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今週のひとこと

なぜ、商品・サービスは売れるのか。

それは、良い品質であるから

というだけではない。

顧客が良いと思うから売れるのである。





☆ 「3つの質問」で探る、商品・サービスが売れない原因

遅れていると思われるかもしれませんが、私は先日"吸引力が自慢"の、あの掃除機を購入しました。確かにこれまで使っていた掃除機と比べると圧倒的な吸引力で驚きです。最近でこそ各メーカーが吸引力をアピールして掃除機を販売していますが、あの掃除機は今でも負けずに売れ筋商品です。価格は決して安くないのですが・・・。

 ⇒【Q1】ライバルとの圧倒的な差別化はできていますか?

商品・サービスの購入を検討している意思決定者にクロージングできない理由は、潜在的に抱えている不安を解消できていないからではないでしょうか。
私は、当面はお世話になる予定はありませんが、"結果にコミット"するあのダイエットは、相変わらず大人気です。


 ⇒【Q2】顧客の潜在的な不安を取り除けていますか?

先日、2年程前にメガネを購入したお店からダイレクトメールが届きました。その内容は、PCメガネの案内。そう言えば、前回購入した際に「パソコンを使う仕事が多い」ということをお店の方に話したことを思い出しました。今度、見に行ってみようと思っています。
また、実家に帰省した時のこと、子どもの頃よく通っていたボーリング場が総合アミューズメントパークに変わっていました。昔と違って小さなお子さんからお年寄りまで、多くの人で賑わっていました。


 ⇒【Q3】顧客の特性を捉えることができていますか?

最近、クライアントから経営に関する相談を受けると、この3つの質問をすることが多いです。御社はいかがでしょうか?

コンサルティング戦略本部
コンサルタント
清水 駿





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組織の成長に不可欠な統合力の強化

急成長企業3社の事例

沖縄県内の中堅企業3社で、組織風土についての無記名アンケートを実施した。「経営理念やビジョンは明確ですか」という質問には「はい」が、「仕事のやり方・成功ノウハウは共有化されていますか」という質問には「いいえ」が多いという結果が3社に共通していた。これは言い換えれば「会社の理念や目指す方向は何となく分かるが、自分自身の行動が正しいかどうか分からない」ということの表れである。

この3社は卸売業・小売業・建設業と業種は異なるが、ここ数年で売上高と社員数を大きく伸ばし、急成長したという背景が共通している。

コンティンジェンシー理論を代表するP.R.ローレンスとJ.W.ローシュらの研究では、不確実性の高い環境下で高い業績を上げている企業は、部門間の分化の程度が高く、さらに部門間の活動や意思決定を調整し、統合する機能を生み出しているという。つまり経営システムとしての組織は、巨大化すると分化されやすいが、経営システムが生存するためにはこれらの部分の機能が「統合」されなければならない。

この3社は、環境変化に適応していく中で新機能・新店舗・新規事業を展開し、急速に組織の分化が進んだが、統合機能(部門間の連携やコミュニケーション)を果たすリーダーが不在。統合パターンは上下関係中心で、経営層に集権化されていた。

このように組織の統合が進まず、「バラバラ組織」が増加している背景として考えられる理由を、次に2点挙げる。

行き詰まった縦割り組織

中堅・中小企業の組織形態は機能別組織であることが多い。機能別組織とは言い換えれば「縦割り組織」であり、縦割り組織では専門(スペシャリスト)人材しか育たない。1つの部署にとどまるよりも、さまざまな部署を経験した方が経営全体を見渡せるものだ。

また上司・部下の関係が長期にわたって固定しているため権限委譲が進まず、中間管理職層における経営視点の育成や、次代に向けた組織形態の構築がおろそかになっている。10年後に誰が経営のかじ取りを行うのか、不安を抱える組織も多い。


目先の業績優先主義

組織は、5年後・10年後のビジョンや中長期の戦略を踏まえた上で、人的資源の配置と育成を計画的に行わなければならない。戦略的に強化すべき部門や、階層別の社内教育やジョブローテーションを実施する過程で、社員は組織・機能・事業全体を理解できるようになり、組織の活性化が図られる。

しかし、このような取り組みを実施している企業は少ない。「目先の業績が落ちる」と考えるからである。深刻な人手不足の中、社内教育に時間を割くことや、これまで育ててきた専門人材を手放すことは容易ではない。結果、「縦割り組織」の体質は温存されてしまう。

