株式会社山路フードシステム さま

戦略広報アプローチで
こだわりの丹沢滋黒軍鶏を
ブランド化

ポイント

  1. コンセプトを貫く戦略広報で
    山路ファームの世界観を確立
  2. ツールと仕組みづくりを通して、
    自律した広報活動を支援
  3. プロジェクト方式で
    広報人材の育成を図る

お話を伺った人

山路フードシステム 
代表取締役 松井 大輔氏

最高の食材を求めて「ひとり6次産業化」に辿り着く

2019年に新規事業として山路ファームを設立されました。事業概要を教えてください。

松井: 山路ファームでは、飼育方法にこだわったブランド地鶏・丹沢滋黒軍鶏の育成と、丹沢滋黒軍鶏を使った料理の開発、製造、販売、カフェの運営などを手掛けています。

丹沢滋黒軍鶏にはどのような特徴があるのでしょうか?

松井: 軍鶏らしい、肉のしなやかな弾力性と赤身肉のような後を引く旨みが最大の特長です。山路ファームでは、最高の品質・味を実現するために、「鶏ファースト」の育成方法にこだわっており、例えば、鶏舎内は1㎡に4羽以下という広いスペースで鶏を飼育しています。また、抗生物質を一切投与せず、丹沢山系から汲み上げた天然地下水や自家製の発酵飼料に三浦半島で採れるミネラル豊富なひじきを加えたエサを与えるなど、鶏の健康を第一に考えた育成を心掛けています。

本業である給食・弁当事業が神奈川県を中心に好調に推移しています。この時期に3次産業から1次産業へ新規参入された理由をお聞かせください。

松井: 山路グループは給食・弁当事業のほかにもレストランや居酒屋といった外食事業を運営していますが、良い食材を安定的に確保する上で課題を抱えていました。それは、時期やルートによってどうしても食材の品質にばらつきが出てしまうこと。そうした中、食材開拓先として訪ねた、ある農家との出会いが転機となりました。そこで出された新鮮な鶏肉の味に感動した経験が、最高の食材を得るために「自ら生産者になる」という決断につながりました。

また、以前から長く事業をさせていただいている神奈川県に貢献したいという気持ちもありました。本社を置く丹沢地区はブナ林が広がる自然豊かな地域。水もきれいで、鶏の飼育に最適な環境です。「ここで、こだわりの地鶏を育成したい」という気持ちと、かねてからの「神奈川県が誇れる名産品を作りたい」という願いが重なり、事業化に踏み切りました。

同社の丹沢滋黒軍鶏は自然豊かな丹沢地区で大切に育てられている

丹沢滋黒軍鶏のブランディングに挑戦

丹沢滋黒軍鶏を使った商品を開発し、2021年5月からオンラインショップで一般消費者向けの販売をスタートされました。

松井: オンラインショップでは、丹沢滋黒軍鶏を使ったコースメニューなどを販売しています。これまでは、直営の「Cafe WILD CHICKEN」(宮ケ瀬湖畔園地内)のみで提供していましたが、地鶏本来の味をご家庭でも楽しんでいただきたいとの思いからECサイトでの販売をスタートさせました。山路ファームで育成したこだわりの地鶏とプロの料理人の腕、そして弊社が給食・弁当事業で培った冷凍技術を組み合わせることで、地鶏本来のおいしさを再現できる商品ができたと自負しています。

今回、丹沢滋黒軍鶏のブランド化やマーケティングに当たって、タナベ経営にコンサルティングを依頼していただきました。その理由をお聞かせください。

松井: 山路ファームを立ち上げた当初から、「こだわりの丹沢滋黒軍鶏を多くの人に楽しんでいただきたい」「消費者向けに販売したい」という思いはありました。特に、たくさんのこだわりが詰まっているだけにブランド化を念頭に置いていましたが、BtoBのビジネスが中心だった弊社にとって、BtoCは未知の領域。社内には消費者に向けたブランディングのノウハウもありませんでした。そうした中、タナベ経営から戦略広報によるブランディングのご提案をいただき、サポートをお願いすることにしました。

実際、どのようなプロセスで取り組まれたのでしょうか?

