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今週のひとこと

全員の足並みをそろえるには、容易では

ない。やる気のあるメンバー、やれる

メンバーを軸に、まず行動のリズムを

つくり出そう。





☆ チームの目標をメンバー全員で共有しよう

 筆者が所属するマネジメントパートナーズ本部は、全国各地の金融機関や会計事務所とのアライアンスを通じて、地域経済の発展に努めています。

 日頃から多くのクライアントとディスカッションをする中で、先日ある金融機関の業績トップと最下位の支店、それぞれで働く行員の方々と話をする機会がありました。
 その際に感じた二つの支店の違いは、「目標に対する意識と情報の共有化」と「レスポンスのスピード」です。業績トップの支店は、メンバー間で情報を共有し意識も統一されているため、全員が同じ方向を向いています。それは、メンバーの力が十分に発揮され、目標に向けての対応が自然とスピーディーになる。すなわち、それがレスポンスの速さとなり業績にもつながっています。また、店舗内で目標達成に向けての一体感が醸成されているため、メンバーのモチベーションも高水準で維持できています。


 一方、業績が最下位の支店では目標や数字を理解していないメンバーが多く、チームの力は分散し無駄な動きが多くなっていました。その結果、レスポンスは遅くなり、業績も上がりません。
 この二つの支店の違い、メンバーの意識もさることながら、支店長やリーダークラスの目標への意識の違いが明確でしたので、最下位の支店では研修を実施しました。近々、業績が最下位だった支店に訪問する予定です。支店の雰囲気や業績がどのように変わっているかが楽しみです。


マネジメントパートナーズ本部
芝原 宏典





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「当たり前レベル」を格段に上げる仕事の8カ条


私は多くのクライアントと長く関係を保っている。さまざまな企業を長期間にわたって見ていると、「良い習慣は『当たり前レベル』を上げ、能力格差を超える」ということに気付いた。業績の良い会社は当たり前として日々実行している業務レベルが高く、それが習慣化しているのだ。

逆に業績の芳しくない企業でも、良い習慣を根付かせることによって、社員の「当たり前レベル」を向上させ、その結果として業績も伸ばすことは十分に可能である。

では、どのようにすればよいのか。私は、クライアント先で次の「当たり前レベルを上げる8カ条」を実践するように教育・指導している。

第1条:計画主義と重点主義
仕事の計画を策定し、重要度を評価すること。計画もなく、すぐに仕事に取り掛かってはいけない。また重点を絞ることで、無用な仕事を排除できる。

第2条:効率優先主義
仕事は最短コースを選ぶこと。常に最短で進めるためにはどうすればよいのかを考える。

第3条:反省の習慣
仕事は区切りごとに、「自分の業務遂行プロセスは最短であったか?」と必ず冷静に振り返ること。反省は、次回のレベルアップにつながる。

第4条:結果主義
仕事はプロセスも大事だが、結果はもっと大事である(プロセスだけを重視していては、仕事の結果に甘えが出る)。

第5条:シンプル・イズ・ベスト
事務作業、管理業務、資料のまとめなど、全てはシンプルであることがベストである。

第6条:整理整頓主義
整理整頓は仕事の迅速性を左右する。

第7条:目線を高く
自分の役職や立場で仕事を考えるのではなく、上位者の目線で考えること。

第8条:自己研鑽(けんさん)
常に向上心を持って自己研鑽に励む。自己研鑽は自分の仕事を面白くし、チャレンジ精神の源泉にもなる。

自社においても、社員にこれらの8カ条を実践させ、仕事の当たり前レベルを上げていただきたい。


■筆者プロフィール
タナベ経営 コンサルティング戦略本部
支社長代理 戦略コンサルタント
阿部 和也 Kazuya Abe
金融機関を経てタナベ経営に入社。企業の現場から"ムリ・ムラ・ムダ"を排除し、着実に利益を積み上げ企業体質を強化させるコンサルティングを得意とする。実務経験に基づく「利益を中心とした経営管理手法」で、赤字体質を脱却した事例は多数。鋭い分析と大胆な戦略で、収益構造の抜本改革や財務体質の強化を実現させ、併せて幹部社員の人材育成も行っている。中小企業診断士。





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畜産業の発展を目指して
「次世代リーダー育成塾」を開催



日本全薬工業 取締役 営業本部 副本部長 兼 LA事業部長
黒田 英一郎氏


経営理念を具現した人材育成塾を開催

2016年に創業70周年を迎えた日本全薬工業(ゼノアック)は、国内最大手の動物用医薬品メーカーだ。開発から製造、輸入、販売まで行う業界唯一の存在である。

同社は1946年に福井貞一氏が設立し、牛馬用動物薬の開発を手掛けていた。福井氏は1961年、視察先の米国で畜産先進国の事情を目の当たりにし、「畜産業の発展こそが動物用医薬品メーカーの成長につながる」との確信を抱く。以来、この思いは経営理念として、今に至るまで脈々と受け継がれている。

