vol.18 物流価値で小売業の商流を変える流通革命
– 低温食品物流の
 ファーストコールカンパニーへ挑む –
丸和運輸機関 和佐見 勝氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年6月号

 

物流はコストではなく価値。 物流を生命線に、小売業の新たなビジネスモデルを提案する

物流はコストではなく価値。
物流を生命線に、小売業の新たなビジネスモデルを提案する

 

「桃太郎アカデミー」で100人の経営者を育てる

 

若松 低温食品物流というマーケット開拓やアズコムネットの立ち上げによって、業務の幅が大きく広がっています。事業の拡大に合わせた人材育成が欠かせません。どのように社員教育を行われていますか。

 

和佐見 全ての基本は「桃太郎文化」にあります。昔話の桃太郎は、犬と猿と雉という従者を連れて鬼退治に行き、宝物を持ち帰ります。丸和運輸機関にとっての宝物は、お客さまからお預かりした大切な荷物。宝物を運ぶには、「犬=考働力」「猿=知識力」「雉=情報力」が必要不可欠です。この3つを習得するための教育制度を構築しており、100人の桃太郎(経営者)づくりを目指しています。

 

若松 創業者の後の経営は、組織経営でなければいけません。桃太郎(経営者)づくりそのものが、組織経営を目指しているという意味ですね。

 

和佐見 1997年に「丸和ロジスティクス大学」を社内に開校しました。ここでは入社したばかりの新入社員から幹部まで、幅広い階層の人材が階層別・職群別・テーマ別に必要な知識や技術を学ぶカリキュラムを用意しています。また、社内で足りない部分はタナベ経営をはじめとする外部にお願いしています。同業の中には「教育には金がかかる」と言う経営者もいますが、私は人が成長した分だけ企業は成長すると考えています。

 

若松 タナベ経営もご支援をさせていただいた企業内大学(アカデミー)が社員教育の中核にあることを光栄に思います。丸和運輸機関がこれらの社員教育の際に大事にしていることは何ですか。

 

和佐見 物流に関する知識だけでなく、人間力を高める「徳育」に力を入れています。教育の基本は報恩感謝。お客さまに感謝し、仕事を通してお客さまに感動と満足を提供すること。また、お客さまには絶対に「ノー」とは言わず、創業の精神である「何事もやればできる」の精神にならって、お客さまには「やらせてください」と答えるように教えています。

 

若松 タナベ経営が提唱する「ファーストコールカンパニー宣言」の項目の1つに、「顧客価値の追求」があります。これには顧客の声に謙虚に耳を傾けることが必要なのですが、丸和運輸機関はまさに、これを実践されています。その上で、同じ価値観を持って能動的に行動する社員が増えると、企業の成長は加速します。

 

和佐見 お客さまの問題や課題を解決するには、われわれが常に成長していかねばなりません。目の前の仕事をこなすだけでなく、「業界ナンバーワンになるにはどうすればよいか?」という目線で、社会のあらゆる動きを見ることが大事です。一方、企業は社員の成長をきちんと評価することが大事。当社では、賞与や奨励金制度といった経済的メリットと、資格や研修、海外勤務といった成長を促すインセンティブを組み合わせています。働く人が夢を持ち、幸せを感じられる会社にすることが人を成長させる近道。これはタナベ経営に教えていただきました。

 

若松 私は会社の幸せと個人の幸せを限りなく一致させる、と提言してきました。物流はどこまでも人材です。桃太郎(経営者)も育ってきていますから、物流から商流を変える卓越した7PLとアズコムネットのビジネスモデルによって、丸和運輸機関が日本の物流インフラを変える日は遠くないように思います。本日はありがとうございました。

 

 

 

丸和運輸機関 代表取締役社長 和佐見 勝(わさみ まさる)氏
1973年8月丸和運輸機関を設立、代表取締役に就任。青果小売業を経て、トラック1台で運送事業をスタートさせる。1990年代前半に国内でいち早く3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業に参入。以来、小売業に特化した3PL事業で業容を拡大。2014年4月東証2部上場、翌2015年には東証1部に市場変更。

 

タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦(わかまつ・たかひこ)
タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。関西学院大学大学院 (経営学修士)修了。1989年タナベ経営入社、2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか著書多数。

 

PROFILE

  • ㈱丸和運輸機関
  • 所在地 :
    【本社】 〒342-0008 埼玉県吉川市旭7-1 TEL : 048-991-1000(代)
    【本社営業所】 〒342-8505 埼玉県吉川市あさひ桃太郎1-1-1
    【東京本部】 〒100-8235 東京都千代田区 丸の内桃太郎(鉃鋼ビル本館5階)
  • 創業 : 1970年
  • 資本金 : 26億4900万円
  • 売上高 : 671億7900万円(連結、2017年3月期)
  • 従業員数 : 正社員2536名、パート7450名、合計9986名(グループ計)(2016年12月現在)
  • 事業内容 :  サードパーティ・ロジスティクス(3PL)事業(低温食品物流、医薬・医療物流、常温物流)、ロジスティクスコンサルティング事業、運輸事業(一般、特別積合、引越、産業廃棄物の収集運搬 他)、倉庫事業・保管庫の賃貸および管理事業

http://www.momotaro.co.jp/

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