人事コンサルティング事例

企業内大学導入事例~“若手社員の早期戦力化”に取り組む
大鏡建設 × タナベ経営

大鏡建設株式会社

「タナベ経営のセミナーで教育用の動画を見て、出来栄えに感心した。」そう大鏡建設取締役の末吉氏は話す。
先輩から指導を受ける機会が減少し、「見て覚える」常識が通用しなかった現代で、動画教育の重要性を認識し、企業内大学開校に踏み切ったのだった。
そうした経営陣の先見の明が、今の大鏡建設様の繁栄につながっているのだろう。

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取材先様のお役職は、取材当時のもの、タナベ経営社員の役職は、2020年現在のもの

「タナベ経営のセミナーで教育用の動画を見て、出来栄えに感心した。」そう大鏡建設取締役の末吉氏は話す。
先輩から指導を受ける機会が減少し、「見て覚える」常識が通用しなかった現代で、動画教育の重要性を認識し、企業内大学開校に踏み切ったのだった。そうした経営陣の先見の明が、今の大鏡建設様の繁栄につながっているのだろう。

公共工事から撤退し民間工事に絞って業績向上

他社が高齢化に悩む中、
同社は20代、30代の社員が活躍(上)
大鏡建設の設計・施工物件
(事務所兼共同住宅、下)
大鏡建設 代表取締役社長
平良 修一氏
1975年生まれ、沖縄県那覇市出身。日本大学理工学部建築学科卒業後、2000年大鏡建設入社。2012年代表取締役。2012年那覇青年会議所理事長。日本賃貸住宅管理協会沖縄支部幹事、那覇法人会青年部会長、沖縄県建設業協会監事。

比嘉 まず、大鏡建設の概要についてお聞かせください。

平良 1975年に父の平良武雄が設立しました。沖縄県庁や泊ふ頭旅客ターミナルビル「とまりん」などの公共工事に参画して実績を重ね、着実に成長を遂げてきました。しかし、公共工事に依存することに危機感を募らせた父は、沖縄県で起きた大規模な談合事件を機に、2005年に公共工事からの撤退を決意。民間の土地活用への全面転換を図り、現在は賃貸の集合住宅(アパート、マンション)や商業施設、介護・医療施設などの設計・施工、それに関連した不動産管理をメインに事業展開しています。

比嘉 社長が事業を承継されたのはいつですか?

平良 2000年に入社し、2012年に社長へ就任。父は会長になりました。入社当時の売上高は12億?13億円で、15億円の壁がなかなか越えられませんでした。公共工事と民間工事の両方を手掛け、公共事業から住宅、アパート、リフォームに至るまで、何でもやっていた時期です。「このままではまずい」と思ったものの、将来のビジョンが描けず、対処法も分かりませんでした。

比嘉 そのような状況から脱却できた要因は何ですか?

平良 一番の要因は、公共工事から撤退して民間工事に絞り込んだことだと思います。これによって業績が着実に伸び、悲願だった"売上高15億円の壁"を突破することができました。

比嘉 不動産事業を立ち上げたのはいつですか?

平良 2004年です。2015年には不動産総合ショップを展開する「ピタットハウス」に加入し、2店舗を運営しています。

9連休制度を設け社員の自己啓発を支援

大鏡建設 常務取締役 末吉 茂春氏 1962年生まれ、沖縄県島尻郡伊是名村出身。県立沖縄工業高校卒業後、東京のゼネコンに就職し、都内で建築の施工管理に従事。1993年に転勤で沖縄へ。2001年大鏡建設に入社し、現場代理人、工事課長、部長を経て2016年から現職。 比嘉 経営理念についてお聞かせください。

平良 当社の経営理念は「我々は、全社員とその家族の物心両面の幸せを追求し、関連業者との共存共栄を計り、以って地域社会に貢献しよう。」です。最も重要なのは、社員がやりがいを持って仕事に取り組み、家族と一緒に幸せな生活が送れること。その一環として、「9連休制度」を設けました。