医薬品の提供を通じて畜産業の発展に寄与してきた同社が、2016年10月より新たな取り組みを始めた。タナベ経営と連携し、畜産業関係者を対象に「次世代リーダー育成塾」を開催したのだ。

「リーマン・ショックや東日本大震災により、畜産業を取り巻く環境は厳しいものがあります。しかし、畜産業界は将来も発展していかねばなりません。畜産業界の発展に寄与することは、動物用医薬品メーカーとしての使命であると高野(代表取締役社長)も日頃から強く考えていたところ、タナベ経営から提案があり、(畜産業の)次世代を担う将来の経営候補者を対象に、経営を体系的に勉強できる機会をつくろうということになりました」

そう語るのは、同社の取締役営業本部副本部長兼LA事業部長の黒田英一郎氏。この構想が浮上したのは、2015年の暮れのことだったという。

酪農家同士の新たな交流が生まれる

「次世代リーダー育成塾」の意義をまず社内で徹底させるために、タナベ経営と共に社内説明会、検討会、勉強会を実施した。その後、カリキュラムの作成など細部を詰め、東日本の酪農家を対象に育成塾をスタートした。セミナー会場は利便性を考慮して、日本全薬工業の東京支社を利用した。

「20~30代の若い経営者候補など、多くの方々に参加をしていただきました。私たちが考えていた以上に皆さんの意識は高く、驚きました。大手酪農家のご子息や、将来の幹部候補、さらには獣医の先生や酪農組合の職員など、立場の異なる方々が集まり、有意義なセミナーになったと感じています」(黒田氏)

育成塾の第1回は「原理原則」(企業経営と後継者の使命)、第2回が「事業戦略」(時流に合わせた事業戦略の構築)、第3回では「計数」(損益計算書や貸借対照表、損益分岐点分析など)といったように、経営を体系的に学べる内容で構成。講義とグループディスカッション、さらにはケーススタディーを取り上げながら、各テーマを掘り下げていった。

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CC経営推進本部 事業開発室 小川 雅史氏

経営を体系的に学べるセミナーを開催

会ったことのない酪農家が一堂に会したことで、予期せぬ化学反応も起きたという。それは参加者同士の連帯感が生まれたことだった。

「経営を体系的に学べる機会になったことは言うまでもありませんが、今まで会ったことがない同業者とのつながりができ、大きな財産になっているようです。酪農家として同じ悩みを抱えていることに気付き、それを共有しながら、どうすれば未来を築けるのかなど、意見交換をしている姿が目に付きました」

同育成塾の運営を手掛けてきた、CC経営推進本部事業開発室の小川雅史氏はそう語る。育成塾ではセミナー終了後の懇親会を特に設けなかったが、参加者たちは自然発生的に誘い合って食事へ行くなど、活発な交流が行われたという。

同社の社内でも大きな変化が起きた。営業担当者の「意識変化」である。育成塾の案内を通じ、酪農家との距離感が以前に増して近くなったのだ。また、酪農家が抱える課題を知ることで、より広い視野から顧客をサポートしたいという思いを抱くようになったという。

「(酪農家とは)動物用医薬品販売という接点しかありませんでしたが、『酪農経営』という、お客さまの背景に興味を抱くようになったことはうれしいですね」(黒田氏)

好評を得た次世代リーダー育成塾の今後について、黒田氏は「養豚や養鶏など、その他の畜産家にも対象を広げたい」と意気込む。創業70周年を機に、動物用医薬品だけでなく「人材育成」という新たな畜産業支援策に乗り出した日本全薬工業。同社の挑戦は続く。

「次世代リーダー育成塾」のパンフレット
「次世代リーダー育成塾」のパンフレット

PROFILE

  • 日本全薬工業㈱
  • 所在地 : 〒963-0196 福島県郡山市安積町笹川字平ノ上1-1
  • TEL : 024-945-2300(代)
  • 設立 : 1946年
  • 資本金 : 1億7000万円
  • 売上高 : 280億円(2016年3月期)
  • 従業員数 : 697名
  • (2016年4月現在)
  • 事業内容 : 動物用医薬品および医療機器などの研究開発・製造・輸入・販売
  • http://www.zenoaq.jp/


タナベ コンサルタントEYE
動物用医薬品業界におけるリーディングカンパニーである日本全薬工業。経営理念にある「動物の価値を高め、社会の幸せに貢献する」という社会的使命の実現を目指す。取り組んでいる「次世代リーダー育成塾」は、実践的な経営を学べる上、ゲスト講師によるケーススタディーによって、より講義内容への理解を深められる点が特徴だ。畜産業界の未来価値創造のため、同社による畜産業界に関わる取引先企業の「夢(中期ビジョン)の見える化」支援は続く。
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    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所