2019.10.31


2019.09.25 Wed

DOMAIN&FUNCTION

戦略CFO研究会

REPORT
講演

09.25 Wed

戦略CFOのマネジメントポリシーは、
『絶えざる革新』と『王道を』歩むことにある。

講師アンリツ株式会社
(前 花王株式会社執行役員 会計財務部門統括)
取締役
青木 和義 氏
学びのPOINT

①戦略CFOの果たすべき役割は、会計責任者として企業価値向上に貢献することである。そのために、
・ EVA視点による経営・資本政策・財務体質の強化など、グループの企業価値向上に資する。
・ 会計部門の組織運営の向上と業務革新を目指す。
②EVAは、単なる税後利益ではなく、投下資本のコストを考慮した「真の利益」を表す。
投下資本に対し、どれだけ付加価値を創出しているか、を表す。
③企業価値には、企業の将来に対する期待値が織り込まれている。そのためにも、確実性と信頼性を持った中期計画が必要となる。
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KPIEVA経営とは、すべてのステークホルダーと
良好な関係(満足)を築くことである

【企業価値を高めるためのキャッシュの活用の優先順位】

1.自律成長のため投資(MK費や研究費も含む)
 ⇒ 自社で成長するためへの投資を行う
2.M&A等の投資
 ⇒ 自社だけでは困難な場合にM&Aを実施し、成長へ投資する
3.安定的・継続的な配当支払
 ⇒ 株主へ還元する
4.さらに余剰があれば・・・自社株買いや有利子負債の早期返済
投下資本のコストを考慮した『真の利益』を表すEVAを継続的に増加させていくことが企業価値増大につながり、顧客、取引先、従業員はもとより社会すべてのステークホルダーの満足を目指すものである。
講演

09.25 Wed

経営を俯瞰し、持続的に企業価値を向上させるのがCFOである

講師首都大学東京大学院 経営学研究科
特任教授吉松 加雄 氏
学びのPOINT

①持続的な企業価値向上の役割を担うCFOは、日々の経営に携わりながら、経営の全体感を持つこと、企業価値向上、主要機能、主要課題の3軸から経営を俯瞰することが重要である。
②日本電産における企業価値10-in-10経営(10年間で企業価値10倍経営)実現のポイントは8段階プロセス活用による2つの大きな企業変革であった。
③CFO組織を機能させるためには、CFO組織内の役割分担を明確にした強固な組織構築と「修・破・離」によるCFO機能人材の育成プロセスの確立が必要である。
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KPI企業変革の真髄は
8段階プロセスによる変革である

【企業変革の8段階プロセス】

第1段階:危機意識を高める
第2段階:変革推進チームをつくる
第3段階:明確で適切なビジョンと戦略を掲げる
第4段階:変革のビジョンと戦略の周知徹底
第5段階:従業員の自発的な行動を促す
第6段階:短期的な成果を実現する
第7段階:気を緩めない
第8段階:変革を根付かせる
ガイドライン、プロジェクトマニュアルの活用により、変革のビジョンと戦略をトップダウンによる周知徹底と同時に組織全体でボトムアップ活動を展開させ、企業変革を加速させ実現することが変革の要諦である。
Voice 参加者の声
花王という大企業の財務を統括されていた方がどのような思考で任務にあたっていたかを聞けて参考になりました。

胃腸機器販売 専務取締役
経理についても研究開発に取り組みレベルアップを速めていきたい。子会社を含めルールを統一化しローテーションを進めていきたい。
不動産賃貸 常務執行役員
非常に分かりやすく説明していただきありがとうございました。
特に「スピード感」を重視して仕事に取り組みます。

土木・工事業 部長