組織を統合する目的の1つは、分断された複数の機能や部門が、自社の経営理念やビジョン・マーケット・顧客の具体的要求の実現に向けて、足並みをそろえるようにすることである。もう1つは、迅速で効率的な意思決定を行う、シンクロされた組織へ変革させることである。

次に、組織を統合する4つのステップをまとめる。(【図表】)

【図表】 組織を統合するための4 つのステップ
【図表】 組織を統合するための4 つのステップ

ステップ1 リーダーの人選

組織の統合を進める上で、各機能や部門のリーダーの人選は重要である。縦割り組織は、狭い専門知識と視野を持ったスペシャリスト人材を育ててきた。そのため多くの企業で、影響力を持つスペシャリスト人材は統合に必要な能力と資質を備えていないケースが多い。

リーダーには、自社のビジョン実現に向けた意欲、顧客に魅力的な価値を提案する姿勢、そして異なる意見を取りまとめて最適なトレードオフを行う能力が求められる。つまり、コラボレーションが得意なゼネラリスト人材でなければならない。

ステップ2 統合の仕組みづくり

次世代の役員候補が、中期経営計画策定と現役員陣への提言を行う「ジュニアボード」経営の導入や、新規事業開発・ブランディング戦略など、ビジョン実現に不可欠な全社テーマを検討するプロジェクトチームの発足、自社のビジョンや方針を周知徹底する階層別の社内教育といった、組織横断的な統合の仕組みを構築し、定着させる。

ステップ3 評価制度の見直し

業績管理の仕組みを構築するとともに、KPI(重要業績評価指標)やインセンティブが、組織のシンクロや統合を後押しするようにする。また、共通目標に連動させた評価制度を構築し、部門間の協力を促進する。

ステップ4 逸脱行為の排除

逸脱行為があった場合は、リーダーが介入し、正していくことで組織風土は変わる。リーダーは統合につながる行動や価値観を示し、部門間の衝突を未然に防がなければならない。

環境変化の激しい時代。意思決定スピードを欠く企業は、あっという間に淘汰(とうた)される。これからの企業は統合力を新たな中核能力とし、組織全体にわたって構築することが不可欠であり、急務である。

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  • タナベ経営 コンサルティング戦略本部
  • チーフコンサルタント
  • 寺井 秀一
  • Shuichi Terai
  • 大手小売専門チェーンにて店舗運営・管理業務に従事後、タナベ経営入社。中堅・中小企業の事業・営業戦略の策定、組織・経営システムの構築を中心にコンサルティングを担当。戦略を組織へ浸透させ、全社で推進していくための仕組みづくりに定評がある。「明るく、誠実に」をモットーに、組織活性化に挑むコンサルタント。社会保険労務士。





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「京都クオリティ」を打ち出し全国区のブランドを確立
コンセプトの明確化で競争力高める

京都クオリティを追求したラインアップで、絶大な人気を誇る「マールブランシュ」の洋菓子
京都クオリティを追求したラインアップで、絶大な人気を誇る「マールブランシュ」の洋菓子

京都の洋菓子市場で圧倒的な人気を誇るマールブランシュ。
『茶の菓』をはじめ、「京都クオリティ」を追求したラインアップでブランド力を高める一方、海外展開を視野に入れた新業態の創出で100年企業を目指している。



喫茶店から始まり65年2回の戦略転換で拡大

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ロマンライフ 代表取締役社長 河内 誠 氏
1958年5月23日生まれ。1982年芦屋大学卒業後、めいらく勤務を経て、同年ロマンライフ入社。マールブランシュ京都北山本店オープンと同時に店長として勤務。1998年4月代表取締役社長に就任。

中村 創業から65年を迎え、京都発の洋菓子店として全国区のブランドを築いていらっしゃいます。まずは歴史についてお聞かせください。

河内(誠) 1951年に名誉会長である父・河内誠一が純喫茶ロマンを開店したのが始まりです。その後、ファミリーレストランなどの多店舗展開によって事業は拡大。しかし、1970年代に入ると大手のレストランチェーンの進出によって競争が激化し、10年ほど苦戦が続きました。戦略転換を迫られる中、ふと神戸の高級菓子店の前を通りかかったとき、高級車に乗った富裕層がどんどん買いに来る姿を見ました。マスを対象とするビジネスは淘汰される一方。「これからの中小企業は高級化が必要」と考え、1982年に洋菓子を専門とする「マールブランシュ」を京都・北山にオープンしました。

