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今週のひとこと

新入社員教育をいくらやっても、
職場の雰囲気が悪ければ効果は
上がらない。新人を受け入れる前に、
先輩社員に心得を教え、悪いムードを
取り除こう。

☆ 新入社員の受け入れ準備はできていますか?

 学生側から見た、いまの採用環境は皆さんもご存知のとおり、人気企業や大企業などを除き、根気強く就職活動を続ければ、ほとんどの学生が企業に就職することができます。
 まず、優秀な学生ほど就職活動を早い時期からスタートし、大学3年生の8月頃から内々定を獲得、翌年3月には就職活動を終える人もいます。次に、少し遅れて本格的な活動を始める学生は、業界の専門知識が乏しいため、採用選考を受ける企業を知名度で選びます。ポテンシャルのある学生は、ここで内定を獲得し就職活動を終えます。この時点で内定をもらえていない学生も焦りはしますが、その後も次々の採用面接を受け続け、いつかは内定を獲得できるのが採用環境の現実です。

 就職活動であまり苦労をしていないからか、学生気分が抜けないままに新入社員として4月を迎える学生も少なくありません。そして、就職して数ヵ月が過ぎるとつらい経験や失敗もいくつか重ね、ふと考えるのです。「会社を辞めてもいいのでは」と。
 就職活動であまり苦労をしなかったわけですから、例えば、第二新卒としてやり直すことができるのではないかと考えるのでしょう。実は、筆者自身もそのように考えたことがあります。
 そんな時に、支えとなるのは同期の仲間の存在です。自分と同じように苦労しながらも頑張っている姿を見ることで、自分も成長の壁を乗り越えようと思えるのです。
 近くに同期の社員がいない場合は、年代の近い先輩社員でもよいと思います。身近な存在として悩みや相談を聞いてくれる存在が新入社員には必要です。

 随分前から言われていることですが、大卒が入社してから3年以内の離職率は3割。そして、新入社員を3年間育成するためにかかる費用は1,000万円から1,500万円とも言われます。企業側からすると、やっとの思いで採用できた新入社員。彼・彼女たちがまもなく入社してきます。受け入れ準備はできていますか。

経営コンサルティング本部
アソシエイト
竹貫 裕哉

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顧客満足度の「見える化」で顧客志向のPDCAサイクルを回そう

マーケティング用語に「1:5の法則」というものがある。これは、新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍のコストがかかるという法則。言い換えると、新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に、既存顧客の維持が重要であるという考え方だ。

その既存顧客(リピーター)を獲得するために重要なのが、「顧客満足度」である。顧客満足度とロイヤルティー(≒リピート意向)には【図表】のような相関関係があるといわれている。

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このグラフで注目すべき点は2点だ。1点目は、顧客満足度が「普通」から「不満足」に落ちると、リピート意向は約3分の1に低下するということ。これは製品・サービスに対する不満足要素がある場合、リピートする確率は大きく低下するということを表している。

2点目は、顧客満足度が「満足」から「非常に満足」に上がると、リピート意向は約2倍に上昇するということである。これは顧客の期待値に対して、それを上回るような製品・サービスを提供することができれば、リピート率が格段に向上することを表している。そのため、顧客満足度は重要な経営指標であるといえる。


散見される「主観的顧客満足度」

そのような事実があるにもかかわらず、現場では上長・リーダーの「経験則」「思い付き」「個人的に入手した情報」に基づく施策・判断が行われている。つまり、「根拠のない主観的顧客満足度」分析による施策が横行しているのである。このような現場では、上長・リーダーの性格や性質により、打ち手の内容・精度が異なり、その効果にバラツキが出てしまう。

また、もともとの判断根拠が曖昧であるため、効果の検証も行いにくい。すなわち、戦略・戦術のPDCA(PLAN・DO・CHECK・ACTION)が機能しておらず、「やりっ放し」状態になってしまっているのである。これを俗に「PDPD病」という。これでは企業にとってのロイヤルカスタマーであるリピーターは増えない。

逆に、このような状態の企業に対して、顧客は失望し、何も言わずに他社の製品・サービスを求めるようになる。リピーターを失った企業は、5倍のコストを払って新規顧客を獲得する施策を打たなければならない。そのため、収益が悪化していくのは言うまでもない。


