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今週のひとこと

人づくりだけでは人は活かされない。

活躍の場を与え、正しく評価することが

活力ある社風をつくる。

☆ 採用方法を見直せば、「ヒト」は集まる

 「採用が難しい」「まだ採用活動を続けている」「うちのような会社に学生は来ない」...。
 まもなく11月を迎える今も、多くの人事・採用ご担当者の方々が、このような悩みを抱えていらっしゃるかと思います。当面は、売り手市場という環境が変わることはないでしょう。しかし、会社は存続のために「ヒト」を採らないわけにはいきません。

 採用に関する悩みは膨らみ続けているのに、これまでと同じ採用方法を続けていませんか。環境変化に応じてビジネスモデルを変革するように、採用を取り巻く環境が変われば、採用方法も変えていく必要があります。いまの採用方法のどこに課題があるのでしょうか。

1.学生に魅力が伝わっていますか?

 新卒採用において、学生との初めての接点は、学校での会社説明会・合同企業説明会・インターンシップ等、実際に学生と会うことのできる場面だけではありません。SNSでの発信や、採用ホームページなど、学生に魅力を伝える手段はいくらでもあります。また、取引先・クライアントに伝えるべき魅力と、学生に伝えるべき魅力は、必ずしも同じとは限りません。

2.今の学生は会社のどこに魅力を感じているのでしょうか?

 学生が入社後の自身の姿を想像したときに、キャリアを描けるような教育体系はできていますか。また、長時間労働やサービス残業の有無を気にしている学生も少なくありません。貴社は、ご自身のお子さんに自信を持って入社をすすめることができますか。

 今後の採用活動のルールについては現段階では未確定な部分も多いですが、採用方法を変革させるきっかけとなるかもしれません。
いま一度、「採用」という切り口から、貴社の課題はどこにあるのか見つめ直してはいかがでしょうか。

経営コンサルティング本部
人材開発コンサルティング部
鍋島 真由

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自社株の「納税猶予制度の改正」は冷静に見極めよう


経営者の最大の仕事は"後継者を決めること"である。その仕事は経営者となったその日から始まると言ってよい。経営者は常に長期を展望し、企業を存続させることを第一に考えなければならないのだ。

しかしながら、現代の日本にはその後継者が不足している現実があり、多くの経営者が頭を悩ませている。経済紙も「後継者不足で大廃業時代が訪れる」と警鐘を鳴らす。その記事によれば、現在120万社以上が後継者不在の状態にあるという。そして東京都大田区や大阪府東大阪市の製造業者などが引き合いに出され、「技術承継を急がなければ、モノづくり大国・日本の未来は暗い」と問題提起する。そうした面においても、事業承継はもはや一企業やオーナー経営者個人レベルの問題ではなく、日本経済の行く末を左右する大きなファクターになっていると言えるのだ。

そういった現状において2018年度の税制改正の目玉として登場したのが自社株の「納税猶予制度の改正」である。この制度は今から10年前の2008年に初めて創設されたものだが、この10年間で事業承継の対策としてはほとんど使われなかったと言ってよい。その理由は雇用維持の条件であったり、対象となる株式が全株式の3分の2が上限であったり、納税猶予額に80%の制限があったためであるといわれる。

今回の改正ではそれらの条件がほぼ緩和されており、事業承継に悩むオーナー、中堅・中小企業のカンフル剤として期待されている。事実、多くのオーナー経営者や税理士なども大いに注目している。これを機に、一気に事業承継が進むことも予想される。

しかしながら、注目度が高いばかりに、一種の"過熱的なブーム"になるのではないかという懸念もある。制度を使うことが目的となり、そのために後継者を慌てて決めるようなことがあれば、それは本末転倒でしかない。経営者の最大の仕事は"後継者を決めること"なのである。そこを起点にしてこの制度が使えるかどうか、冷静に判断すべきだろう。


タナベ経営 経営コンサルティング本部 副本部長 中須 悟 Satoru Nakasu

■筆者プロフィール
タナベ経営
経営コンサルティング本部 副本部長
100年経営研究会 リーダー
中須 悟 Satoru Nakasu

「経営者をリードする」ことをモットーに、経営環境が構造転換する中、中堅・中小企業の収益構造や組織体制を全社最適の見地から戦略的に改革するコンサルティングに実績がある。CFP®認定者。

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「患者様中心主義」の医療を目指して創業
ナカジマグループ《前編》

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わずか8坪の小さな店舗からスタート

北海道札幌市に本社を構えるナカジマグループは、調剤薬局業界のパイオニアだ。グループの中核企業であるナカジマ薬局は、保険調剤薬局、医薬品小売り、治験事業、訪問看護事業を展開し、北海道を中心に54店舗を展開。ナカジマ薬局のほか、日本薬剤、北海道ジェネリック、エヌの4社で構成され、グループ全体で155億円(2016年9月期)を売り上げる。