比嘉 建築業界は休日が少ないというイメージが定着しています。9連休を導入した理由は何ですか。

平良 仕事に追われる毎日を送っていても、年に1度は9日くらいの連休は取れるはずです。それを自己啓発に充て、5年、10年と繰り返すことで人間として成長してほしいと願い、導入しました。特に独身の社員は富士山に登ったり、小笠原諸島を旅するなど多様な経験を積んでおり、本当にうらやましい限りです(笑)。希望者には賞与の一部を前払いして、自己啓発の資金に充ててもらうことも考えています。

比嘉 そうした取り組みは、人材採用にも良い影響を与えそうですね。「関連業者との共存共栄」については、どのように取り組んでおられますか。

平良 関連業者は、運命共同体といえる存在なので、元請け・下請けの関係ではなく、同じ目標に向かって突き進むパートナーの関係になりたいと考えています。

末吉 主要な関連企業で構成される「大鏡協力会」を5年前に発足しました。毎年8月に総会を開くほか、ゴルフやボウリングなども楽しんで、結束力を高めています。

平良 工事部が中心となる会ですが、営業や設計、不動産関係に携わる社員にも参加してもらい、また協力会企業の参加も促して、今まで以上にコミュニケーションを図っていきたいですね。

比嘉 現在、直面している課題は何ですか。

平良 やはり人材不足です。効率的な教育の仕組みについても、構築している最中です。

末吉 特に設計、工事に携わる技術系の社員が不足しています。同時に社員のスキルの底上げも大きな課題です。また、関連業者の職人不足も深刻で、それに対処するために当社の正社員として大工4名、土木職人3名を採用しました。自社の若手職人を少しずつ増やし、内製化を進めないと事業が成り立たない時代がやって来ると危機感を募らせています。

3年間で一人前を目指す「Daikyo Academy」

タナベ経営 経営コンサルティング本部
沖縄支社長 比嘉 純弥
クライアント視点での情熱的なコンサルティングが持ち味。「企業と人の成長が何よりの喜び」という信条のもと、さまざまな企業の人材成長を実現。また、成長戦略から営業マネジメント、管理会計システム、業務先行管理、人事制度、教育体系づくりまで、幅広い分野でも実績を上げている。観光・ツーリズムビジネス成長戦略研究会の戦略ドメインサブリーダーとしても活躍中。
川口 まず、大鏡建設の概要についてお聞かせください。

平良 平良社長は若手社員をリクルーターとして活用し、人材獲得に熱心に取り組んでおられます。また、社員の育成に関しては、企業内大学「Daikyo Academy(大鏡アカデミー)」の構築に取り組んでおられます。求める人材像をお聞かせください。

平良 「自ら問い、自ら考え、自ら動く」人材です。そういう人に入社してもらい、成長してほしいと願っています。社員それぞれの個性や可能性を発揮してもらいたいと考えているので、ガチガチの型にはめて決まったレールを走らせるようなことはしたくありませんが、社員のベクトルは統一しなければなりません。会社の成長には若手社員の早期戦力化が急務です。
しかし、各部署でのOJTや外部研修では、会社の成長に社員の成長が追い付かないと感じました。現在、構築中のアカデミーは、大鏡建設の方向性を明確に示しながら、自分の希望する勉強に励むことができる厳格さと柔軟さを併せ持った教育機関にしたいと考えています。

川口 基礎領域はしっかり勉強し、応用領域は自分で優先順位を付けて学ぶというスタイルですね。

比嘉 そのような状況から脱却できた要因は何ですか?