CS調査・分析のポイント

顧客アンケートを主とした顧客満足度(以降CS)調査・分析は広く行われている。しかし、CS調査・分析を活用できている企業がどれだけあるだろうか。大企業であるならば専門部署・アナリストがいるかもしれないが、中堅・中小企業ではそうもいかないのが現実である。CS調査・分析を活用するための重要なポイントは、「現場が対策を考えられるCSアンケート項目を設定する」ことだ。

「○○製品はいかがでしたか?」という全体評価の質問は必要であるが、CS活用を考えると十分ではない。その後に、顧客が全体的な評価をした要素である部分評価の質問項目を設定しなければならない。例えば、飲食店では味・量・スタッフの対応・清潔さ・施設・設備など、具体的な要素に対する評価である。この部分評価を分析し、全体評価に対する相関関係を把握しなければ、製品・サービス全体のCS向上を図ることはできない。全体最適のためにも部分評価を改善するという視点が必要なのである。

この際に注意すべき点は「『価格に関する項目』をアンケート項目に含めないこと」だ。多くの場合、現場では「価格」をコントロールすることができないため、この項目はCSアンケートには含めず、POSデータの抽出などにより、CSとひも付けることで分析を行うべきである。


現場スタッフがCSを把握・分析することの重要性

製品・サービスの価値を向上させるのは、顧客との接点となる現場である。現場スタッフがCSを理解し、その対策に何が必要であるかを考えて実行しなければ、CSが向上することはない。

また、対策に対する効果を検証することが重要だ。それをもって、対策の精度を向上させるのである。これがCS調査・分析を基にした顧客満足度向上のPDCAサイクルである。この仕組みを取り入れることで、CSを基にした顧客志向の業務改善が行えるようになる。

そのためにも、CS調査を現場スタッフへ積極的に公開することが必要だ。その上で、CS分析に基づくアクションプランを検討・検証する「CS会議」の運営が求められる。CS会議の実施頻度がPDCAサイクルの回転スピードとなるため、できる限り短い頻度でCS会議を行うことが好ましい(理想は週1回開催である)。


CS会議における経営陣の役割

このCS会議で、顧客志向のPDCAサイクルを機能させるために経営陣に求められることは、「施策効果と必要コストの経営判断」と「機会・脅威の先行管理」である。得られる対価に対して、過剰なコストであってはならない。

また、現場は短期的な視点を基に判断しがちなので、中長期的な目線による判断は行いにくい。経営陣が役割として担うことによって、顧客志向のPDCAサイクルが正しく機能するのである。

以上の点に注意しながら、CSを「見える化」し、顧客志向のPDCAを回すことで、リピーターの獲得・定着を図っていただきたい。

経営コンサルティング本部 アソシエイト 井上 裕介
  • タナベ経営
  • 経営コンサルティング本部 アソシエイト
  • 井上 裕介
  • Yusuke Inoue
  • 大型リゾート・旅館にてホテル、スキー場、飲食店舗の運営を行い、新規企画開発・人材育成・業務改善・収益改革などに従事。タナベ経営に入社後は、現場経験を生かした戦略設計や、業務改善、組織マネジメント構築・運用支援、事業後継者育成、収益改革、衛生環境構築にまで幅広く活躍している。

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"Country Comfort"を発信
独自の世界観で顧客価値を創造

食通をうならせる「St.Cousair(サンクゼール)」や「久世福商店」などの専門店を全国展開するサンクゼールは、食品業界を代表するSPA(製造小売業)である。米国オレゴン州に新たな生産拠点を設けるなど成長著しい同社のトップに、躍進の秘訣を聞いた。

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フランスの田舎のような美しい風景が広がる「サンクゼールの丘」。併設のワイナリーレストランやカフェでは地元食材を使った料理やワインが楽しめる


フランスの農村に憧れ独自の世界観を確立

長尾 サンクゼールは長野県飯綱町に本社・工場を置き、ジャムやワイン、パスタソース、ジェラート、ドーナツなどを生産するとともに、自社製造のワインやグロサリー(一般食品・生活雑貨)などを販売する「St.Cousair」、全国各地からおいしい物を集めて販売する「久世福商店」などを全国展開し、食品業界を代表するSPAとなっておられます。2019年には創業40周年を迎えられますが、事業の軌跡をお聞かせください。

