vol.15 子どもが夢中になるリアルな世界「キッザニア」
– 学びと遊びの垣根を越える“エデュテインメント”を開拓 –
KCJ GROUP 住谷 栄之資氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年3月号

 

若松 住谷社長は、際立ったコンセプトを見極める卓越したビジネスセンスをお持ちのようです。キッザニアを日本で始めたきっかけは何だったのでしょうか。

 

住谷 「メキシコにキッザニアという面白い施設がある」と教えてくれたのは、ショッピングセンターの開発などを行う海外の知人でした。話を聞いたとき、これまで手掛けてきた事業とは違うけれども興味が湧きました。素晴らしいビジネスモデルだ、と。同時に、これが日本で受け入れられるかどうか疑問もありましたね。

 

若松 海外のビジネスを日本で展開するのは容易ではありません。日本の文化や時流に合うかの判断には、ビジネスセンスが問われるところです。どのように判断されたのですか。

 

住谷 当時4歳と7歳の孫がおりまして、2人をメキシコのキッザニアに連れて行き、実際に体験する姿を見たり、感想を聞いたりしました。2日間、各日8時間滞在しましたが、子どもたちは飽きていない。飽きないどころか、現地の言葉は分からないはずなのに、周囲の子どもと体験を共有し、楽しんでいるのです。これは、と確信しました。ちょうど適齢期の孫がいたことも運命ですね。孫の年齢が違っていたら結果は異なったかもしれません。

 

若松 直感で判断されたのではなく、キッザニアという未知の施設に対する、お孫さんという「消費者」「顧客」の声を聞いたわけですね。外食産業を展開する判断には、住谷社長自らの消費者としての感性が大切だった。それがキッザニアの場合には真の顧客である子どもの声に耳を傾けた。これは、日本でのキッザニア成功のポイントですね。

 

住谷 大事なのは顧客のハートに響くかどうかです。キッザニアでは、子どもたちは先生や親から離れて職業体験をしますが、実際に作ったり調べたりした成果をその場で発表することもあります。どのように話せば伝わるかも含め、子ども自身が考えなくてはいけないため、度胸も付きます。多くの子どもたちに社会観や職業観を培ってほしいと願っていますので、ここ数年、校外学習などで学校単位での来館が増えているのはうれしいですね。

 

若松 キッザニアの最大の魅力は、スポンサーでもあるパートナー企業の協力を得て、本物さながらの建物やユニフォームを使ったリアルな職業体験。学校の授業などでは再現できない「ライブ感」です。子どもたちの未来を支えているパートナー企業は、どのようなところがあるのですか。

 

住谷 JTB、資生堂ジャパン、NTTドコモ、全日本空輸(ANA)、集英社、大和ハウス工業などさまざまな業界の企業がスポンサーになってくださっています。

 

若松 架空の企業ではなく、実在する企業のパビリオンで体験できるのは大きな魅力ですね。

 

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国内では東京と甲子園の 2カ所に展開するキッザニア。 消防士やケーキ職人など、 さまざまな職業を体験できる

 

 

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