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今週のひとこと

目先の利益のために将来を犠牲にしては

いけない。将来のための発展経費を投資

しよう。





☆ 「働き方改革」今日の残り時間は・・・?

1日の就業時間を約8時間とすると、そこから食事や休憩時間を除けば、仕事をしている時間はさらに少なくなります。
皆さんの中で、職場にいる時間、常に集中して仕事に取り組むことができる方はどのくらいおられるでしょうか。


複数の案件を同時に対応している方も多いかと思いますが、筆者は、ひとつのことに没頭してしまうと、時間が経つのも忘れてしまい、他の仕事に取り組む時間が無くなってしまうことがよくありました。そこで、仕事を終え自宅に帰る前に、翌日の仕事・スケジュールを整理するようにしました。
お客様と会う予定や会議など時間が確定している仕事、締め切りが迫っている仕事、また、予定していなかった突発的な仕事に対応するための時間など、1日をいくつかの区切りで分けています。


1日の限られた時間の中では、できる仕事も限られます。その中で、今自分が何をしなければならないのか、時間に追われるのではなく時間を有効に活用するにはどうすればよいのかをきちんと考え、自分自身の「働き方改革」を実践していきましょう。

今日の残り時間は、あとどのくらいですか?

コンサルティング戦略本部
コンサルタント
浅田 陽士





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スピードある意思決定と3つの開発投資


リオデジャネイロオリンピックの閉幕式で、次回開催地・東京のプレゼンテーションが話題を呼んだのは記憶に新しい。ゲームキャラクターのマリオに扮(ふん)した安倍晋三首相の登場、AR(拡張現実)を駆使した最新技術による演出など、その完成度の高さから早くも2020年東京大会への期待感が高まっている。

世界の目は、すでに4年後を見ている。そろそろ企業経営者も、2020年までではなく、「ポスト2020年」を見据えた経営革新の準備が必要であろう。

具体的には、「スピードある意思決定」と「3つの開発投資」が欠かせないと私は考える。

衰退企業、倒産企業に共通する特性は「意思決定が遅い」ことであり、その要因は「問題の先送り体質」にある。細かい問題に目をつぶって先送りし、目に付く大きな問題にもおざなりの対策を打つだけで、抜本策は講じない。これでは衰退の一途をたどるしかない。今こそ「聖域なし」で課題を解決する、スピードある意思決定が求められる。

また同時に、企業の成長発展に欠かせない開発には、「市場開発」「商品開発」「人材開発」の3つがある。次に、経営革新のための3つの開発投資について説明しよう。

市場開発投資には、販売促進費や販売奨励金といった、販売を増やすためのコストだけでなく、販売モデルそのものを変えるための調査・分析コストなどもある。厳しい業績を理由に市場開発コストを削り、さらに業績が悪化。従来通りの販売モデルで売り続けて競争力が低下した――というのはよくある話である。

次に、商品開発投資。製品開発・仕入れ開発・サービス開発と幅は広いが、全てが新規開発とは限らない。既存事業の商品やサービスをさらに磨き込み、顧客にとっての魅力を高めるべきである。

最後に、人材開発投資。「企業は人なり」といわれるように、企業の10年後を左右するのは人材だ。拠点を展開するにも、新たな事業を立ち上げるにも、必ず人が制約条件になる。資金に余裕があるときだけ教育していては、人は育たない。将来のビジョンと、その将来に必要な人材像を描き、計画的・継続的に教育を行わなければ、いつまでたっても人材はそろわない。

スピードある意思決定と、市場開発・商品開発・人材開発という3つの開発投資によって、顧客から選ばれる企業になろう。


■筆者プロフィール

タナベ経営 コンサルティング戦略本部 東京本部長
齋藤 正淑 Masayoshi Saito
中堅・中小企業の総合的な経営基盤強化を、収益構造の再構築により達成するタナベ屈指のコンサルタント。経営ビジョン・戦略策定、中期経営計画の策定、財務・資本政策立案、事業承継戦略構築を得意とする。






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顧客満足度の向上を目指し社員の人間性とスキルを磨く


沼津ヤナセ・ホールディングス 代表取締役 名取 正純 氏

3つの行動指針に表れる人材の考え方

2016年6月にショールームとサービス工場を新設した、メルセデス・ベンツ沼津を擁する「沼津ヤナセ・ホールディングス」。1962年に創業し、2017年に創業55周年を迎える同社は、静岡県東部の輸入車ディーラーの中で最も長い歴史を持つ老舗である。本社以外にも伊東市、御殿場市に拠点を有するなど、地域に密着しながら顧客満足度の向上に努めてきた。

