vol.21 自動車部品の100年オンリーワン企業
さらなる持続的成長へ挑む
SPK 轟 富和氏 × タナベ経営 若松 孝彦

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2017年10月号

 

成熟市場はアフター市場を創造できる逆転の戦略

 

若松 戦略ドメインとしている自動車部品は、創業から続く事業です。これを軸に国内外にエリアを広げていらっしゃいます。

 

轟 当社が勝負するのは自動車のアフターマーケットです。主な顧客は地域の自動車部品商であり、国内、海外、工機を3本柱として展開しています。中でも売上高の6割を占める国内市場は、持続的に成長しています。特に商品開発が好調です。国内市場が伸びている要因はいくつかありますが、1つは自動車の耐用年数の延長。従来は9年、10年といわれていましたが、最近は12年超に延びたことで、足回りなど新しい需要が生まれています。また、PM2.5対策用クリーンフィルター、高品質オイル、アイドリングストップ車用バッテリーなど環境に配慮した商品も好調です。

 

若松 常識的には国内自動車需要は減少していますが、その裏返しで耐用年数が延びる。それは同時にアフターパーツの需要が拡大することを意味しています。その需要を先取りして商品開発に努めることで、シェア拡大に成功されています。

 

轟 商品開発はSPKらしさの1つです。リーマン・ショック後、業績もドン底でしたが、原点に立ち戻って、今までにない商品や良い商品の開発に注力してきたことが、ここへきて成長の原動力になっています。なかなか実績に結び付かない時期もありましたが、社員の真剣な姿に当時「絶対に良くなる」という確かな手応えを感じていました。

 

若松 新車販売台数が伸び悩むなど国内需要は低迷しています。そうした中、社員が「SPK としてより高みを目指せる」戦略をどのようにデザインされますか。

 

轟 社員には「マクロは見るな」と言っています。自動車部品・用品の市場規模は約3000億~4000億円といわれていますが、顧客が必要とする商品を開発すればシェアは必ず上がるもの。SPKが取り組むのは、純正品ではなく、優良部品という本当に地味な分野ですが、そこが強みでもある。通常、5年間は純正部品が独占。SPKが得意とするアフターマーケットはそこからスタートします。裏を返せば、5年間かけてとことん良い商品を開発できるということです。また、大手国内メーカーが中心となる普通車は販売台数を減らす一方、軽自動車や外車は伸びています。ここはSPKの得意分野です。

 

若松 国内の新車登録台数の約10%近くが外国車であり、軽自動車も伸びていることを考えるとマーケットは縮小していない。どこで戦うかは非常に大事です。商品開発におけるこだわりのポイントはどこにありますか。

 

轟 何より品質ありきで開発に取り組んできました。新商品開発においては専門家の協力を得て勉強会や品質チェックを行っています。部品に欠陥があれば大事故につながりますから、品質には全面的に責任を持つ姿勢で開発に取り組んでいます。

 

若松 時代の流れを捉えた製品開発によって川上の機能を強化する一方、M&A や海外事務所の設立などチャネル開拓を進めていらっしゃいます。

 

轟 2003年に丸安商会、2014年に谷川油化興業、2016年にNippon Trans Pacific Corp(米国・カリフォルニア州)をSPKグループに迎えました。現在、国内においては全国19の営業拠点を構え、1000社の自動車部品商に供給する体制を整えています。また、海外は80カ国・350社以上へ商品・サービス供給を行っています。これまでシンガポール、マレーシア、タイ、中国、オランダに現地法人がありましたが、さらに2015 年にアラブ首長国連邦のドバイに駐在員事務所を開設。また、同年に米国・ヒューストンに工機の現地法人を立ち上げました。かつて米国からは撤退していますから、25年ぶりの再進出ということになります。ますますグローバル化が進む商売に適応する必要があったわけですが、真の動機は徐々に人材がそろってきたことです。

 

 

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