vol.16 創業300年。
近江商人の魂を今に引き継ぎ、
「人格」と「変化」で飛躍し続ける歴史企業
小泉 植本 勇氏 × タナベ経営 若松 孝彦

4 / 4ページ

1604_100nenmidashi

2017年4月号

 

小泉グループの輪を広げて企業力をさらに高めていく

 

若松 300周年という節目を越え、この後400年、500年と続いていくためにどのような経営を目指されているのでしょうか。

 

植本 まず、現在の事業の継続と継承が第一です。これを確実に実現するため、積極的に自社の商品を変え、売り場を変え、売り方を変えていく覚悟です。昨今はインターネットを使ったeコマースが当たり前になり、さまざまな商売に新規参入する企業が増え続けています。eコマースと実店舗を組み合わせるオムニチャネルも急速に進化しているので、どんな業界も構造変化が加速して競争が激化していくことでしょう。そのような状況下で、例えばアパレル事業ならこれまで洋服を中心にしていた商品レンジを、靴やバッグ、アクセサリーを含めたファッション全体に広げていく必要がある。そうなると、既存ではない新しいノウハウをどんどん蓄積して活用する経営が重要と考えます。

 

若松 新しいノウハウはどのような方法で創造していかれるのでしょうか?

 

植本 小泉は2004年以降、オッジ・インターナショナルやコスギ、ギャルソンヌなどアパレル7社とグループ化し、今ではそれらの事業が連結売上高の約半分を占めるまでになっています。そうした実績から見れば、M&Aは1つの有効な方法だと思います。ただ、単なる事業規模の拡大を目的にしたものではなく、戦略パートナーとして向き合います。親会社として振る舞うのではなく、相手の強みを生かす統合と考えているのです。当社と新しく仲間になる企業の関係は、団結を柱にした「求心力」と、新領域への広がりを図る「遠心力」が大事だと考えています。

 

若松 自社グループだけでなく、関わる者全ての満足を目指していく経営ですね。植本会長の言葉からは、まさに近江商人の売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」精神で次代への進化を追求していかれるという、強い意志を感じました。これからさらに100年後、200 年後に向かう小泉グループの動向が楽しみでなりません。本日はどうもありがとうございました。

 

小泉
代表取締役会長 植本 勇氏

1956年小泉入社。1978年取締役就任、1983年小泉アパレル代表取締役社長就任。1986年には中国に進出し、日中合弁会社の第1号となる「湖泉服装有限公司」を設立。1996年には湖南省長沙市長より栄誉市民として表彰された。2001年、小泉代表取締役社長を経て、2006年より現職。2008年には黄綬褒章を受章。2008年大阪商工会議所議員、2015年大阪商工会議所繊維部会部会長などを歴任。

 

タナベ経営
代表取締役社長 若松 孝彦

タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。 関西学院大学大学院 (経営学修士)修了。1989年タナベ経営入社、2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか著書多数。

 

PROFILE

  • 小泉㈱
  • 所在地 : 〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町3-1-8
  • TEL : 06-6223-7800
  • 設立 : 1871年
  • 資本金 : 4億8000万円
  • 売上高 : 530億円(連結、2015年2月期)
  • 従業員数 : 1538名
  • 事業内容 : グループを統括管理する持ち株会社
    http://www.ap.koizumi.co.jp/
1 2 3 4