服が数年のうちに4割まで激減し、転業を図る同業者が続出しました。そうした会社が国産ジーンズを生産し始めたのもこの頃で、当社も時流に乗り遅れてはいけないと、創業100周年の1976年にカジュアルブランドを立ち上げました。そこから派生したスポーツウエア事業が今日まで続いています。

 

若松 東京オリンピックは日本にとって大きな変化。この時代認識からスポーツウエアという事業領域(ドメイン)が加わったわけですから、先の足袋から学生服へという広がりに似ています。学生服ではトップシェアを確保されていますが、スポーツウエア事業はどのような状況ですか。

 

近藤 学校向けスポーツウエアの事業領域では、当社はまだ6、7番手くらいのポジション。これを何とか3位以上に引き上げたいと、さまざまな方策を練っています。

 

若松 全ての事業領域でファーストコールである(顧客から一番に選ばれる)ことが、トンボの戦略テーマでもあります。具体的に、どのような戦術を考えておられるのでしょうか。

 

近藤 「VICTORY」というロゴマークのリニューアル、有名選手を起用したCM展開や大々的な展示会の開催など、近いうちに集中的なプロモーションを行う予定です。2020年には次の東京オリンピック・パラリンピックも開催されますので、スポーツ文化全体の振興を視野に入れた、多角的な取り組みを通じてブランド力の強化を図っていくつもりです。

 

若松 次の東京オリンピック・パラリンピックが新たな事業領域をもたらす可能性は高いでしょう。スポーツ人口の増加や人気の高まりとともに新たな価値が創造されるはずです。そこにフォーカスし、セグメンテーションすることでファーストコールは実現可能ですし、チャンスがあるとも感じます。もう1つの事業の柱である、ヘルスケアウエア事業についてお聞かせください。

 

近藤 ヘルスケアウエアでは、業界先駆のメリットを生かし、介護職員のユニフォームでシェアナンバーワンを確保しています。しかし、後発競合の攻勢が激しくなっているので、勝ち残るために新たな付加価値を模索しているところです。例えば、リネン会社と協力して患者着のICT化を探ったり、理学療法士や薬剤師など職種に特化したウエア開発を進めたりしているほか、料理研究家の栗原はるみさんとタイアップして、ハイセンスかつ機能性に富んだ介護ユニフォームもつくり始めています。

 

若松 ファーストコールカンパニーはセグメンテーション戦略がうまいことが条件。職員のユニフォームという「勝てる土俵」を創出することがセグメンテーション戦略です。他にもペット用介護ウエアという領域の事業を開発されました。

 

近藤 「With」というブランドで、老犬の歩行を補助するハーネス『LaLaWalk』を発売しました。現在は、インターネット通販と動物病院の紹介チャネルを中心にビジネスを行っています。海外展開できる商品として、この分野も研究を深めます。

 

若松 時代の変化を捉え、その変化をチャンスに自らも変化する経営。140年の歴史は、変化の歴史でもあると感じます。140周年を迎えた今だからこそ、そのスピリッツを組織で育ててください。

 

㈱トンボ 代表取締役社長 近藤 知之(こんどう ともゆき)氏

(株)トンボ 代表取締役社長
近藤 知之(こんどう ともゆき)氏
1955年7月岡山県真庭郡勝山町山久世(現真庭市山久世)生まれ。勝山町立城北小学校、同勝山中学校、金光学園高校、80年中央大学文学部卒業。同年テイコク(現トンボ)入社。99年営業統括本部販売統括部長、2001年取締役営業統括第一営業本部長、03年常務取締役、10年専務取締役を経て、12年9月代表取締役社長に就任。

 

 

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