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今週のひとこと

部下一人ひとりの強みを知ろう。

組織を動かすとは、強みを生かす

ことである。





☆ 君の話を聞きたい!

チームメンバーの力を最大限発揮させ、最高のチームをつくるためのメンバーの適性や考え方が分からない。もし、あなたが社会人経験が豊富なベテランで、そうした悩みをお持ちであれば、たまには若いメンバーを食事に誘って、じっくりと話を聞いてみるのもいいかもしれません。

筆者(20代)は上司(40代)とよく話をします。仕事のことだけでなく、プライベートのことについてもです。上司は私の話をしっかりと聞いた後に、こう言います。「君が考えていることは大体わかるよ」と。
そのような上司ですので、たとえ苦手な仕事を頼まれても、きっと何か考えがあってのことだろうと、前向きに取り組むことができます。


私は、タナベ経営の採用チームに所属しています。メンバーは、この上司を除いては若いメンバーばかりです。採用活動では良い結果が出せていると自負していますし、それぞれのメンバーの能力が生かされたすばらしいチームだと思います。

若いメンバーを食事に誘っても、なかなか来てくれないとお悩みであれば、こう言ってみてください。「君の話を聞きたいんだ」と。
そして、メンバーの話をしっかりと聞いてあげてください。


経営管理本部
採用チーム
大垣 雅洋





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活躍するチーム――"仲良しクラブ"の危険性


米・ミネソタ州にある総合病院「メイヨー・クリニック」。1人の患者に対して複数の診療科目の医師がチームを組み、最適な治療方針を探るという手法で世界中から注目を浴び、多くの患者が訪れている。チームの力が大きな成果を出している好例である。

だが、単に人が集まればチームとして機能するわけではない。人間は、1人の場合には100%の力を発揮できても、集団の一員になると持っている力を出し惜しむ特性を持っている。また、対立を好まず、仲良く明るい雰囲気で仕事をしたがる。これが行き過ぎると、十分な成果を出せなくても「今回は残念だったが、次は頑張ろう」で済ませてしまう。

衝突を避けてばかりいるチームが活躍し続けるケースは少ない。解決していない課題が積み重なり、時間の経過とともにチームがほころんで、うまく機能しなくなるからだ。これが、"仲良しクラブ"が危険な理由である。

個々の社員の能力がどれだけ高くても、それがチームの力として発揮されなければ企業は成り立たない。いかにして個を「チーム」へと進化させていくか。そのために大切なことは、混乱を恐れないことだ。「従来はこのやり方だった」という惰性を覆し、常識を否定し、役職や肩書にも動じない「健全なルール破壊者」が必要なのである。

接着や塗装において、材料表面の微細な凹凸に接着剤が入り込んで硬化し、接着力が高まることを「アンカー効果」という。ガラスのように表面が平らで滑りやすい面ほど、接着効果は低くなる。強度を高めようと思えば、接着する面は多少荒れていた方がよい。

一見、平穏に見える建前よりも、一時的に荒波が立っても本音で接する関係の方が、チームとして活躍する力を強めることになる。ガラスのチームよりも、多少はトゲのあるチーム。荒波を乗り越えたチームの強さは本物だ。


■筆者プロフィール
タナベ経営
戦略総合研究所 副本部長
日高 義仁 Yoshihito Hidaka
タナベ経営コンサルティング部門、ネットワーク本部(現マネジメントパートナーズ本部)を経て2016年より現職。顧客最適の新たな価値創造に向けたチームマネジメントを、スタッフとしてサポート。全社ラインメンバーとの連携で「変化と成長」を加速化している。「シンプル&スマート」をモットーに、日々情報を発信中。





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体系的な人材育成制度で顧客と社員のハッピーをつくる

ホームテック 管理部 部長 浦野 康博氏
ホームテック 管理部 部長 浦野 康博氏

住まいのリフォームで顧客の暮らしを豊かに

東京の多摩エリアを中心にリフォームを手掛けるホームテック。同社が展開するリフォーム専門大型ショップ「リフォームプライス」は、大手メーカーの製品に触れながら選べるショールームだ。リフォーム後がイメージしやすい豊富な製品群と店舗スタッフによる的確なアドバイスによって、多摩エリアにおいてトップブランドの地位を築いてきた。

しかし、同社が顧客から選ばれ続ける理由はそれだけではない。リフォームに対する独自のスタンスが顧客の信頼を深めているのだ。

同社が実施するリフォームは、家の修繕だけを行う一般的なリフォームとは一線を画している。それを象徴するのが『おばあちゃんとクレヨン』という物語である。代表取締役の髙橋久明氏が営業担当者だった時代に経験した、ある年配の女性顧客との交流を描いた物語だ。