平良 アカデミーの教育対象は、入社3年目までの若手社員。入社1年目は入社時基礎講座で大鏡イズムを習得してビジネスリテラシーを高め、2年目は基礎技術講座で業務遂行スキルを習得し、3年目は専門技術講座で各部署の専門性を向上させ、"3年間で一人前"を目指します。会社がコントロールする部分と社員に任せる部分のバランスを、常に配慮することが重要なポイントになると考えます。

末吉 2年ほど前、社長と一緒にタナベ経営のセミナーに参加して教育用の動画を見せてもらい、その出来栄えに感心しました。以前は「見て覚える」のが常識でしたが、個々の現場に配属される職員数が減ったので、先輩から指導を受ける機会は減少するばかりです。業務時間以外に動画で教えてもらえるのは大変効果的だと思います。

小林 講師担当の社員の皆さんは、講義内容の作成に一生懸命に取り組んでいます。その姿を見て、教える側も成長できると確信しました。

末吉 分かっているつもりのことでも、言葉で表現するのは難しいと実感しているようです。実際、社員からも「教える側になったら、逆に勉強すべきことがたくさんあって有意義だった」という声を聞いています。

平良 決められた時間内に自分の伝えたいことを大きな声で表現するというアウトプットは、今までにない経験ですから、大変勉強になるはずです。皆、しっかり頑張っていると思います。こうした「場」を与えることによって、自ら問い、自ら考え、自ら動く力を高めてほしいですね。

平良 新入社員の教育係を集めた「エルダーミーティング」はどのようなものですか?

平良 エルダー(先輩社員)が月1回集まり、それぞれの悩みや情報などを共有しながら、成長度合いを確認する場です。アカデミーの講師同様、エルダーも成長できますし、エルダーが成長しないと会社は伸びません。私は新入社員とエルダーが書く日報に毎日、目を通し、新入社員がつまずいた時の対応などに関してアドバイスしています。

比嘉 そのような人材育成の取り組みが評価され、2017年度の「沖縄県人材育成企業認証制度(通称:働きがい企業認証制度)」で認証されました。社員が働きがいを感じ、スキルアップとキャリア形成を行うことができる企業として沖縄県から認められたわけです。採用活動への効果も期待できますね。ところで、御社の平均年齢は?

平良 38?39歳だと思います。20代と30代の社員が一番多く、60代は1人だけです。5年前から新卒採用を始め、毎年5、6名採用していますし、中途採用も積極的に行っています。

比嘉 同業他社が高齢化に悩む中、若手社員が多いことは優位点になっています。

街づくりを3本目の柱に地域社会への貢献度を高める

タナベ経営 経営コンサルティング本部
チーフコンサルタント 小林 達男
外資系ソフトウエアメーカー、国内教育 ICT メーカーの営業を経て、タナベ経営へ入社。
「つながりのあるチームづくり」を持ち味とし、クライアントに勇気を与える真摯なコンサルティングを展開、共に目標達成することを信条とする。また、人材育成分野でも幅広く活躍中。社内教育やマネジメントセミナーでの丁寧な指導が、高い評価を得ている。
タナベ経営 経営コンサルティング本部 支社長代理
戦略コンサルタント 川口 勉
「クライアントと共に成果を上げる」ことが信条。信頼を軸にしたチームビルディングを通じ、企業を変革していくコンサルティングを得意としている。また、人材育成にも情熱を注ぎ、「人を育てられる人材の育成」を展開。中堅社員・幹部を、経営視点を持つ経営幹部に育てる育成コンサルティングでも、数多くの実績を持つ。

比嘉 タナベ経営と一緒に、毎期の事業方針を策定しています。その成果についてお聞かせください。

平良 以前は立派な事業方針を立てても進捗具合を確かめることなく、また新しい方針を策定するという繰り返しでした。ところが、タナベ経営に参加してもらってから、方針の進捗状況を月ごと・半期ごとに厳しくチェックするようになりました。それが一番大きな成果だと思います。

比嘉 毎月の経営会議で進捗状況を確認しますが、事業方針との関連性を意識した発言が多くなったため、チェックするスピードも格段に速くなりました。以前から会議の中で先行管理を行っていましたか?