「対象エリアは伊豆半島も含んだ沼津以東の県内です。輸入車ディーラーでは珍しく、エリア内に3つも拠点を設けているのは顧客ファースト(第一)を貫き、迅速に対応するためです」

経営方針をそう説明するのは、代表取締役の名取正純氏だ。

経営方針である顧客満足度の向上を実現するため、同社では「先(ま)ず善き人間であれ」「プロフェッショナルであれ」「基本に忠実であれ」という3つの行動指針を掲げている。

5S活動で企業文化を一新

行動指針を制定したのは、名取氏が創業者である父より経営を任されてから4年後の2003年にさかのぼる。経営の目指すべき方向性を明らかにするとともに、社員の意識改革にも着手した。

まず取り組んだのが5Sである。名取氏は大阪のある鋳造メーカーへ7、8人ほどの社員を視察に送り出した。

「トップダウンで私が指示するよりも、本人の肌で感じる方が刺激になると考え、5Sに本格的に取り組んでいる企業へ視察のお願いをしたのです。その効果はてきめんでした。視察先から戻った社員は自発的に5S活動へ取り組むようになったのです」(名取氏)

5Sの目的は単に職場を清潔にするだけではない。同活動を通して社員の仕事に対する意欲を養うことである。企業文化の一新を狙った名取氏の思惑は見事に的中。その後も沼津ヤナセ・ホールディングスは、全国のメルセデス・ベンツのディーラーにおける5S活動日本一を目指し、社員の自主性を育んできた。

幹部候補生スクール後は経営会議で再教育

人材育成に対し惜しみなく投資をする同社は、社内のOJTだけでなく社外研修を積極的に導入して、社員の意識改革やスキル向上に取り組んでいる。

メーカーの研修では行動指針にもあるプロフェッショナルとしてのスキルを磨いて、タナベ経営の研修ではビジネスパーソンとしてのマインドを高めているという。2004年には名取氏自らが社長教室に参加した。その後は毎年、幹部候補生スクールをはじめとした各種セミナーに多くの社員を送り出している。

「時間とお金をかけて行うから効果があるというのが私の持論です。せっかくの貴重な時間とお金を使うわけですから、社員には『タダで帰るわけにはいかない』という意識を持って参加してもらうようにしています。タナベ経営の研修の効果は大きく、参加後の社員がより意欲的に仕事に取り組むなど変化を感じます」(名取氏)

研修に参加した社員には報告書作成と、経営会議での報告を義務付けている。さらに、幹部候補生スクールに参加した社員は経営会議でオブザーバーとして出席、経営課題を認識させている。「経営会議を再教育の場としても位置付けています。幹部候補生スクールで学んだことを、実際の仕事に落とし込んで考えてもらう」(名取氏)という狙いがある。

実践的な学びの場を与えるなど、独自の人材育成方法を推し進める沼津ヤナセ・ホールディングスは、将来に対する布石も打っている。それが、地元の静岡工科自動車大学校の奨学生を対象にした奨学金支援である。卒業後に同社へ入社すれば、奨学金返済額の3~4割ほどを同社が負担するという制度を開設。その1人目となる学生の入社を3年後に控えている。社員を顧客満足度向上のエンジンと捉え、次代を担う人材の確保にも余念がない。

PROFILE

  • 沼津ヤナセ・ホールディングス株式会社
  • 所在地: 〒411-0906 静岡県駿東郡清水町八幡17-1
  • TEL: 055-971-6820(代)
  • 創業: 1962年
  • 資本金: 2500万円(グループ計)
  • 売上高: 40億円(グループ計、2015年9月期)
  • 従業員数: 63名(2016年9月現在)
  • http://www.n-yanase.jp/

タナベ コンサルタントEYE
他社との差別化が難しい自動車販売業界において、沼津ヤナセ・ホールディングスは「善き人間」づくりを根底にした人材育成によって差別化を図っている。特徴は、幹部候補生スクールへ派遣した社員を、その後、経営会議にオブザーバーとして参加させることである。より実践的に学ぶことで、研修内容が身に付くのだ。研修で学んだ内容を定着させるには、社内でのフォローが必須となる。社員本人のモチベーションだけに任せていては限界がある。社員を研修に派遣しても一向に変化が見られない企業は、ぜひ同社を参考にしていただきたい。


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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所