vol.14 センシング技術のファーストコールカンパニー
– 開発力とセグメント力で未見のニッチ市場を開拓 –
オプテックスグループ 小林 徹氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年2月号

 

海外売上高比率70%地域特有のニーズに合わせる

 

若松 海外においてもトップシェアを獲得されています。売上高に占める海外比率が約7割に上るなど、名実ともにグローバル企業です。

 

小林 現在は15カ国に営業拠点があり、販売先は約80の国・地域に広がりました。社員の半数は海外の人材です。

 

若松 事業分野も広がり、かつ海外拠点が増えてくると、海外マーケットでの地域密着戦略とグループ全体としての組織戦略のバランスが大きなポイントになりますね。

 

小林 現状は自動ドア、セキュリティー、FAというモノづくりの3本柱と、営業面ではEMEA(欧州、中東、アフリカ)と米国、アジア、日本という地域に分けて統括するマトリクス組織です。2017年1月にホールディングス化しましたので、今後は地域や市場を細分化して専門化する一方、持ち株会社であるオプテックスグループを中心に全体最適を目指していきます。

 

若松 今後は、どのような組織を目指してデザインされていくのですか。

 

小林 4つの事業会社をさらに分社化していきます。例えば、自動ドアとシャッターなど商品をより細かく分けたり、セキュリティーでは原子力発電所のような高性能を求めるハイエンド用と、家庭用に分けたりするなどです。商品によってニーズや販路が全く異なりますから、事業会社として独立させることで特有のニーズに応えられる体制に変えていきます。また、分社化することで事業会社間の融合もしやすくなると期待しています。昨今、あらゆる技術が出てきています。その流れに対応できる組織に変えていかなければいけません。一方、情報システムや資材の共有化、生産体制の一本化など効率化にもグループ全体で取り組んでいきます。

 

若松 マーケットに近い部分は子会社化する一方、バックヤードやインフラ的な部分は持ち株会社がコントロールすることで、より開発に集中していくということですね。

 

その一方で、2015年は英国のガーダソフトビジョンや京都のシーシーエスを子会社化するなど、M&Aにも積極的に取り組んでいらっしゃいます。ただ、これらはもともと別の企業ですから、社風やカルチャーを共有することがなかなか難しい。裏返せば、「そこを押さえると成功する」という意見もあります。

 

グループ全体の規模が大きくなる中、小林イズムといいますか、オプテックスの考え方をどのように共有されているのですか。

 

小林 2016年の夏に一時期中断していたIGBC(インターナショナル・グループ・ビジネス・カンファレンス)を復活させました。国内外のグループ会社の社長や幹部が70人くらい集まって4日間にわたり相互理解を深めるもので、各社が置かれている市場環境や新しい事業開拓について知る良い機会となりました。

 

若松 IGBCは組織横断的な取り組みであり、次世代の経営者育成といった面でも効果が期待できますね。そこでオプテックススピリットの「夢を持て」「創造せよ」「成長せよ」「自己を確立せよ」「外部を活かせ」「ゆとりを持て」の精神を浸透していくのですね。

 

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  • オプテックスグループ 代表取締役会長兼CEO
  • 小林徹(こばやし とおる)氏
  • 家電メーカー・防犯機器メーカー勤務を経て1979年にオプテックスを設立、代表取締役社長に就任。2017年1月より持ち株会社体制へ移行し、オプテックスグループ代表取締役会長兼CEOに就任。1980年に遠赤外線を用いた自動ドア用センサーを世界で初めて開発し、『世の中のお困りごとを解決し、安全・安心・快適な社会づくりを創造』をキーワードに「社会にないものをつくる」「人のやっていないことをやる」ことを実践している。2004年には藍綬褒章を受賞。
  • タナベ経営 代表取締役社長
  • 若松孝彦(わかまつ たかひこ)
  • タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。関西学院大学大学院(経営学修士)修了。1989年タナベ経営入社、2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか著書多数。

 

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