中村 事業のライフサイクルは20年といわれます。事業を見直し、新たな分野へ挑戦されたのですね。

河内(誠) 30店舗あった外食店は、京都駅など立地の良い3店舗以外を閉鎖。しばらくはマールブランシュ事業も赤字で業績は下がりました。7年目に百貨店へ初出店して以降、2005年まで百貨店への店舗展開に注力した結果、売り上げが伸びて少しゆとりができました。しかし、利益率は1%程度と低いまま。競合店がひしめく世界ですから、新商品を出すと一時的に売り上げは伸びるもののライバル店もすぐに新商品を投入する繰り返しで、止まらない電車に乗っているような緊張感が常にありました。売り上げ基盤が不安定な状況のまま拡大することへの危機感もあり、抜本的な改革として打ち出した指針が「京都クオリティ」でした。

中村 打った手を具体的に教えてください。

河内(誠) 商品と店舗の見直しです。厳選素材を使い、特製ホワイトチョコレートをお濃茶ラングドシャに挟んだ『茶の菓』を開発。京都発の洋菓子として支持されました。また、京都エリアに店舗を絞ることで「京都」というブランド・アイデンティティーが明確になりました。こうした戦略が奏功し、店舗数は減ったものの売り上げは伸び、ここ10年は経常利益率が5~7%まで上がっています。

中村 創業以来、2回の大きな転換期を乗り越えて今日を迎えられています。京都クオリティを「世の中にある本物を京都のほんまもんにする」固有技術として物語をつくり出したことが、成長と収益を両立させる起点だったのだと思います。

河内(誠) マールブランシュ事業のキーワードは「グローカル」。まずは京都のお客さまに支持される会社でありたい。2014年に導入した「ジョイフルバトンカード」(会員カード)や北山本店に開設したコンシェルジュルームはその一環です。

タナベ経営 常務取締役 中村 敏之
タナベ経営 常務取締役 中村 敏之
「次代の経営者育成なくして企業なし」をコンサルティングの信条とし、100年発展モデルへチャレンジする企業の戦略パートナー。豊富な現場経験に基づく「ビジョンマネジメント型コンサルティング(VM経営)」は具体的で、クライアント企業から分かりやすいと大きな信頼を得ている。関西学院大学卒。

中村 会員数はどのくらいですか?

河内(優) ジョイフルバトンカードは入会時に300円必要ですが、1年半ほどで約5万3000名まで増え、購入履歴などの情報を販売戦略に活用しています。また、コンシェルジュルームはウエディングケーキやバースデーケーキといった注文品のほか、お歳暮やお中元などを承るお得意さま専用の窓口としてご利用いただいています。北山本店の場合、会員比率は20%を超えていますね。

中村 グローカルとはグローバルとローカルを組み合わせた造語。まずローカル、すなわち地元ありき。地域の人々に愛されるからこそ、新たな顧客が生まれるのですね。グローバル展開についてはいかがですか?

河内(誠) 第一に、インバウンドの取り込みがあります。京都訪問者数の多い東南アジア地域へのPRを始めます。第二に、抹茶を使った新製品を開発し、ニューヨークやパリ、ロンドンなどを中心に販売する予定です。各種イベントに積極的に参加しているほか、香港や台湾などのアジア圏では贈答品需要が伸びているので、今後も注力していきます。国内出店は京都に特化して全国からお客さまに来ていただけるステージに高めていく一方、海外は販売促進を含めた展開を進めているところです。

安定すると守勢に回る挑戦こそ成長の原動力

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ロマンライフ 取締役 事業部長 河内 優太朗 氏
1984年5月26日生まれ。2007年同志社大学商学部卒業後、京都銀行、象印マホービン勤務を経て、2010年ロマンライフに入社。2012年マールブランシュ京都北山本店店長、2015年より現職である取締役事業部長に就任。

中村 マールブランシュ事業のほかにも、鶏料理を中心としたレストラン運営や関連商品の販売を手掛ける侘家(わびや)事業を進められていますね。

河内(優) 2002年に祇園(ぎおん)花見小路本店からスタートし、現在は京都に4店舗を展開しています。

河内(誠) スープやみそといった加工品を手掛けていますが、第二の商品開発という位置付けですね。マールブランシュはブランドが確立していますから、商品開発や販売戦略に制約が生じてきます。ニューブランドである侘家はもっと自由に開発を行い、広い視点からビジネスチャンスを模索する長期的な試みです。

