2019.03.18

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2019.02.21 Thu

DOMAIN&FUNCTION

一番に選ばれる
金融機関を目指す研究会

REPORT

11:00~

~地銀におけるデジタル化の方向性および
フィンクロス・デジタルの取組みについて

講師株式会社フィンクロス・デジタル
代表取締役社長伊東 眞幸 氏
学びのPOINT

Ⅰ フィンテック企業が金融機関に与えるマイナスの影響
下記A.B.Cの影響がほぼ同時に起こり、結果としてDが引き起こされる。
A.「サービスの質の被差別化」
例:高いUI、UX
B.「価格破壊」
例:広告収入を得る
身軽なコスト構造
C.「フルラインナップの崩壊」
例:預金・運用・為替など
すべてにおいて単品での
サービス提供
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D.「土管化」
社会・経済の重要なインフラ提供の機能は担うが、収益は頭打ちする可能性が高い。
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KPI地銀が当面行うべきことは3点
「ぜい肉を落とす」「体幹を鍛える」
「オープンイノベーションの実践」である

1.自らのぜい肉を落とす
店舗網や古いITシステムのスクラップ&ビルド
2.体幹を鍛える
優秀な若手人材を登用しフィンテックについて学ばせる
3.オープンイノベーションを実践する
自行には無い優れた「知見」「技術」「人材」「カルチャー」を外部から積極的に取り入れる
Voice 参加者の声
現時点でのフィンテックビジネスの展開、状況、着想ポイントを理解できた。
現状の金融機関業務からの収益の3~4割が失われるという話があり、衝撃を受けた。

12:55~

地域金融機関のあるべき姿と現場主義経営

講師広島市信用組合
理事長山本 明弘 氏
学びのPOINT

15年連続増収増益の秘訣
1.捨てる経営。生保・投信は売らず、預貸1本。説明が煩雑で時間もかかる。しかも、儲かり続けることはない。お客様が納得済みで購入されても、損失が出るとトラブルになる。
2.融資は3日以内に回答。来店誘致だけではなく、お客様に近づいていく。スーパーにATMを設置し、新しい地域に出店し、利便性を追求。
3.積極的な融資の裏には、必ず不良債権が出る。これを残すと職員が業務に集中できないので、積極的にサービサーへバルクセールする。
4.貸倒引当金を取り崩している金融機関が多い。しかしゾンビ企業の不良債権を、借り換えや例外規定を利用し、正常債権化している所もある。これは5年以内に大きな問題として顕在化するはず。
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KPIお金は「使っていただくもの」
現場で人間性、技術を見て3日以内に回答!

さまざまな地域貢献
1.職員から情報を得て、再生医療に取り組むベンチャー企業を訪問。現場と事業計画を見て融資を開始。その後、大手製薬メーカーとのライセンス契約を結び上場予定までこぎつける。他金融機関はその記事が出るまで見向きもしなかった。現在も数億円の当座預金残高を置いていただき、お取引を継続。
2.マツダスタジアムでのスポンサーゲームに4000人を招待。
3.5年連続で初任給や諸手当の引き上げを行い、諸手当はボーナス倍率にも反映させる。職員への支給も地域貢献の一つ。
4.夜の飲食はゼロ。顧客との飲食・ゴルフは禁止。理事長自身も18時には帰宅。
Voice 参加者の声
現場主義への徹底がすばらしい。融資と預金のみで、競合金融機関が多い中で利益を上げている。大変参考になりました。
一貫して捨てる経営を実践している。現場を見る、知ることを徹底する意味、強いリーダーシップを実感できました。