松井: まず、社内にプロジェクトチームをつくりました。美大出身の社員や料理人として20年以上のキャリアを持つ山路ファームの責任者、チームをまとめるリーダーをメンバーに迎え、私や常務の松井も参加して2020年11月にキックオフキャンプを実施。丸一日かけて環境分析やポジショニング、商品コンセプトなどを明確化した後、約半年かけて広報を中心とするブランディング施策のためのツールづくりや体制づくりに取り組んでいきました。

神奈川県愛甲郡清川村の宮ケ瀬湖畔園地内で運営している「Cafe WILD CHICKEN(カフェ ワイルドチキン)」の様子

ツール作成からメディア対応まで、コンセプトを貫き世界観を確立

商品ブランディングにおいて大事にされた点はどこでしょうか?

松井: 山路ファームの設立背景や育成方法のこだわりも含めて丹沢滋黒軍鶏の世界観を確立し、打ち出していくことです。そのために、まずは「あたりまえの育て方。ほんものの鶏の味。」という商品コンセプトを決めて、それをしっかりと表現するパンフレットや商品パッケージ、ECサイトなどのツールを作成しました。その上でメディアの選定やアプローチをする。ここまでを1つのプロジェクトとして取り組んだことで、最後までコンセプトがブレることなく統一感が生まれたと思います。

ブランドの一貫性は重要です。また、ブランディングにおいて松井社長は当初からマスメディアを介した紹介やSNSの口コミなどを重視しておられました。

松井: 外食事業おいて店舗のブランディングに取り組んできましたが、私はブランドとは企業が一方的に発信するものではなく、人から人に伝わるうちにつくられるものだと考えています。SNSの普及で誰もが情報発信できる時代ですから、「誰かに語りたくなる」という視点が商品ブランディングには欠かせません。ですから、事業化に当たっては積極的に広告を打っていくよりも、マスメディアの紹介やSNSの口コミを通して山路ファームや商品のファンを増やす方向性をイメージしていました。タナベ経営が、実現に向けた具体的なプロセスやスケジュールを明確化し、実施段階でもプロジェクトメンバーをサポートしていただきました。お陰でほぼ計画通りに進めることができました。

軸となる商品コンセプトを基に作成されたパンフレット(左)と商品パッケージ(右)

ブランド化で神奈川県の名産品を目指す

約半年のプロジェクトを終えた感想をお聞かせください。

松井: 洗練された格好いいパッケージやマーケティングツールに仕上がっており、弊社の思いや世界観を体現する商品ができたと満足しています。社内だけでは、ここまでの完成度は実現できなかったと思います。

また、プレスリリースの作成やメディア対応など一連のプロセスを経験したことで、広報スキルの向上や人材の育成につながりました。これは今後の展開において大きな武器になると思います。

地鶏の育成や商品の生産体制が確立し、広報の体制も整ってきました。事業拡大を目指す段階に入りましたが、今後の目標をお聞かせください。

松井: 現在、オンラインショップで販売する商品は6種類ですが、季節商品も含めて商品ラインアップを順次拡充していく予定です。そうしたタイミングを逃さずにメディアへのアプローチやSNSで情報発信して知名度を上げていく一方、こだわりの育成方法やほんものの味をこれからも追求していきます。将来の目標として売上高20億円を目指しながら、今後も品質の向上とブランディングに取り組んでいきたいと考えています。

多くの方にほんものの鶏の味を楽しんでいただけるよう、引き続き山路グループの挑戦をお手伝いさせていただければと思います。本日はありがとうございました。

プロフィール

会社名 株式会社山路フードシステム
URL http://www.yamaji.co.jp/
所在地 本店:神奈川県大和市中央林間西3-6-15
設立 1984年
従業員数 220名(パート含む)

※ 掲載している内容は2021年6月当時のものです