「お客さまが日頃楽しみにしていたのは、隣の市に住むお孫さんが遊びに来ることでした。そこで髙橋は、構造上全く必要のない白い壁を取り付けることを提案。お孫さんが落書きできるよう、インクが拭き取れる素材でできた壁を設置したのです。落書きすることを楽しみにお孫さんの訪問頻度が増え、お客さまは見違えるほど明るくなられました。

つまり、当社が目指しているのは、住まいを改修する『モノビジネス』ではなく、お客さまの暮らしを生き生きと輝くものにする『コトビジネス』なのです」

ホームテックの事業姿勢をそう説明するのは、管理部部長の浦野康博氏である。同社は、顧客の住まいの悩みだけでなく、生活の在り方や生きがいをヒアリングして、生き生きとした暮らしの実現を目指している。それが多くの顧客から支持される理由だ。

「カッツモデル」を活用した社員教育を展開

顧客により良いリフォームを提案するために不可欠なのが、接客スキルの高い人材である。そこでホームテックでは、顧客満足度の向上を図るために、商品知識や施工知識はもちろん、潜在ニーズを探り出す力や提案力の強化を目的とした社員教育に注力している。

「『カッツモデル(※)』を応用した教育制度をタナベ経営から提案いただきました。実務に求められる能力をテクニカルスキル、ヒューマンスキル、そしてコンセプチュアルスキルの3つに分類し、階層に応じてウエートを変え、スキル向上を図るというものです。その提案に沿って、まずは新入社員のテクニカルスキルを向上させる研修プログラムを開発しました」

※ 米ハーバード大学のロバート・カッツ教授が提唱したマネジメントに必要な3つのスキル

管理部で人事を担当する宮﨑真吾氏は、人材育成に対する取り組みをそう説明する。

具体的な施策として導入しているのが、入社1年目の新入社員を対象にした「300時間研修」。この研修では、リフォーム対象であるトイレ、浴室、キッチンなど住空間の10カ所について、それぞれ30時間かけて学ぶというものだ。各住空間の基本知識や施工知識を身に付けて、顧客に分かりやすく説明する能力を養っている。

幹部候補生スクールで店長に経営者の視点を

こうした社内研修とともに力を注いでいるのが、社外研修である。タナベ経営の幹部候補生スクールにも多くの社員を送り出している。

「幹部候補生スクールには、新任の店長が参加しています。当社の大規模店は年商7、8億円なので、経営者としての視点や財務の知識を身に付けてもらいたいという狙いです」(浦野氏)

スクール受講後の新任店長は、売り上げや営業利益アップの施策へ積極的に取り組むだけでなく、若手社員向けの研修に対して改善策を提案するなど、若手の育成に対する意識も高まったという。

「当社の最大の財産は人材。今後は、カッツモデルのテクニカルスキルをベースに、ヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルの向上が図れる育成プログラムを整備します。その上で、新入社員のうちから成功体験を積ませて仕事を好きになれるような環境をつくり、2~4年目の社員には得意分野が持てる研修を実施。5年以上の社員にはマネジメントや営業、施工管理など自分に合ったキャリアパスが選べる仕組みづくりを考えています」(宮﨑氏)

リフォームを通じて地域の人々の豊かな暮らしを支援するホームテック。より手厚いサービスを提供するために人材育成体制を進化させ続けている。

ホームテック 管理部 マネージャー 宮﨑 真吾氏
ホームテック 管理部 マネージャー
宮﨑 真吾氏

PROFILE

  • ホームテック株式会社
  • 所在地: 〒206-0011 東京都多摩市関戸1-1-5 ザ・スクエアE棟6F
  • TEL: 042-356-8901
  • 設立: 1991年
  • 資本金: 5000万円
  • 売上高: 56億9900万円(2016年3月期)
  • 従業員数: 171名(2016年3月31日現在)
  • http://www.hometech.co.jp/

タナベ コンサルタントEYE
ホームテックが手掛けるのは、リフォームを通じた顧客の心豊かな暮らしづくり。その実現のため、ヒアリングを行う際には、顧客がどんなときに「至福」を感じるかを必ず聞くという。住空間の不満や不便を解消するだけでは、豊かな暮らしを実現できないからだ。カッツモデルをベースにした体系的な教育制度によって、第2、第3の『おばあちゃんとクレヨン』のような物語を目指し、同社の挑戦は続く。

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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所