vol.26 シグマ × タナベ経営 SPコンサルティング本部

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2017年11月号

 

新たなブランディング戦略で
ユーザーとの信頼を築く
シグマ × タナベ経営 SPコンサルティング本部

 

国内一貫生産にこだわり、世界屈指のレンズを作るシグマ。
同社は従来の企業・製品イメージを一新したブランディング戦略によって、ユーザーの絶大な信頼を獲得した。
新たな企業イメージを打ち出した同社のブランディング戦略に迫る。

 

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ブランディング戦略を一新
ユーザーの“選びやすさ”を重視

 

自動車と並びモノづくり大国・日本の象徴ともいえる精密機械。中でも、メード・イン・ジャパンのカメラは世界のエンドユーザーから羨望のまなざしで見られる製品である。

 

そんなカメラ業界において、独自の立ち位置で自社製品を提供してきたのが1961年創業のシグマである。同社は交換レンズメーカーとして、ニコンやキヤノンをはじめとした一眼レフカメラに利用できるレンズを開発・製造・販売してきた。

 

主に本社(神奈川県川崎市)で開発し、福島県磐梯町の会津工場で一貫生産体制を構築。設立間もない時期から、国内のみならず海外も含め幅広いマーケットに多数の製品を提供してきたグローバル企業でもある。その後、ストロボなどのアクセサリー機器も開発。デジタルカメラの開発も早い時期から行っており、2008年には米国・シリコンバレーのイメージセンサーメーカーを傘下に収め、自社でセンサーから開発するなど事業領域を広げてきた。

 

ところで、カメラ業界ではデジタルカメラの誕生以来、レンズに対する要求も厳しくなったという。カメラ本体の画像処理能力が高くなり、レンズもより精細に被写体を捉える性能が必要になったためである。もちろん、シグマでも技術を駆使してレンズ性能の向上に努めてきた。近年、製品の性能は大きく向上したが、市場からのブランドに対する評価まで変えるには至っていないという悩みを抱えていた。

 

そんなシグマが転換期を迎えたのは2012年だった。同社では製品ラインアップの分類方法を見直すとともに、ブランディングを一新したのだった。

 

「当社のレンズは性能が著しく向上したにもかかわらず、ニコンやキヤノンなどの有名ブランドと比べると、格下に見られていました。そこで従来の上位モデル、中位モデルといった性能品質による分類をやめ、撮影用途・特性に応じたカテゴリーに分類し、エンドユーザーがレンズを選びやすいようにしました。

 

さらに、製品作りに対する当社の姿勢などをウェブサイトやパンフレットなどで発信するなど、モノづくりに対する姿勢を前面に打ち出したブランディングを展開しました」

 

そう説明するのは、シグマのマーケティング部部長の新妻隆士氏。それは「Art」(アート)、「Contemporary」(コンテンポラリー)、「Sports」(スポーツ)の3つのコンセプトにレンズを分類し、シグマの企業・製品イメージの一新を図ったブランディングだった。

 

 

 

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