Vol.23 決断
顧客価値×全員活躍×成長意志
フルテック× タナベ経営

2 / 5ページ

2_teamconsul
2017年8月号

 

メーカー代理店から脱却し購買代理業へシフト

 

長尾 2001年には「寺岡ファシリティーズ」へ社名を変更されています。この変更には、どのような意味合いがありますか?

 

古野 建設不況が長引いていた1998年、『プロフィット・ゾーン経営戦略』(エイドリアン・J・スライウォツキー他著、ダイヤモンド社)と出合い、真の顧客は誰かを見極める重要性に気付かされました。

 

そして、当社の「お客さま」は自動ドアのエンドユーザーであり、当社は自動ドアというハードを売る会社ではなく、「安全で快適なアクセスとアメニティー作りをサポートする企業」であると再定義しました。その実現のために、単なる客数の追求ではなく、1件のお客さまのバリューを最大にする深耕戦略を重視するようになりました。

 

長尾 顧客は誰かを明確に定義し、顧客起点の「購買代理業」へと見事に転換されました。本の他にも、何かきっかけがあったのでしょうか。

 

古野 マーケティングの世界で権威のある慶応義塾大学の嶋口充輝名誉教授の言葉にも、大きな影響を受けました。

 

嶋口教授にお会いしたのは1992年。当時私は34歳で、社長になって3年目を迎えたばかりのころです。嶋口教授に会社の事業内容を聞かれ、「自動ドアのメーカー代理店です」と答えました。すると「古野さん、メーカー代理店という言葉は現在のマーケティングにおいては死語です」と指摘され、このままメーカー代理店を続ける限り、将来がないことを痛感しました。この一件で奮起し、翌1993年には企画開発室を設立。「お客さまのニーズに耳を傾け、自社でモノづくりをする会社に変わろう」と社員に宣言しました。

 

長尾 企業のミッションもシフトしたのですね。

 

古野 それらを明文化したのが、創立40周年を機に作成した「ミッションステイトメント」です。当社の使命と行動規範を「企業の社会的役割」「仕事に対する基本姿勢」「企業としての基本姿勢」「環境整備と信頼獲得」「発展継続のための基本戦略」に落とし込んだもので、朝礼で唱和したり、携帯サイズのノートにして全社員に配布し、常にミッションと向き合っています。

 

ミッションステイトメント
ミッションステイトメントは我社の使命であり、我々全ての行動規範です。
企業の社会的役割

我々は安全で快適なアクセスとアメニティー作りをサポートする企業として、建物や関連設備に対する顧客のニーズにきめ細かく応え、豊かな社会づくりに貢献する。

仕事に対する基本姿勢

我々は顧客第一主義のもと、一つひとつの現場一人ひとりのお客様に対し真摯で誠実に対応し、いかなる仕事も最後まで完全にやりとげお客様の満足を最大限に獲得する。

企業としての基本姿勢

我々は改善改革を不断に実行し、お客様の新しいニーズに応えるため、新商品新サービスの開拓に積極的に取り組み、常に攻めの姿勢で企業の拡大発展を目指す。

環境整備と信頼獲得

我々は環境整備を経営の原点と認識し、5S 活動を日常業務において不断に実行し、企業と仕事のクオリティーを高め社会とお客様双方からの支持と信頼を得る。

発展継続のための基本戦略

我々はあらゆる面でローコスト経営に徹し、ムダを排除し、高い収益力と強い財務体質を維持し、活力ある組織を構築して企業の永続を目指す。

 

タナベ経営 取締役副社長 長尾 吉邦 タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009年常務取締役、13年専務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。

タナベ経営 取締役副社長
長尾 吉邦
タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009年常務取締役、13年専務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。

 

 

1 2 3 4 5