小山田 京都クオリティをベースに新事業を開発し、多角化を進めていくのですね。

河内(誠) 社員の起業マインドを養う側面もあります。ブランドが確立しているからこそ、事業を起こすマインド、つまりチャレンジ精神を持たないと守勢に回ってしまいます。安定するほどチャレンジが大切です。

小山田 2014年にオープンした「加加阿(カカオ)365 祇園店」はチャレンジの表れですね。

河内(誠) 以前からチョコレートに関心はありましたが、そろばんが合わず手掛けていませんでした。しかし、2013年にニューヨークのチョコレート専門店が京都に進出したことで参入を決めました。京都に愛される洋菓子店を目指す上で、京都という商圏を守ることと、洋菓子に関する商品ならば何でもできる体制づくりは不可欠ですから。

タナベ経営 経営コンサルティング部 部長 小山田 眞哉
タナベ経営 経営コンサルティング部 部長
小山田 眞哉
開拓、製品開発による事業戦略構築に定評があり、食品メーカーの垂直統合戦略など、多くの中堅・中小企業の未来を共に創ってきた。経営管理機能のコンサルティングも多く手掛け、多くのクライアント先を成長に導いている。特に食品ビジネスを中心としたコンサルティングにはタナベ経営随一の実績を持つ。

小山田 加加阿365には、1年365日、それぞれの日のためのチョコレートがあります。365日、各日にふさわしい名前と紋がチョコレートに入っており、元旦は「始まりの日」、12月31日は「仕舞(しまい)の日」といった具合に365種類ある。チョコレートを通して毎日が特別な日だと感じられます。

河内(優) それぞれの名前や紋は京都の歳時記や祭り、習慣に由来しているのですよ。

中村 チョコレートでありながら京都をしつらえている。まさに京都クオリティですね。

河内(誠) チョコレートという「モノ」ではなく、京都という「コト」を売る。「日々是好日」をコンセプトに掲げ、チョコレートを通して「Everyday is a goodday」という喜びの提供を目指しています。今だから言えますが、プランを聞いたときは365種の型やパッケージ、掛け紙のコストなど、採算が心配でした(笑)。しかし、マーケットインで行くと腹を据え、お客さまに来ていただいてからそろばんをはじこうとスタートしました。

中村 マス・カスタマイズという言葉が注目され始めています。個別対応の標準化という意味です。私は「差別化の時代は終焉し、独自化の時代の幕が開いている」と提唱していますが、あらゆる産業でマス・カスタマイズを目指す動きが加速していると感じます。加加阿365 祇園店は、究極のマス・カスタマイズ事業ですね。初年度から黒字だとお聞きしました。

河内(優) 開店後3カ月間は赤字でした。4カ月目に単月黒字化を果たし、以降は順調に推移しています。

中村 早期に黒字転換したポイントが3つあると伺っています。

河内(優) まず、ブランディング活動により売り上げが伸びたこと。ロマンライフとしても肝いりの事業であり、各種メディアに取り上げられた効果が、3カ月後ぐらいから売り上げにも表れてきました。2つ目は、生産面の効率化です。全て手づくりですが、職人の試行錯誤によって生産効率が飛躍的に上がりました。半年後には作業時間が大幅に短縮され、製造原価が半分になったことが大きいですね。3つ目は「地域との共生」を重視した販売面の頑張りです。店舗は祇園の中心地にあり、オープン当初、店舗周辺の静かな生活道路に取材やお客さまが押し寄せて近隣にご迷惑を掛けてしまいました。その際、店長を中心にスタッフが真摯に対応したことで信頼感が深まり、周辺のお茶屋さんなどの紹介やクチコミによってお客さまがじわじわと広がっていきました。

中村 地元に愛されることが、さらに「特定多数」の顧客から支持される第一歩ですね。

毎日模様が変わるチョコレート『加加阿365』は、加加阿365 祇園店限定で提供している
毎日模様が変わるチョコレート『加加阿365』は、
加加阿365 祇園店限定で提供している

一人一人が成長し京都の誇りとなる会社へ

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タナベ経営 コンサルティング戦略本部
副本部長 戦略コンサルタント
福元 章士
経理・財務を専門分野として、建設、住宅、小売、自動車部品製造業、紡績業など幅広い業界でコンサルティングを展開。モットーは「現場で把握する"生きた数字"の意味についての理解を前提に物事を考えること」「1社でも多く経営がうまくいくよう誠心誠意協力すること」。関西学院大学卒。

福元 加加阿365は製造や販売、営業などの力が積み重なって成功したといえます。人づくりにおいて大切にされていることはありますか?



