Vol.27 古郡建設

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2017年12号

 

教える側の学びにも直結

 

古郡アカデミーの講師は社員が担当しており、人間力は丸山氏、専門力は工事長が務める。「教わる側も勉強になりますが、人を引き付ける話し方や分かりやすく伝える工夫など、教える側の研鑽にもなっています」と丸山氏。教える側の学びに直結するため、今後はより多くの社員に講師を務めてもらうという。

 

スキルや知識の強化に加え、会社のDNAを伝える機会としてもアカデミーは有効だ。例えば初回講義では、社歴の長い吉野専務が現場について語り、受講者から好評を博した。11月からは古郡一成会長が同社の歴史を語る授業を行い、若い世代へ古郡建設のDNAを引き継いでいる。

 

新入社員の現場研修、2~4年目の古郡アカデミーに続き、2018年4月からは中堅社員向けのアカデミークラスもスタートさせる。11月からは外部の講師を招き、管理職向けの研修も開催。各階層の教育を手厚くし、全社員の能力を高めていくという。

 

人材育成に力を入れる理由について、丸山氏は「東京オリンピック関連工事の影響で今は追い風が吹いていますが、必ず向かい風の時代が来ます。その時、無事に乗り越えて勝ち残っていくためにも、若い人材を育てておくことが必須」と語る。今のうちの若手育成が将来の競争力となり、他社との差別化や自社の強みにつながっていくのだ。

 

丸山氏は未来を担う若手社員たちに「本当の意味で“家族”になりたいし、一人前になって、会社を背負って立つ人になってほしい」とエールを送る。

 

同社のクレドには「家族思考」という言葉があり、次のような説明がある。「私たちは、社員のみならずその家族も含めて一つの大家族です。(中略)家族だから信頼し、良いことも悪いことも何でも話し合います。(中略)家族だからみんなが幸せになる努力をします」

 

何でも話せて互いに成長し合える、家族のような強い絆で結ばれた古郡建設の社員たち。各々が人間力を高め、高い専門性を発揮することで、今後も同社は躍進し続けるに違いない。

 

PROFILE

  • 古郡建設㈱
  • 所在地 :〒366-0026 埼玉県深谷市稲荷町2-10-6
  • TEL : 048-573-3111(代)
  • 創業: 1914年
  • 資本金 : 3億円
  • 売上高 : 91億円(2017年3月期)
  • 従業員数 : 111名(2017年10月現在)
  • 事業内容 :
    ①総合建設業(土木工事・建築工事・舗装工事・設備工事)
    ②住宅・リフォーム・リニューアル・建築事業
    ③建設と不動産のトータル・プランニングおよびコンサルティング
    ④ホテル事業
    ⑤上記の事項に付帯する事業
    http://www.furugori.co.jp/

 

 タナベ コンサルタントEYE  
日本商工会議所の調べ※1によると、「人手不足の影響が出ている」と答えた企業のうち、建設業(81.8%)が最多だった。また、2018年3月卒予定の大学生求人倍率は建設業で9.41倍※2と、10倍に迫る勢いである。
人手不足が深刻な建設業界。しかも高い専門性が求められるため、人が育つには多くの時間と投資を要する。
それだけに、人材育成の成功は大きな差別化要因となり、競争優位をもたらす。タナベのコンサルティング事例を見ても、成功企業の共通点は、人を育てるという信念―人こそ財産で、会社の繁栄を築く競争力になるという、強い思いにある。
まさに、古郡社長、丸山取締役をはじめとする経営陣による育成へのコミットと、人材育成に時間と投資を惜しまない古郡建設の取り組みは、その理想的な事例といえるだろう。
※1 「商工会議所LOBO(早期景気観測)2017年7月調査結果」
※2 リクルートワークス研究所「ワークス大卒求人倍率調査(2018年卒)」

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コンサルティング戦略本部 部長 戦略コンサルタント 山村 隆

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