vol.10 多角化と国際化の100年ブランド企業、変化と成長のグローバルビジョンで200年へ挑む
キッコーマン 堀切 功章氏 × タナベ経営 若松 孝彦

2 / 4ページ

1604_100nenmidashi

2016年8月号

 

 

食と健康を事業ドメインに多角化と国際化を強力に推進

 

若松 200年続く会社は、現在、日本に約3100社あるといわれます。企業総数400万社の中の0.08%しか200年企業になれない計算です。100年企業も全体の0.6%しかありません。特に創業60年から70年で、生存率が大幅に低下します。理由は、事業転換ができないからです。

 

一方、キッコーマンの事業領域は、歴史を重ねるにつれて広がっています。どのように事業と向き合っていらっしゃるのですか。

 

堀切 長く会社を続ける秘訣(ひけつ)は「変化」です。時代の変化に合わせ、自社を変えていかねばなりません。当社の場合は、しょうゆを軸にして同心円を描くように事業を広げてきました。多角化です。現在は「食と健康」をドメイン(事業領域)に、多角化とさらなる国際化を推進しています。

 

若松 タナベ経営では「変化を経営する」という言葉を使って、変化をマネジメントできない会社は生き残れないと説いています。キッコーマンの場合、事業領域をどのように変化させるかは、経営者の判断で決めているのでしょうか。

 

堀切 CEOがリーダーシップを取りながら、ボードメンバーの合議制で決めています。どんなに強烈なリーダーシップを持った経営者も、周囲と相談しながら合議制で進めてきました。家憲の中にも「重要なことを判断するときは自分だけで決めてはならない。周りの人とよく相談しなさい」との項があります。

 

若松 コーポレートブランドに関しては「キッコーマンの約束」という表現をされています。私は「ブランドとは顧客との約束」と定義し、「日本企業は100年ブランドを目指そう」と提唱しています。キッコーマンは、まさにこれを実践されています。

 

堀切 ブランドの価値を決め、さらに磨き上げるために何をすべきかを再定義したのが、2008年の新コーポレートブランド導入です。その際に、当社がお客さまへ提供する価値を明文化したキッコーマンの約束「こころをこめたおいしさで、地球を食のよろこびで満たします。」をベースに、コーポレート・マークとコーポレート・スローガン「おいしい記憶をつくりたい。」を作成しました。食と健康が全ての出発点になっています。また、グループの将来ビジョンとして同年に策定したのが、「グローバルビジョン2020」です。

 

 

1 2 3 4