vol.14 センシング技術のファーストコールカンパニー
– 開発力とセグメント力で未見のニッチ市場を開拓 –
オプテックスグループ 小林 徹氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年2月号

 

鳥の目と蟻(あり)の目でニッチトップ企業へ

 

若松 現在は、センシング技術を生かしてセキュリティー、自動ドア、FA(ファクトリーオートメーション)という3本柱を中心に事業を展開されています。タナベ経営では「1T3D戦略」と呼び、1つの技術で3つのドメイン(事業領域)を攻略するナンバーワン戦略として提言しています。

 

小林 ある大学の先生が冗談で「センサーは千差万別」とおっしゃっていた通り、使う人や用途によってセンサーを変えることが重要です。どのセンサーにも一長一短がありますから。

 

若松 センサーの特性と目的を掛け算することでバリエーションが広がっていきます。マーケットを細分化して専門性を高めることで商品のラインアップは広がり、総合力が高まります。私たちも「高度の専門化と高度の総合化」を経営理念に掲げています。本来、専門化と総合化の並列は矛盾するもの。しかし、実際の経営においては、この両方が競争力を高める源泉となります。大変共感します。

 

小林 当社ではこれを「鳥の目と蟻の目」と表現しています。開発においては全体と細部、この2つの視点を持つことが大事です。私は資金も経営資源もない、“無い無い尽くし”から起業しました。トップシェアを取らない限り事業の継続は難しいので、開発する「もの選び」は特に重要でした。商品の種類やお客さまをセグメントした上で、体力に合ったところを狙う方法は今も同じです。

 

若松 シェアの観点は重要です。売上高の大きさは市場規模に比例するため、企業本来の競争力は測れません。経験科学上、中堅企業がシェア20%を超えるとトップ企業に近づくと提唱していますが、オプテックスはシェア30%を目標に置かれています。30%までいくとプライスリーダーになれます。シェアが粗利益を決め、その粗利益を確保する上でも値決めは非常に重要です。実際、オプテックスの粗利益率は50%を超えています。

 

小林 新しいことに挑戦する体力を維持するため、損益分岐点比率70%を基準の1つに置いています。これを意識して、製品の値決めやビジネスモデルの考案を行っています。またトップシェアを取ると、知名度が上がって営業が楽になる。小さくてもいいから、まずはトップシェアを意識したセグメントをつくることが大事だと思います。“千切り経営”と言いますか、物事の原因を細かく突き止めていけば、課題を必ず解決できます。ここは蟻の目でしっかりと見ていくことです。

 

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