Vol.20 ハヤブサ × タナベ経営

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2017年5月号

 

チャレンジを続けたから今のハヤブサがある

 

御堂 ベトナムの人件費高騰や円安の影響を受け、2014年に値上げを断行したにもかからわず、売上高は毎年10%以上伸び、2016年度(2016年12月期)も5%の成長を達成するなど好調です。

 

歯朶 その都度、いろいろな手を打ってきたからだと思います。昔のまま海釣りだけにとどまっていたら、今のハヤブサはありません。

特にルアーは今後伸びると踏んで、2010年にベトナムにルアー工場を新設。最初は思ったように売れず苦戦し、「間違った決断だったのか」と自問したこともありましたが、現在では売り上げ推移が非常に好調で、挑戦してよかったと思います。

 

御堂 自前で試作室を持つなど製品開発にも力を入れていらっしゃいます。マイナーチェンジを含めて毎年100種類以上の製品を開発されていますが、原点はどこにあるのでしょうか?

 

歯朶 現場ですね。社員が世界中の釣り場や船宿などを回り、お客さまの声を集めています。プロパー品の売り上げは毎年落ちていくものですから、新製品でしっかりカバーしないといけません。現在は2018年に発売する新製品が出来上がり、2019年モデルを開発中です。

私自身が釣りをする「釣女」ですから、開発中の製品を実際に試して感想を伝えたりもします。一緒になって開発している感じですね。

 

松本 国内マーケットが縮小する中、子どもや女性向けの釣りイベント・教室の開催などで、新たな市場へのアプローチを積極的に進めています。

 

歯朶 10年ほど前は1290万人だった国内の釣り人口は、東日本大震災以降に670万人まで減少した後、2015年は750万人まで回復しているといわれています(日本生産性本部「レジャー白書2016」)。このままいけば国内人口が減ることは明らかですから、何も手を打たなければ企業は衰退の一途をたどります。

釣り人口が減少する原因の1つは、今の子育て世代が小さい頃にあまり釣りをしていないこと。ファミリー層を活性化するには、まず女性をターゲットにするべきだと考えました。男性が誘っても女性は釣りには行かないでしょうが(笑)、女性が誘えば男性はきっと一緒に釣りをしますよね。彼らが家庭を持てば、家族で釣りをするようになる。またそうやって小さい頃に釣りを経験した子どもは、大人になっても釣りを楽しむようになる。そうした循環をつくりたいと考えています。

 

御堂 お話を伺っていると、自社はもちろんですが、業界全体を盛り上げようという気持ちが伝わってきます。ハヤブサが伸びれば他社にも良い影響を及ぼし、その結果として釣り業界を変えていくことが期待されます。

 

歯朶 ただ、当社のような小さいメーカーにとっては大変なことも多々あります。そうしたイベントなどは商品購入に直結しませんから。社員には、「ハヤブサの知名度が上がることで将来の顧客につながる」と言い聞かせて頑張ってもらっています。ハヤブサブランドをよく知る世代の高齢化が進んでいますから、若い世代におけるハヤブサブランドの知名度アップが不可欠です。

 

松本 最近はSNS を通じた個人の発信力が高まっていますから、こうしたツールを広告宣伝に取り入れることも有効ですね。

 

歯朶 かつては業界新聞や釣り雑誌が主な広告出稿先でしたが、最近はインターネットを通した広告出稿が増えています。「情報発信」は今年のスローガンでもあり、ホームページ刷新のほか、インスタグラム(写真投稿型SNS)へ毎日投稿しています。ハヤブサのアカウントを開設して、開発現場や営業先、イベント会場などの様子を公開していますが、最初は社員に抵抗感があったようです。しかし、「できない」「やらない」は当社の禁句。何事も頭から否定せず、できない原因を考え、できる方法を見つけることが大事だと常に伝えています。

 

 

女性向けの釣りイベントも積極的に開催

女性向けの釣りイベントも積極的に開催

 

子ども向けの「ハヤブサキッズ」教室で、子どものうちから釣りを楽しんでもらう

子ども向けの「ハヤブサキッズ」教室で、子どものうちから釣りを楽しんでもらう

 

 

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 チーフコンサルタント 御堂 裕一 タナベ経営入社後、人 材育成部門にて企画か ら集客・運営業務まで 一貫して従事。個性あ るメンバーを育て、リー ダーとして活躍。現在 はコンサルタントとして、 企業のビジョン・戦略 構築から組織づくり、強 みを生かす人事制度・ 人材育成システム構築 を支援している。現場 に入り込み、クライアン トとのチーム編成を通じ て、成果につなげていく ことを得意とする。

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 チーフコンサルタント
御堂 裕一
タナベ経営入社後、人材育成部門にて企画から集客・運営業務まで一貫して従事。個性あるメンバーを育て、リーダーとして活躍。現在はコンサルタントとして、企業のビジョン・戦略構築から組織づくり、強みを生かす人事制度・人材育成システム構築を支援している。現場に入り込み、クライアントとのチーム編成を通じて、成果につなげていくことを得意とする。

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