Vol.4 住まいと暮らし・建設ソリューション編
JM (Japan Management) × タナベ経営

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ブランド企業のノウハウ、独自のIT、職人育成を柱にした地方創生

 

中村 タナベ経営では「経営者こそ地方創生の主人公だ」と発信しています。地方創生に対するお考えを聞かせてください。

 

大竹 全国に施設を数千以上保有するナショナルブランドは、15年くらい先のビジネスシーンを予測して出店に踏み切ります。そのノウハウを地方へ伝授したいと考えています。全国各地で勉強会を開催すると、ナショナルブランドが持っている力に驚き、コラボレーションすることで地域を活性化しようと真剣に取り組む地方自治体や商工会議所が出てきました。その応援のために、当社はMatabee-3D のようなIT ツールを提供。住民が共有し、街の活性化につなげるインフラシステムとして活用してほしいと考えます。

 

さらに、職人の需要増を見込んで、雇用期間が5 年に延長される外国人労働者の受け入れを地方自治体に提案。地方企業へグローバルな人材を送り込み、技能や知識を習得して地元の建設業で腕を磨いた後、自国へ戻って発展に貢献してもらいたい。これによって、マイノリティーの人々が表舞台に立って活躍する一助になれば幸いです。

 

山本 「官」-「民」ではなく、「民」-「民」の連携で行政に働き掛けることが大切だと思います。JMのような志を持つ「民」の参入が、地方の活性化を加速させることは間違いありません。

 

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JM 執行役員・企画室長 中屋 建二 氏
2001 年、前田建設工業リテール事業部(JM の前身)に入社し、コンビニエンスストアの建物 診断業務に従事。2007 年JM設立時に移籍。 2011 年には東日本大震災で現場対応に従事。 その経験を生かし、顧客の課題を元にJM ビジ ネスモデルを展開。現在は本社企画室にて新 規法人プロジェクトなどを手掛ける。

 

講義やイベントで建設業の魅力をアピール

 

中村 建設技能者は20年前から100万人以上減少。さらに55歳以上が占める割合は4割近くで、建設業は職人不足と高齢化に直面しています。この危機的状況に対するお考えを聞かせてください。

 

大竹 建設技能者は1990年代から減少の一途をたどっています。今でも3K(きつい、汚い、危険)のイメージが強く、工業高校の生徒も入ってきてくれません。そこで、建設業振興基金と一緒に「高校生に建設業の素晴らしさを教える」講座を2014年に始めました。当社の講義は高校生から評価が高く、2016年にも実施予定です。

 

中屋 私が講師を務め、JMからサテライト長、クラフトマン、サービスセンター長の3名が、自分の体験をもとに「どんな仕事も辛いことは多いけど、建設業は変わってきており、その先に面白いこともあるよ」と伝えています。フランチャイズオーナーであるサテライト長が、若い頃はやんちゃだったけど、建設業で頑張って経営者になり、事業を広げているといった実例を紹介すると、興味深く耳を傾けてくれます。

 

山本 地元のフランチャイズ建設会社の採用支援につながるのでしょうか?

 

大竹 それとは無関係です。講義では、従来の職人の仕事ではなく、保守管理技師という仕事を紹介します。iPhoneやインテリジェント・ヘルメット(※1)、ウエアラブルセンサーなどを身に付け、3次元ソフトなどを駆使して作業を行う“これからの職人の姿”を見せています。また、資格のことも話します。「一級建築士などの日本の資格は、他国との相互認証ができていないため、グローバルなライセンスとはいえない。一方、日本流の大工の技能を身に付けた外国人が世界中に散らばると、日本の建築大工技能士のような資格をグローバルスタンダードにすることができるかもしれない。すると、世界規模で労働力を蓄えておくことができる。これが理想です」と。

 

また、職人の技能向上を目的に、「職人甲子園」を開催しています。テーマは心・技・体で、全国のFCから選抜された職人が集まって多彩な技を競います。優勝賞金は100万円です。

 

※1 GPS 機能やナビゲーションのシールド投影機能などを備えたヘルメット

 

中村 「社会課題解決時代の到来」。これが、現時点の住宅・建設業のキーワードの一つだと思います。今後の展望を聞かせてください。

 

大竹 近未来の戦略は、お客さまが自分で点検・調査し、設計・見積もりができる環境を整備することです。インテリジェント・ヘルメットは実用化され、自動設計も急速な進化を遂げています。たとえ使い方が分からなくても、マニュアルが提示され、チェック機能も付いているので心配ありません。当社のようにビッグデータ、ビッグナレッジを持っていれば、すぐに活用することができ、業務の仕方は劇的に変わるでしょう。お客さま自身でプラン作成や見積もりができると、職人はそのデータを分析してから現場に向かうことができ、業務の効率が飛躍的に向上します。

 

もう一つは『Matabee-3Dm』(※2)で地域の活性化を支援すること。自分たちの街を自分たちで見守るためのデータベースを構築できるツールを全国の提携先へ提供していきます。

 

※2 車による写真計測技術を利用して、都市道路を基軸とした3次元都市モデルを精密・短時間に提供するサービス

 

中村 「ポスト2020」を見据え、建設業は今のうちに変わる必要があると考えています。新たなコンストラクションカンパニーの先導モデルを築いてください。本日はありがとうございました。

 

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タナベ経営
  コンサルティング戦略本部 副本部長  山本 剛史
企業の潜在能力を引き出すことを得意とする経営 コンサルタント。事業戦略を業種・業態ではなく 事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客 を再設定して事業モデル革新を行うことを得意と する。現場分散型の住宅・建築・物流事業や、 多店舗展開型の小売・外食事業などで生産性 を改善する実績を挙げている。神戸大学大学 院卒。

 

 


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社員がデザインを担当した JM のマスコットキャラ「じぇいえもん」

 

●キャッチフレーズ「人に寄り添い、皆でハッピーに」

 

PROFILE

  • (株)JM(Japan Management)
  • 所在地: 〒102-0084 東京都千代田区二番町三番地 麹町スクエア5F
  • T E L: 03-5275-7048(代)
  • 設立: 2002 年
  • 資本金: 3 億5000 万円
  • 売上高: 236 億4000 万円(2015 年3 月期)
  • 社員数: 293 名(派遣・出向など含む、2015 年3 月31 日現在)
  • 事業内容: 建築・土木工事の請負、企画、測量、設計、施工、監理、マネジメントおよびコンサルティング/建物・設備の巡回点検、診断および補修/建物・設備・什器備品その他施設全般の維持管理およびコンサルティングほか
    http://www.matabee.com/

 

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