vol.19 JTBコーポレートセールス × タナベ経営 SPコンサルティング本部

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2017年4月号

 

約3万人の会員に体験プログラムを告知

 

旅いくの公式サイトを立ち上げ、その理念や体験プログラムを紹介し、広く告知することから同事業はスタートした。子どもの成長に関心の高い父親や母親が旅いくの無料会員になり、公式サイトなどで紹介されたプログラムから興味のあるものを探すスタイルだ。その後、同サイトで予約し、親子で体験プログラムに参加するという流れになる。

 

ホームページや自社媒体、SNSなどを活用した地道な告知活動により、旅いくの無料会員は着実に増え続け、現在は約3万人に達している。

 

体験型の旅行に参加すると、当然ながら旅行代金が発生する。しかし、1人数千円のツアーが大部分で、手数料は「売り上げの数%」と微々たるもの。同事業の収益の大部分は、体験プログラムでコラボレーションする企業や地域行政からの業務委託料である。

 

「旅いくの最大の売りは体験プログラムの中身。体験そのものが商品ですから、大学の先生と共同でプログラムを開発して子どもたちに与える効果も検証しています。楽しく過ごしながら『ため』になるプログラムを作る。それが旅いくの商品価値です」(大竹氏)

 

 

企業や自治体にとって魅力を発信する好機に

 

企業や地方自治体は、旅いくの体験プログラムを利用することで、自社や地域の魅力を旅行や体験に参加した子どもたちや保護者に伝えることができる。企業の場合は自社の社会・地域に対する取り組みや商品、産業などを知ってもらうのが目的。同様に地方自治体は、地域の魅力を伝えることで地域活性化を図る狙いがある。しかも、旅いくが開発した体験プログラムは地域住民が運営でき、独自のソフトコンテンツとして継続できる。

 

オリジナルプログラムの内容や「体験レポート」は、旅いくのホームページで取り上げている。体験プログラムの参加者のみならず、多くの会員が記事を見ることで企業の取り組みや地域の魅力を知る機会になるのだ。

 

「旅いくの会員は約3万人ですから、PV(ページビュー)に換算するとそう高い数字ではありません。しかし、旅いくの特徴は認知以上に、深いコミュニケーションが図れることにあります。『広く』よりも『深く』伝えることができるわけです。しかも会員は、旅による体験プログラムに興味のある方々ですから、リーチしやすいといえます。

また、旅いくで開発する異業種とのコラボ商品は話題になることが多く、マスコミなどメディアに取り上げられることも多いので、パブリシティー面でもメリットがあります」(大竹氏)

 

 

“そこでしかできない体験”が人気

 

企業はどのように旅いくを活用しているのだろうか。

 

例えば、ある総合化学メーカーの場合、自然体験キャンププログラムとして、自然観察や簡単なロケット作りを通じ、子どもたちへ理科に興味を持ってもらう機会を設けている。昨今は子どもの理科離れが進んでいるが、プログラムで多くの子どもに理科に関心を持ってもらうことで、将来の従業員獲得につなげたい狙いもある。

 

その他、時計やかばん作りに挑戦したり、電車の車掌を体験するなど、ものづくりや仕事に直結した体験プログラムもある。

 

「人気があるのは希少性のある体験プログラムです。特にその地域や場所に行かないと体験できないことは総じて人気があります。それから体験プログラムの分かりやすさも大切。『石焼パンを作ろう』『腕時計を作ろう』など、分かりやすいタイトルのプログラムには多くの方が参加されています」(大竹氏)

 

旅いくでは、これまで500種類以上の商品を開発してきた。こうした数多くの体験プログラムは学校や企業にも注目されている。特に職人体験プログラムは職業観を養えるため、中学・高校のキャリア教育にも利用され、教育旅行として導入されるケースが増加しているという。

 

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体験プログラムの様子。そこでしかできない体験は人気が高い

 

 

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