vol.21 自動車部品の100年オンリーワン企業
さらなる持続的成長へ挑む
SPK 轟 富和氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年10月号

 

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考え方次第でマーケットは変わる。

私から見れば、国内はまだまだ宝の山

 

 

 

ピンチはチャンス思い切った改革を進める

 

若松 1995年にジャスダック上場後、2000年に東証2部へ市場変更し、2003年に東証1部に昇格されました。とりわけ19期連続増配(2017年3月期)によってSPKの名前が広く知れ渡りました。轟社長は就任されたのが2007年でしたが、その成果方針を承継されています。

 

轟 上場のメリットはいくつかあります。例えば、お付き合いのなかった海外企業や日本のOEMメーカーなどからの問い合わせが増えていますし、連続増配が注目を集めたことで社員のモチベーションが高まり、新卒採用にも良い影響が出ています。配当については、私が社長に就任してから毎年2円ずつ計画的に上げています。当社の業態は外から分かりづらい部分もありますが、連続増配によって社会的な信用が高まっている。これまでの配当を合わせると約40億円以上に達します。しかし、経営品質が上がるなど金額に換えられない価値を実感しています。

 

若松 連続増配がブランドとなり、社員のロイヤルティーが高まっています。社員の成長という点で見れば、轟社長は就任直後から時代に合わせた社員の処遇・待遇に高い関心を持たれていました。

 

轟 処遇については、首脳陣が率先して改革しました。私が入社した年に役員の退職金制度が廃止されたのをはじめ、役員専用車もありませんし、飛行機もビジネスクラスは原則禁止、接待もほとんどありません。リーマン・ショックの影響も大きかったですが、これをきっかけに時代遅れになっていた習慣を見直す機会にもなりました。社員の処遇を見直したことで離職率も大幅に改善しています。かつては入社から数年以内に辞める社員が少なくありませんでしたが、現在は入社6年以内の離職率は約10%まで下がりました。

 

若松 ピンチはチャンスです。危機に直面したからこそ、必要なものとそうでないものを整理できた。トップの行動を見習って社員にも誠実、情熱、親切が浸透しており、それがSPKのカルチャーとなって競争力を高めているように思います。

 

轟 お客さまからは「SPKの人間は真面目だ」と言っていただけます。人が育ってきたことが、ライバル会社との差別化につながっているのではないでしょうか。前会長の中嶋は、「SPKがつぶれる時は、SPKらしさを失った時だ」と言いましたが、まさにその通りだと感心します。

 

若松 「らしさ」という言葉はよく耳にしますが、ぼんやりしていて空気のように捉えどころがありません。らしさを追求できるのは、振り返る歴史があるからです。100年企業だから語れることであり、重みがあります。