人事コンサルティング事例
人事制度構築人材採用

経営の基本「人間愛」で、 社員の育成に注力

株式会社川北電工

川北電工は、鹿児島県を拠点に送電工事や配電工事をはじめ、電気設備や無線・有線・情報設備、電気通信設備、防災設備・空調設備など、
電気に関する工事をメインとする総合電気設備工事事業を推進。

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将来を見据えて人材を確保

川北電工
取締役総務部長 兼 経営企画室長
瀨戸口 浩 氏
川北電工は、鹿児島県を拠点に送電工事や配電工事をはじめ、電気設備や無線・有線・情報設備、電気通信設備、防災設備・空調設備など、電気に関する工事をメインとする総合電気設備工事事業を推進。九州地方から関西、東京へとビジネスエリアを拡大させている。1945年9月の設立から70年以上が経過し、確かな技術を持った地域密着型の企業として着実に成長してきた。

東日本大震災以降は、地域の防災無線の整備に関わる工事も多く、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた需要増加が期待されている。しかし、発送電分離や電力小売り自由化などの業界変革によって先行き不透明感も増しており、さらなる経営構造の強化が課題となっている。

成長の鍵を握るのは、人材だ。積極的に新卒採用に取り組み、2015年度は16名、16年度は11名とコンスタントに人材を獲得。取締役総務部長兼経営企画室長の瀨戸口(せとぐち)浩氏は「電気工事業は、過酷な労働環境下でも作業をしなければならず、入社希望者が少ないため、いい人に出会えれば定員にとらわれることなく採用しています。実際に2016年度の採用は、6名という募集枠に対し、11名を採用しました。現状は高卒が中心ですが、今後はマネジメントを任せられる大卒も多く採用したいと考えています」と採用戦略について語る。

取材先様のお役職は、取材当時のもの、タナベ経営社員の役職は、2020年現在のもの

「人間愛」を掲げ、低い離職率を実現

企業方針である「経営のこころ」に掲げるのは「人間愛」。川北電工は人を大切に育てる思いが強い。そのため、新入社員や幹部候補のほか、階層別の各種研修で人材教育に力を入れている。社会人の基礎である接遇・マナーから、経営理念や年度方針をかみ砕いて社員個人の目標に落とし込むところまで、さまざまな局面で研修を活用しているのだ。人を大切にし、業績が苦しい時期でも人材をリストラしない企業姿勢によって、同社の離職率は低い。

「一般的に入社3年で中卒7割、高卒5割、大卒3割が離職する(753の法則)といわれています。しかし、当社には当てはまりません。例えば、高卒の離職率は2割程度です。それに『仕事が厳しいから辞める』という退職理由の人はいません」と瀨戸口氏は話す。

人材育成のコストは削らない

入社した社員は、まずタナベ経営の新入社員セミナーへ派遣する。そこでは高卒や大卒に関係なく、あいさつなど接遇マナーをはじめ社会人として仕事に取り組む基本姿勢を学ぶ。こうした派遣型の研修は、他社の新入社員と交流することができ、「他との違い」を認識する良い機会になると瀨戸口氏は話す。幹部候補生スクールやプロ役員セミナーなども同様である。

「人と会い、話をすることは必ず自分のためになります。そうした経験を多く積ませたいですね」(瀨戸口氏)

技術力は確かであっても、それをアピールするコミュニケーション力がなければ、顧客に会社の価値が伝わりにくい。タナベ経営の各種セミナー・研修で他社の人材と交流することによって、コミュニケーション力の向上を期待しているのである。

こうした人材育成プログラムを活用して基礎を固めているため、取引先から「技術力だけでなく、あいさつなどもしっかりしている」と評価されることが増えてきたという。そのような顧客の声をフィードバックし、社員のモチベーションアップにつなげることも重視している。

各種セミナー・研修に派遣することは、当然コストを要する。しかし、瀨戸口氏は「人材育成のコストは、削ってはいけません」と強調する。景気動向によって左右されがちな人材育成コストだが、削ると必ず後になってしっぺ返しを食らうからだ。企業が持続的に成長するためには、業績が厳しい時でも踏ん張って教育コストを確保すべきなのである。

タナベ コンサルタントEYE

タナベ経営 経営コンサルティング本部
コンサルタント 小菅 大貴
川北電工は「経営のこころ」として「人間愛」を掲げており、社員を育て、大切にする風土が根付いた会社である。同社は何があろうとも、教育・人材育成のためのコストを削らない。そして、毎年必ず社員教育を階層別に実施している。この結果、全社員のベクトルが同じ目標に向かってそろい、組織が一体となって業績を上げているのである。川北電工はまさに「継続は力なり」を体現している企業と言っても過言ではないだろう。

会社プロフィール

会社名
株式会社川北電工
所在地
〒895-0036 鹿児島県薩摩川内市矢倉町4311-1
TEL
0996-25-1100
創業
1945年
資本金
1億4500万円
売上高
79億3000万円(2016年2月期)
従業員数
329名(役員除く)
URL
http://www.kawakita-denko.co.jp/

ABOUT TANABE CONSULTINGタナベコンサルティンググループとは

タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。
企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

コンサルティング実績

  • 創業 66
  • 200 業種
  • 17,000 社以上