Vol.27 エコリング × タナベ経営

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2017年12月号

 

人の縁からビジネスの肝を学ぶ

 

土井 今ではブランド品買い取り専門店は認知されていますが、創業当初は今までにないビジネスで、「ちょっとうさんくさい」イメージもあったと思います。信頼獲得に向けて打った手は?

 

桑田 私の中では、お客さまに向けた広告が“契約書”でした。例えば、「グッチのボロボロのバッグをいくらで買います」といった広告を出したら、どんな状態のものが持ち込まれてもその値段で買い取ります。

 

ある時、広告制作会社のミスで買い取り価格のゼロを1つ多く付けたことがありましたが、広告通りの価格で買い取りました。正直きつかったのですが、“契約書”に書いたことであり、お客さまの信頼を勝ち取るために、「絶対に嘘をつかない」という気持ちでしたから。今でも広告内容は厳守しています。

 

森田 桑田社長がたびたびおっしゃる言葉に「買ってから考える」というものがありますが、その意味を教えてください。

 

桑田 古物市場のベテランに言われた言葉です。「真の古物商は、たとえ相場より高い値段で仕入れても、それを買ってくれる人を探し出すパワーを持っている」ということ。相場より下の値段で仕入れて利益を確定させる商売なら誰でもできる。そうではなく、高値で買った商品でも工夫を凝らして利益が出るように売るのが、古物商の醍醐味という意味です。

 

また、日本一の質店のオークションを紹介してくれた人からは「古物の世界は、のこぎり商売」と教わりました。市場の相場が高いと思ったらどんどん売り、逆に安いと思ったらどんどん買い取る。相場に即応して売りと買いを巧みに切り替えるのが「のこぎり商売」です。

 

この教えには何度も救われました。例えばドバイ(アラブ首長国連邦)市場に参入したとき、最初は日本で買い取った自転車を輸出していたのですが、円高が進むにつれ、赤字が膨張。そのときにこの教えを思い出して、「今は買う局面」と判断し、現地でランボルギーニやフェラーリを仕入れてコンテナ便で日本へ送るように指示。するとコンテナ便が港へ到着するたびに利益が得られ、のこぎり商売は世界で通用すると実感しました。

 

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エコリングの創業秘話や桑田社長の生い立ちをまとめた漫画「エコリング創業物語」と、経営方針書

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