Vol.21 大石膏盛堂

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2017年6月号

 

自発的に始まったVM活動現場の意識が大きく向上

 

同社の経営方針や行動方針には“若い心”という文字が躍る。だが、経営陣は伊藤氏を除いて全員が60歳以上。組織の高齢化が目下の大きな課題になっている。

 

「これからの100年、世界進出のためには、思い切って行動できる若い力が必要」(伊藤氏)と考え、この10年は人材育成に取り組んできた。管理職を対象にタナベ経営の「幹部候補生スクール」などのセミナーを活用し、徐々に意識改革を進めている。ただ、部門の所属長クラスで完結し、意識改革がなかなか一般従業員まで浸透しない傾向にあったという。製造現場の従業員は約260名に上る。「現状や課題、問題意識が全員に浸透してこそ、次のステップに進めるんです」(伊藤氏)

 

そこで業務改善スクールも併用しつつ、改善意識を現場の隅々まで浸透させるシステム作りに着手した。月に1度開催する部門会議で出た議題を、所属長が各課リーダーの前で発表。それを受けてリーダー同士がディスカッションし、内容を各工程に落とし込む体制を整えた。

 

「会議では『できない』で止まっていた意見が、『どうしたらできるようになるか』という前向きな発言へどんどん変化していきました」(伊藤氏)。リーダーの意識の変化は、自発的なVM(ビジュアル・マネジメント)ボードの作成から始まり、活動と毎月のVM会議に社長も参加している。さらに月ごとの結果報告と翌月に向けての方向性・軌道修正をそれぞれに周知徹底し、社員の参画意識とポテンシャルが引き出され、最近は楽しんで仕事ができる環境になりつつあることが大きな喜びという。

 

実際、この数年で製造現場の直行率※3も向上し、毎年売り上げが5、6%増を継続するなど、VM活動の成果が貸借対照表や損益計算書上に数字として明確に表れ、全体に結果を伝えることができている。10年にわたるセミナー継続受講の蓄積が見事に花開くこととなった。

 

伊藤氏はセミナーの有効性について「宿題があること」とも語る。問題点を再認識し、復習によってさらに現状を見直すことで、具体的な課題を現場に提示できるからだ。

 

※ 3 工程内・出荷前検査で一発合格した良品の割合

 

 

この10年、タナベ経営のセミナーなどを活用し、徐々に意識改革を進めた

この10年、タナベ経営のセミナーなどを活用し、徐々に意識改革を進めた

 

 

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