Vol.6 住まいと暮らし編
フィット × タナベ経営

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2016年3月号

 

ローコスト経営で経常利益率10%超

 

中村 独自化の時代。だからこそ、住まいビジネスは「個別対応の標準化」、いわゆるマス・カスタマイズ経営が求められると考えています。重視する生産性指標はありますか?

 

鈴江 最終の経常利益率10%を最低ラインとして目指しています。1人当たりの給与を高めながら全体の総人件費を抑えるローコスト経営を心掛けているほか、商品によって違いますが粗利益率は25 ~ 30%を基準として設計しています。

 

山本 標準化してコストを下げるのですね。

 

鈴江 その意味では売上高を追っていません。無理に売り上げを増やすと、無駄な動きが生じてコストが上がるというのが私の考え方です。フィットの場合、大手ハウスメーカーと違って経験が浅いスタッフで勝てる仕組みにしていますから、メーン以外の商品は特にコストが上がります。

 

中村 仕組みを強化された理由は?

 

鈴江 前身の会社に在籍しているときのことですが、ライバル企業にトップクラスの営業担当者3人を引き抜かれて売り上げが激減したという苦い経験があり、人に依存したビジネスの危うさを痛感いたしました。そこから仕組みの強化に注力していったのです。

 

中村 「仕組みで勝つモデル」をつくり、凡人に非凡な仕事をさせる。これこそ経営者の責任だと。

 

鈴江 その通りです。売り上げは経営者の責任だと私は考えています。

 

中村 しかし、経常利益率10%は簡単な数字ではありません。

 

鈴江 ここ数年は超えています。経営者として、お客さまの役に立てる商品・サービスをつくると同時に、経常指標として高い目標を掲げることを自分に課しています。社会性と収益性の両立。社会性が高くても利益がなければ株式会社失格ですね。また、利益が出ていてもお客さまに必要とされない会社なら、私は今すぐに社長を引退します。この2つを実現するには、競争のないビジネスであることが必須です。

 

中村 ホワイトスペースをつくり、社会性があるビジネスを展開すれば、経常利益率10%を実現できるということですね。最後に今後の展望についてお聞かせください。

 

鈴江 中期ビジョンは3つに分かれています。フェーズ1は2014 ~ 16年、3事業で基礎を固める時期です。フェーズ2は2017 ~ 19年、本物の(全国に一気に広がるような)商品を開発し、住宅販売1000棟(FC含む)を達成します。現在400棟ですが1000棟になるとキッチンなどでPB商品をつくれる規模になります。フェーズ3は2020年 ~ 22年、アジア進出を目指します。

 

中村 ビジョン実現を経営の中核に据えた「VM(ビジョン・マネジメント)経営」ですね。社名がフィットになって7年、前身会社から数えると創業44年となります。ライフスタイル提案企業として第2の住宅産業を築き、100年発展を遂げてください。本日はありがとうございました。

 

タナベ経営  コンサルティング戦略本部 副本部長   山本 剛史 企業の潜在能力を引き出すことを得意とする経営コンサルタント。事業戦略を業種・業態ではなく事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客を再設定して事業モデル革新を行うことを得意とする。現場分散型の住宅・建築・物流事業や、多店舗展開型の小売・外食事業などで生産性を改善する実績を挙げている。神戸大学大学院卒。

タナベ経営 コンサルティング戦略本部
副本部長  山本 剛史

企業の潜在能力を引き出すことを得意とする経営コンサルタント。事業戦略を業種・業態ではなく事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客を再設定して事業モデル革新を行うことを得意とする。現場分散型の住宅・建築・物流事業や、多店舗展開型の小売・外食事業などで生産性を改善する実績を挙げている。神戸大学大学院卒。

 

●経営理念
第2の住宅産業を創る

 

PROFILE

  • (株)フィット
  • 所在地: 〒771-0130 徳島市川内町加賀須野1069-23
  • T E L : 088-665-1500(代)
  • 設 立: 2009 年
  • 資本金: 4761 万円(2015年4月1日現在)
  • 売上高: 70 億円(2015 年3月期)
  • 従業員数: 62 名(2015 年4月1日現在)
  • 事業内容: 再生エネルギー事業、住宅・不動産事業、フランチャイズ事業
    http://www.fit-group.jp/

 

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