久世良三(以降、良三) スキーが好きで子どもの頃から長野県をよく訪れていました。大学卒業後、大手スーパーマーケットと外食産業専門商社を経て、1975年、斑尾高原にスキー客向けのペンションを開業。オープン2日目に知り合ったのが、妻(久世まゆみ氏)です。お客さまにスキーを無料で教えたり、雪の中で立ち往生したお客さまのクルマを救助したり、夜はみんなで歓談したりするうちに口コミで評判が広がり、シーズン中は常に満杯の状態が続きました。思い返すと、ペンションは究極のホスピタリティー産業だと思います。斑尾高原の観光協会の部長も務め、スキー大会やジャズフェスティバルの企画・運営などに携わり、多忙な日々を送っていました。

しかし、繁忙期は睡眠もろくに取れない状況が続く半面、オフシーズンには収入が途絶えるといった過酷な環境に妻が耐えられなくなり、とうとう家を出てしまったのです。なんとか戻ってきてほしいと伝えると、ペンションをやめるなら戻る、と言われました。

そこで、ペンションの朝食に出して大好評だった妻の手作りジャムを商品化し、商品開発は妻、営業と配送は私という役割分担で、ペンション経営と並行しながら新事業をスタート。味も良く新鮮ながら、形が悪いため安く売られているりんごとわずかな砂糖で作った甘さ控えめのジャムは、世の中の健康志向に合致したヒット商品になりました。「素材本来の味わいを生かした、家族の健康を思うやさしい原材料を使う」という、サンクゼールのモノづくりの姿勢は当時から変わることはありません。そして、1982年にペンション経営をやめて、斑尾高原農場(現・サンクゼール)を設立しました。

長尾 今は「モノ余り、コト不足」といわれ、コトを売らないといけない時代です。久世社長はメーカー経営からスタートしたのではなく、ペンション経営が事業の原点にあるから、「顧客価値創造企業」へと成長できたのでしょうね。

良三 当初はペンション経営で培ったノウハウを生かしてメーカーとして成長していこうとしました。しかし、資本力のある優れた先発メーカーが多々ある中、最後発のメーカーが同じ土俵で戦ったのでは消耗戦になってしまう。そこで、私が感動したヨーロッパの風景をお客さまに伝えてブランディングすることにしたのです。

長尾 それはどこの風景ですか?

良三 フランスのボルドー、ブルゴーニュ、ノルマンディー地方です。ジャムの販売が軌道に乗った頃、新婚旅行を兼ねて妻と訪れました。美しく広大なりんご畑の中には、牛が自由に歩き回り、シードル(りんごの発泡酒)やカルバドス(りんごのブランデー)の醸造所と農家が点在していました。そのような6次産業的な方向性を含めた農村の姿に対する憧れから、"Country Comfort"(田舎の豊かさ、心地よさ)というコンセプトが生まれます。そうやって、大手とは違う土俵で勝負するようになりました。ある意味、後発で資本力も乏しい"弱者"ゆえの知恵ともいえるでしょうね(笑)。こうして自ら育てた原料を自社工場で加工して商品を生み出し、それを直営店のSt.Cousairで販売するSPA業態を確立しました。

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サンクゼール 代表取締役社長 久世 良三氏
1950年生まれ、東京都出身。1972年慶應義塾大学経済学部卒業後、ダイエー、久世(業務用食材卸会社)を経て1975年斑尾高原でペンション経営を開始。1982年斑尾高原農場(現・サンクゼール)設立。


プラス思考で互いの違いを認め合う社風

長尾 企業目的、大切にする価値観、企業としての在り方、品質方針、品質目標を明確に定めて、全社員が共有していることも特長の一つですね。

良三 ジャムの販売を始めた頃は、無名だったので何度も訪問しないと買ってもらえなかったり、支払いをしてもらえなかったりと苦労しました。その体験を生かし、「サンクゼールの大切にする価値観」では「相手を尊重し差別をしない広い心で、自分にしてもらいたいことをまず相手にする心を大切にする」としています。

