vol.25 日本石材センター × タナベ経営 SPコンサルティング本部

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2017年10月号

 

国産墓石の魅力を発信
サプライチェーン全体のブランド化へ
日本石材センター × タナベ経営 SPコンサルティング本部

 

国内の人口減少、墓離れや墓じまいの風潮、海外品流入や異業種の参入など、逆風が吹き込む墓石業界。
そうした中、消費者への国産墓石の情報発信、お墓文化の継承を訴える“墓育活動”を進め、サプライチェーン全体のブランド化を目指す日本石材センターの取り組みを追った。

 

国産墓石に特化したショールーム(上) 社内憲章では、非同族経営、利他の精神などを掲げている(左) ※ 社内憲章はホームページで確認可能

 

非同族による“ガラス張り経営”を徹底

 

日本石材センターは、墓石や建築・土木・造園などの石材製品を扱う石材専門商社だ。東大阪市に本社を置く同社は1966年に創業し、現在国内13カ所、中国3カ所に営業拠点を構える。卸売先は国内石材店をはじめ、建築会社やデザイン事務所など多岐にわたる。

 

41億円(平成29年3月期)の売り上げを誇る同社は、墓石卸売業界でトップクラスの企業として知られる。しかし、規模以上に同社の強みとなっているのが、非同族による徹底した「ガラス張り経営」や「人材力」である。それらは、創業者(現名誉会長)の明石恒重氏がまとめ上げた「社内憲章」によって規定されている。

 

社内憲章には「社長と役員は2年に一度、社員による投票で決める」「社長と役員は自社株保有禁止」「血縁者はすべて採用禁止」と明記され、経営陣による公私混同や会社の私物化を許さない。さらに「社長と会長の給料は取締役会で決める」「社員の給料・ボーナスは社員が決める」「査定には全社員が参加し、部下も上司や先輩を評価する」「社長・会長以下全員の給料を公表する」など、徹底したガラス張り経営を貫く。

 

創業時から非同族経営を貫く企業は珍しい。これは創業者である明石氏の「私利私欲の感情に基づく世襲が組織を狂わせる」「会社は社員のためにある。社長や役員も社員と苦楽を共にし、利益を公平に分配すべき」という信念に基づく。

 

また、社内憲章では「あらゆる経験をさせる意味で、各人の適性判断による海外出張を奨励」と規定。同社では海外出張の必要性や採算性を、社員個人で判断して行動しているのだ。

 

世界の製造現場視察などの経験を積んだ営業担当者の知識レベルは、他社よりも圧倒的に高い。そうした営業体制を「個人商店の集まり」と例えるのは、代表取締役社長の藤井雅文氏。社員を信頼し、裁量を与え、自主的な行動を促すことで、強力な「個」の集まりとなる。こうした「人材」こそ同社の何よりの強みであり、競争力の源になっている。

 

 

 

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