河内(誠) 当社の会長から継承した「大家族主義」という理念に共感しており、1 + 1 = 3に変えるチーム力を大切にしています。大家族主義には母性と父性が必要です。チャレンジを推奨し、失敗しても再チャレンジできる土壌があること。つまり、失敗を受け入れるベースとなる母性ですね。また、父性とは成長に向けて努力を促す厳しさであり目標。当社では、社員一人一人のスキルマップを作成し、タナベ経営にも協力いただきながら教育・訓練を行うロマンライフ大学で指導しています。私は、成長は義務だと考えます。全社員に今日より明日、来年へとどんどん成長することを義務付けており、それが経営理念の「社員の幸せ」にある物心両面の幸せの実現につながると信じています。

河内(優) 私も大家族主義に共感しています。当社は社員旅行や3カ月に1回のコミュニケーション会(食事会)などを続けており、社員同士の絆が強いと思いますね。そうした活動も含めて母性は浸透していると感じます。一方、父性である成長への貪欲さについては今後に期待する部分もあります。社歴が長くなるにつれて社内で新しい挑戦をする機会は減っていきますから、特に30代、40代の社員には外に目を向けてもらいたいですね。外部にコミュニティーを持つなどして新たな知恵や知識を吸収し、ロマンライフに新風を送り込んでくれることを期待しています。

福元 異質に触れることで会社を活性化させることは大切ですね。

中村 今後の展望として、次世代に期待することをお聞かせください。

河内(誠) 2015年、次世代幹部が「どのような会社にしたいか」を具体化した長期経営計画「サクセスナイン」を策定しました。社会への貢献、社員の幸せ、企業の繁栄という経営理念に沿って具体的な目標を設定しています。社員の幸せを実現するには経営を盤石にしなければなりません。そのためにはブランディングと財務体質の強化が必要であり、掘り下げると京都クオリティの追求に行きつきます。200年、300年、500年と続く老舗企業が京都にはたくさんあります。中小企業は社長が主役という側面が大いにありますが、社員一人一人が主役となる組織になれば良いですね。人が育って京都の誇りと言われる会社になれば、ますます京都の方に応援していただける。これほど盤石な基盤はありません。

河内(優) 私の世代で言えば、海外市場が大きなポイントです。直営店の展開や海外における商品販売のほか、訪日外国人のインバウンド消費を取り込むブランディングや広報活動など、多様なアプローチを通して世界に京都クオリティを発信していきたいですね。

中村 創業65年。未来永劫永続発展を掲げるロマンライフにとって100年は1つの節目といえますが、「3」という数字がそのキーワードになると判断しています。第一が、加加阿365 祇園店に代表される新たな領域への挑戦。つまり、3つ目の変革をいかに軌道に乗せるか。第二に、3つの事業領域の確立。事業格差の是正です。そして第三が、3代目への承継をスムーズに行うこと。京都クオリティを追求し、100年を迎えられることを祈念いたします。

加加阿365 祇園店の壁には、
加加阿365 祇園店の壁には、
"世界の「本物」を京都の「ほんまもん」にして
お届けします"とコンセプトが書かれている

●経営理念
1. 社会への貢献
私達は、お客様に真の感動と喜びを与える価値ある製品とサービスを提供し、豊かで新しい食文化の実現に貢献します。
2. 社員の幸せ
私達は、人生・仕事の出来事を絶対積極の精神で受け止め、自らを変革することにより、物心両面の幸せを実現します。
(社員とは、役員・正社員・パート社員の全従業員)
3. 企業の繁栄
私達は、京都クオリティを事業コンセプトとして、時流を先取りする創造と革新を続け、未来永劫永続発展出来る、オンリーワン感動創造企業を目指します。


PROFILE

  • (株)ロマンライフ
  • 所在地: 〒607-8134 京都市山科区大塚北溝町30
  • T E L : 075-593-6464
  • 設 立: 1951 年
  • 資本金: 3000 万円
  • 売上高: 60 億9800 万円(2015 年7月度)
  • 従業員数: 650 名
  • 事業内容: マールブランシュ事業部(洋菓子の製造・販売)、侘家事業部(自社鶏舎の運営と関連商品の販売・鶏料理を中心としたレストラン運営)
  • http://www.romanlife.co.jp/
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所