Vol.7 五洋医療器

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2016年4月号

 

地域医療に貢献できる「考える集団」をつくりたい

 

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五洋医療器 代表取締役社長 小坂 正記 氏

 

 

 

3つの事業をリンクさせ地域の健康向上を目指す

 

五洋医療器は1979 年の設立以来、広島県福山市を中心に、地域医療の向上実現に邁進(まいしん)する「医療機器の総合商社」だ。事業の2 本柱は医療機器販売と調剤薬局。加えて、2015 年には介護用品レンタルを新事業として立ち上げ、医療と介護をリンクさせたシームレスなサービスの提供に取り組んでいる。

 

業界では事業を個別に展開する企業が多い中、同社は医療機器販売と調剤薬局と介護用品レンタルを相互にリンクさせて強みを生み出そうとしている。超高齢社会の到来とともに医療を取り巻く環境が大きく変化し、顧客のニーズも変わってきているからだ。

 

代表取締役社長の小坂正記氏は、「医療と介護の垣根がなくなりつつあります。これまで培ってきた医療機器販売と調剤薬局のノウハウに介護用品のレンタル事業をリンクさせ、総合的に地域の健康の維持・向上に寄与したいと考えています」と語る。

 

 


 

社長就任で人材育成の必要性を痛感

 

創業社長が会長に退き、小坂氏が社長に就任したのは2013年のこと。当時の小坂氏は、社内体制の整備と人材育成の必要性を感じた。多くの企業と同様、五洋医療器も創業社長のカリスマ性が成長を推進してきたが、今後はチームで事業を運営していくことが不可欠だと考えたのである。

 

「さらなる成長に向け、私と志を同じくする人材の育成が必要だと思いました」(小坂氏)

 

ちょうどそのころ、タナベ経営の提案を聞く機会があり、次世代の幹部や自分のブレーンとなる人材の育成が急務であることを確信したという。

 

そこで、まず小坂氏自身が力を付けるため、タナベ経営の「後継経営者スクール」に参加。「8カ月間のカリキュラムは、宿題も多くて大変でしたが、学ぶことが多かった。苦手な分野もはっきりしました。特に財務面です(苦笑)」と当時を振り返る。

 

他社の人事考課制度を知ることができるのも大きなメリットだった。「(共に学ぶ)他社の後継者の考え方や計画、発表を聞くのは初めての経験。社長としての心構えが変わりました」と小坂氏。同期の受講者とは今も付き合いが続いており、同じ志を持つ人との交流は財産になったと強調する。

 

 


 

研修はビフォー・アフターが肝心

 

その後、社員をタナベ経営の「幹部候補生スクール」や「中堅リーダー革新セミナー」に参加させたほか、ジュニアボードの取り組みも行った。しかし、小坂氏が目指す人材育成の取り組みに対し、社員が反発するケースがみられたという。

 

教育に当たっては、あらかじめ目的を明確にし、学んだことをどう生かすのかを示さなければ、社員はただ「負担が増えた」としか考えない。「コンサルタントに任せれば、社員を育成してもらえるのだと思っていました。でも、そんな姿勢ではダメだと気付いたのです」と小坂氏は言う。学ぶ意義を諦めずに伝え続けたかいもあり、「近ごろは『参加して良かった』との意見もよく聞くようになりました」と、社員の意識が変わってきたことを実感している。

 

「当社はずっとトップダウンでやってきましたが、これからは『社員が自ら考える集団』になってほしい。セミナーなどに参加する人材も、社長が選ぶだけでなく、チームリーダーに推薦させるようにしています」(小坂氏)

 

今後については、「医療・介護はまだまだ伸びる分野です。地域に貢献し、社員にも幸せになってもらえる会社になりたい。そして、モノではなくコトが売れる人材を育成したい。研修やセミナーがそのきっかけになれば価値があります」との考えを示す。さらに、「厳しいながらも楽しい会社にしたい。社員の子どもたちから、『お父さん・お母さんの会社で働きたい』と言われるような会社を目指したいですね」と展望を語る。

 

誰もが元気で幸せに暮らせる地域社会の実現を目指す―。同社の「考える集団」づくりに向けた取り組みは、これからも続く。

 

 

 

 

PROFILE

  • 五洋医療器株式会社
  • 所在地: 〒721-0961 広島県福山市明神町2-2-30
  • T E L: 084-926-5050
  • 設立: 1979年
  • 資本金: 1000万円名
  • 売上高: 55億円
  • 従業員数: 87名
    http://www.goyoh-medical.jp/

 

 タナベ コンサルタントEYE  

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医療業界の業界構造が大きく変わる中、企業・組織・人はどう変化すべきかというテーマに真正面から向き合っている五洋医療器。同社はタナベ経営が提唱する「企業は環境適応業」を体現している。小坂氏は環境変化に対応するための「人づくり」にさまざまなアプローチを試み、壁にぶつかりながらも前に進むことを諦めない。その姿勢が確実に社員へと伝わり始めている。今後も小坂氏の「思い」や「志」に共感する社員が増え、強い企業へと成長していくことだろう。