平良 数字を追い掛けることはやっていましたが、先行管理とはいえないレベルでした。現在は1 年後、2年後が見える管理を行っており、以前に比べて危機感ははるかに強まっています。自分たちが立てた計画を毎月チェックして進捗状況を確認する作業を繰り返すことで、自ら問い、自ら考え、自ら動く力が磨かれていると感じます。

末吉 以前はPDCAサイクルのPとDは実施できても、CとAは実行できなかったといえます。

平良 関連業者は、運命共同体といえる存在なので、元請け・下請けの関係ではなく、同じ目標に向かって突き進むパートナーの関係になりたいと考えています。

末吉 主要な関連企業で構成される「大鏡協力会」を5年前に発足しました。毎年8月に総会を開くほか、ゴルフやボウリングなども楽しんで、結束力を高めています。

平良 今期の事業方針を策定した時は、皆が原案を用意していたので、部署同士で踏み込んだ議論ができ、スムーズに方針を策定できました。日頃から現在の課題と将来ビジョンを捉えようとする意識が定着してきた成果だと考えています。

比嘉 現在、直面している課題は何ですか。

川口 目指すべき姿と今後の事業展望についてお聞かせください。

平良 目指すべき方向としては、社員が率先してさまざまなことに取り組んでいく会社にしたいと思います。事業においては、建築と不動産の2本柱をベースにした「街づくり」という3つ目の柱を築きたいですね。
中期ビジョンでも「人と地域社会をつなぐ街づくり企業?エリアと顧客を絞り込み地域No.1 のファーストコールカンパニーを目指す」を掲げています。建築と不動産は街づくりに深く関わっているので、「良い街をどのようにつくるか」という観点から業務を拡大したいですね。それが経営理念に掲げた「地域社会に貢献しよう」に対する、私なりの答えになります。沖縄本島の本部半島にある観光名所の今帰仁村に宿泊施設を建設するプロジェクトも動いており、街の活性化につなげていきたいと考えています。

小林 街づくりになると、顧客対象は大幅に拡大しますね。

平良 もともと当社のお客さまは目の前にいる人だけではありません。お客さまが建てた建物は、その子や孫まで引き継がれる可能性がありますし、アパートには会ったこともない他県や海外の人たちが入居する可能性もあります。当社の仕事はさまざまな形で多くの人たちへ影響を与えるものだと認識し、常にチャレンジする。それが街づくりにつながると思います。ファシリテーターのような地域の人々をつなぐ役割を担う人材も、今後は必要になるでしょう。
そのためには、人材育成が不可欠です。アカデミーでの教育をしっかり施して、3年後は前線で思う存分に活躍できるような能力を育成したいですね。そうすることで会社の推進力は増していきます。

比嘉 若手社員の教育と活用は、会社を成長させる重要なキーワードです。5年先、10年先の大鏡建設の一層の発展に直結するでしょう。本日はありがとうございました。

会社プロフィール
会社名
大鏡建設株式会社
所在地
〒901-0152 沖縄県那覇市字小禄912-1
TEL
098-857-7117(代)
創業
1975年
資本金
2000万円
売上高
36億5000万円(2017年7月期)
従業員数
101名(2017年11月現在)
事業内容
地域開発、都市開発等の事業ならびにこれらに関する企画・設計・施工およびコンサルティング業務/不動産の売買、賃貸、仲介管理ならびに土地造成
URL
https://daikyo-k.net/




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人事コンサルティング導入事例集

人事に関するコンサルティングに興味はあるけれど、イメージが湧かないという企業様向けにタナベ経営の人事コンサルティングを導入されているお客様の事例をまとめました。
印刷して社内回覧用等にもご利用いただけます。是非ご活用ください。

人事コンサルティング導入事例集
資料内容
  • ・業務改善と人材育成で事業を加速
  • ・ダイバーシティの推進で女性が活躍できる現場へ
  • ・保育士の就業意欲とスキル向上を果たした人事制度と
  • ・アカデミーの導入
  • ・企業内大学設立で若きイノベーターの輩出へ
  • ・次世代を担うリーダー人材の育成
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