vol.13 イノベーションとコスト・リダクションで継続的成長と高収益体質を実現
カルビー 伊藤 秀二氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2016年12月号

6年間で売上高が1000億円伸長、操業度を上げ効率化を推進

 

若松 新商品や新市場を開発する「イノベーション」に加え、「コスト・リダクション」を改革の柱とされています。業績を拝見すると、2009年度から2015年度の6年間で売上高が1000億円拡大しており、加えて総資産経常利益率は毎期10%以上。これらは強い意志がないと達成できない成果です。

 

コスト・リダクションに取り組む上で、変えた点はありますか。

 

伊藤 今まで国内は、「売れた分だけ作る」という発想でした。食品は鮮度が大切ですから、出来たてを届ける意味で、食品メーカーとして正しい方法です。しかし、生産ラインの操業度は65~70%程度。それをフル稼働することで原価を下げ、「たくさん売る」という考え方に変えたことで業績が向上しました。原価を下げてたくさん売れば利益が出る。その利益をお客さまに還元すると、さらに買っていただけます。

 

若松 カルビーはジャガイモなど原材料の生産から行っていますから、歩留まりが重要です。歩留まりは消化率で決まるため、全部消化し切った方が利益は出るわけですね。

 

伊藤 考え方を変えたことで販路も変わりました。以前はディスカウントストアなどとの取引には消極的でしたが、今は「お客さまがそうした店で買いたいなら積極的に売ろう」と考えています。国内の販売先にも開発余地があったわけです。

 

若松 チャネルが広がったのですね。イノベーションのストーリー力と業績への展開力。その両方に長けていると感じます。

 

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タナベ経営 代表取締役社長
若松 孝彦(わかまつ たかひこ)

タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。
関西学院大学大学院(経営学修士)修了。1989年タナベ経営入社、2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか著書多数。

 

 

 

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