vol.24 Peach × タナベ経営 SPコンサルティング本部

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2017年9月号

 

世界初の“段ボール”製自動チェックイン機を開発

 

コストマネジメントの最たる例が、関空内にある同社の自動チェックイン機「KIOSK」だろう。これは液晶モニターを大型化した一方、筐体の素材を簡素化することで、顧客の利便性向上と製造コストの抑制を両立させている。

 

具体的には、液晶モニターの表示画面を32インチに拡大させた。従来機(15インチ)に比べ表示できる情報量は約2倍となった。さらに画面が大きくなったことで、後列の人に「チェックイン受付中」や「旅程表とパスポートをご用意ください」などの案内を提示し、待つ間に準備を促す。これにより空港到着からチェックイン完了までの時間圧縮を図る。

 

ただ、従来の仕様で表示画面を拡大すると、多額の製造コストがかかる。そこで同社はコストを抑えるため、顧客の利便性と関係がない筐体の素材に、世界で初めて段ボールとスポンジを採用。同サイズ機種の製造コストの約5 分の1 に抑えることに成功した。外装の段ボールは取り外しができ、広告媒体としての活用も可能という。

 

また電車と同じく、自由席(通常運賃)と指定席(割増運賃)を備えた座席や、運賃が一律ではない空席連動型の割引運賃システム、さらには機内食の有料化などによって手頃な価格設定を実現、「気軽な旅」を提供している。

 

自社開発のチェックイン機「KIOSK」

自社開発のチェックイン機「KIOSK」

 

 

ターゲットは女性客新たなライフスタイルが定着

 

大手航空会社の場合、航空券単価が高く、出張などで飛行機の利用機会も多いビジネス客をメインターゲットとしている。だがPeachは、そうした層をあえて狙わず、これまで飛行機とあまりなじみのなかった若い女性層にターゲットを絞った。「Peach」というブランド名称もフーシアピンクの機体も、女性にアピールするための材料である。


そうして若い女性層を中心にブランディングを進めた結果、現在は20代~ 30代の女性客が搭乗客全体の3 割近くを占めるまでになっている。

 

若い女性層をターゲットに設定しているため、ビジネス用途ではなく「レジャー用途」を想定して利用シーンを提案している。例えば、仕事終わりに気軽に海外旅行へ出かけたり、食事や買い物を楽しむために国内の遠隔地へ飛ぶ、といった具合だ。「当社では『もっと旅を日常に』をテーマに掲げており、旅のきっかけを提供していきたいという思いがあります」と、同社広報グループの中野知子氏は話す。

 

Peachの興味深い点は、乗客自身が新しい飛行機の使い方を発見し、利用していることだ。

 

「20代の女性グループが浴衣姿で搭乗され、福岡の花火大会の見物に行ったり、台湾のお客さまが沖縄の美容室に髪を切りに行ったりなど、お客さまが主体となり、Peachの気軽な使い方を編み出している。『女性のための航空会社』といえるのは、Peachだけではないでしょうか」(中野氏)

 

Peach Aviation株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ 射手矢 和晃氏

Peach Aviation株式会社
コーポレートコミュニケーション部
広報グループ 射手矢 和晃氏

 

 

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