ナカジマ薬局は1977年、グループ最高経営責任者社長の中島久司氏が、帯広で1号店を開店して創業。8坪の小さな店からのスタートだった。当時は医薬分業が進んでおらず、薬は病院でもらうのが当たり前だった時代。そんな中、調剤薬局を開業するという中島氏の決断に、「なんて無謀なことをするのか」と、周りは猛反対だったという。
※薬の処方と調剤を分離し、処方を医師、調剤を薬剤師が分担して行うこと

しかし、「これからは日本も医薬分業の時代になる」という直観と、何より「患者さんの近くで、患者さんと話のできる薬剤師になりたい」との思いが強く、決意は変わらなかった。

中島氏は開業前、道北の病院で薬剤師として勤めた経験がある。「薬剤師になれば、患者さんに寄り添った仕事ができる」と思い入職したが、現実は違った。勤めた病院が薬剤師不足だったこともあり、待っていたのは業務に追われる毎日。「とにかく早く、多くの調剤をこなせばよい」という当時の仕事に、次第に疑問を感じるようになった。「薬剤師にいろいろ聞きたがっている患者さんと向き合い、答えることもできない。これで患者さんの役に立っていると言えるのか」

さらに、医師や看護師中心だった病院や医療の在り方にも疑問を感じ、「患者中心の医療を実現させたい」思いが募っていったという。

そうした中、1974年、診療報酬の改定によって処方箋料が100円から500円へ一気に引き上げられた。つまり処方箋を発行すれば、今までの5倍の収入が得られる制度に変更されたのだ。「医薬分業元年」とも呼ばれたこの年の改定が、中島氏を一気に開業へと突き動かしていった。

ナカジマグループ グループ最高経営責任者 代表取締役社長 薬剤師 中島 久司氏
ナカジマグループ グループ最高経営責任者
代表取締役社長 薬剤師
中島 久司氏

ナカジマ薬局 常務取締役 薬局事業本部長 薬剤師 中島 史雄氏
ナカジマ薬局 常務取締役
薬局事業本部長 薬剤師
中島 史雄氏

「患者様中心主義」を実践

開業当時、中島氏は何よりもまず「薬剤師として信頼を得ることが先」と考えた。というのも、当時の薬剤師の中には市販の薬を小分け容器に詰め替えて高値で売る者や、副作用について説明が不十分な者もいて、医師からの評判は芳しくなかったからだ。

そこで、処方箋をただ待つのではなく、医師とのコミュニケーションを重視し、医師の患者との接し方や薬の出し方などを学んでいった。

さらに、医師へかからず薬をもらいに来た患者に対し、医師に診てもらうよう紹介状を書いて諭すこともあったという。こうした"患者本位"の取り組みで、医師や患者から徐々に信頼を得ていった。

同社は「患者様中心主義」を実践するため、他社にない数々の取り組みを行っている。薬剤師が患者の自宅へ電話をかけ、服薬の状況などを聞くテレフォン服薬サポート®もそのひとつ。「自分たちの調剤した薬が効いたのかどうか、何も分からないまま薬を出すのはおかしい」と感じていた中島氏が発案したサービスで、1983年から開始。今では年間4万件以上の電話をかけ、患者のサポートに貢献している。

これには患者も「薬剤師がこんなことまでしてくれるなんて」と驚き、喜んでくれたという。こうした取り組みに、最初は反発する薬剤師もいたが、患者の笑顔が返ってくるたび、次第にやる気になっていった。

他にも、24時間365日の緊急問い合わせ電話受け付け、薬剤師の指名制度、患者送迎サービス、車に乗ったまま薬を受け取れるドライブスルー調剤、スマートフォンでの処方箋受け付け、在宅調剤、管理栄養士を交えた食事指導など、サービスが充実。全ては"患者様中心"の考えから生まれたものだ。

企業理念である「患者様中心主義」を実践・継続する上で欠かせないのが人材育成だ。ナカジマグループの未来を担う人材の育成に向け、同社は今、ナカジマ薬局常務取締役薬局事業本部長の中島史雄氏を中心として、タナベ経営と共に新たな取り組みを始めている。

(次号へ続く)

PROFILE

  • ㈱ナカジマ薬局
  • 所在地 :〒060-0010 北海道札幌市中央区北10条西24-2-15
  • TEL : 011-633-2345
  • 設立:1977年
  • 資本金:3000万円
  • 売上高:155億円(グループ全体、2016年9月期)
  • 従業員数:576人(グループ全体、2018年3月現在)
  • 事業内容:保険調剤薬局、医薬品小売販売事業、在宅支援事業
  • http://www.nakajima-phar.co.jp/

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