Vol.11 栗林石油

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2016年8月号

 

「クオリティーNo.1」を掲げ
人間性を磨く人材育成に打ち込む

 

栗林石油 代表取締役社長 栗林 昌弘 氏

 

経営方針を大転換し増販増益を実現する

 

少子化やハイブリッド車の増加などから、石油・ガソリンの小売市場は縮小傾向にある。そうした中、8年にわたって「増販増益」を続けている栗林石油(北海道札幌市)は稀有(けう)な存在だ。

 

同社の事業の大きな柱は、北海道内に19のサービスステーション(以降、SS)を展開するSS事業と、一般家庭への灯油の配達、法人向けに重・軽油、潤滑油などを提供する販売事業である。この2つの柱を中心に、業績を伸ばしている。

 

しかし、現在に至るまで同社の経営は順風満帆だったわけではない。代表取締役社長の栗林昌弘氏はこう振り返る。

 

「社長に就任した2005年は、借入金が膨らみ苦しい経営状況でした。こうした状況を招いた原因は売掛金の長い回収サイト。そこで、回収サイトを短くして財務の健全化を図ることにしました。新しい回収サイトで入金ができないお客さまとは取引をやめて、新規のお客さまを創造していく方針に切り替えました」

 

スローガンを打ち出しサービス強化に取り組む

 

栗林氏は新規顧客開拓という方針とともにスローガンも打ち出した。それが「クオリティーNo.1を目指して」である。石油やガソリンを販売する企業ではなく、品質の高いサービスを提供する企業であることを社内に周知するためのスローガンであり、接客力強化をうたったものだ。

 

しかし、スローガンを掲げただけでは、その戦略を従業員が理解できない。そこで栗林氏は率先してSSに出向いて、洗車や窓拭きを行った。今でもSSのリニューアルオープンの際には、自らカエルの着ぐるみを着て来店客を出迎えているという。

 

「正直、驚きました。社長がそこまでするのかと(笑)。でも、その時から社内の空気は一変しました。顧客に喜んでいただける接客を指すクオリティーNo.1を、社長がいかに本気で目指しているか、アルバイトを含めた従業員が肌で感じたのです」

 

そう述懐するのは取締役SS統括本部長の赤塚篤志氏である。その頃から、全国でクオリティーNo.1になるため何をすべきかを、従業員一人一人が考えながら仕事に臨むようになったという。そうした変化に伴い、業績も改善していった。

 

栗林石油 常務取締役 営業統括本部長 高橋 一博 氏

栗林石油 常務取締役 営業統括本部長
高橋 一博 氏

 

 

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