長尾 今風に言うと「ダイバーシティー&インクルージョン」ですね。

良三 ヨーロッパでは互いの違いを認め合い、誇りを持って田舎で暮らす人が多いという印象があります。少なくともサンクゼールの中では、「あなたのことはOKだから、わたしのこともOKと思って」といったプラス思考でいろんな人を受け入れてほしいですね。

長尾 世界観を提供する会社には、商品づくり、店づくり、品ぞろえ、物流、資金、利益などの総合力が求められます。久世社長の周りに多彩な人たちが集まらないと、ここまで成長できなかったのではないでしょうか。今では力強い右腕となられた専務が入社したのはいつ頃ですか。

久世良太(以降、良太) 13年前です。28歳の時に入社しました。

良三 銀行を担当してもらったので、大変なことが多かったと思います。事業リポートを毎月作成して銀行に提出するなど、良い時も悪い時も愚直なほど真面目な姿勢で当社への信頼度を高めてくれました。よくやってくれたと感謝しています。

良太 就職情報会社の「就職したい企業ランキング」では、この5年ほど長野県のベスト3に入っています。また、中途採用でも優秀な人材を獲得できるようになりました。社長は絶えず夢を語るタイプなので、それに共感を覚えた人が入社していると思います。トップの考え方を聞いて未来に対する可能性を感じてくれるのでしょう。

現在の社長は自分で全部やろうとせず、みんなに任せるようにしているので、社員は自己裁量で自由闊達に活動しています。昔は自分で握りしめているところが多かったそうですが(笑)。

良三 この年になると自分の限界が分かるし、優秀な人ほど任せた方が素晴らしい仕事をすることも学びました。会社が苦しい時期に学んだのは、人は本音でぶつかって助けを求めるとちゃんと応えてくれること。見えを張って仕事を任せないと、優秀な人は自分に存在価値がないと思ってしまうと気付きました。

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サンクゼール 代表取締役専務 久世 良太氏
1977年生まれ、長野県出身。電気通信大学大学院電子工学専攻修了後、2002年セイコーエプソン入社。2005年サンクゼール入社、2008年取締役。2009年信州大学経営大学院イノベーション・マネジメント専攻(MBA)修了、2012年サンクゼール代表取締役専務。2013年斑尾高原農場代表取締役就任。


米国オレゴン州に生産拠点ECと連動しファン獲得

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添加物を使わず、昔ながらの製法で作る『トラディショナルリッチジャム』。オレゴン州近辺で収穫される果実を使用し、オレゴンの工場で製造

日本中、世界中の美味を取りそろえたフードマーケット「THE GROCERY & WINE」

日本中、世界中の美味を取りそろえたフードマーケット「THE GROCERY & WINE」

小山田 独創的な商品開発とその店舗展開を生み出しているマーケティング、多彩なブランド展開の考え方をお聞かせください。

良太 St.Cousairは自社製造のワインやグロサリーを扱いながらライフスタイルを提案するメインブランドで、2017年には東京・銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」に旗艦店を出店しました。また、2013年には「ザ・ジャパニーズ・グルメストア」をコンセプトに日本各地の食の名品を取りそろえたセレクトショップ、「久世福商店」をオープン。現在、これらの店舗数は140近くになりました。さらに新業態として2017年、バイヤーが世界中からお客さま目線でセレクトしたおいしい商品を販売する「THE GROCERY & WINE」(ザ・グロサリーアンドワイン)をオープンさせました。

良三 共通しているのはデベロッパーに対する人脈づくりと、自社開発した店舗管理システム・情報システムがインフラになっていること。共通のプラットフォームの上にSt.Cousairがあって、それを発展させた久世福商店、THE GROCERY & WINEがあるという構成です。

小山田 2017年には米国オレゴン州に生産拠点を設けました。

良三 飯綱町の工場の生産能力が限界に近づいたので、自然環境、良質の農産物、優れた人材などに恵まれたオレゴン州に進出し、サンクゼールオレゴンオーチャーズを設立しました。ここで生産した『飲むお酢』『トラディショナルリッチジャム』などが現在St.Cousairや久世福商店に並んでいます。また、海外に生産拠点を持ったことで、世界各国への販路拡大も進みそうです。

小山田 これからの事業展開や中期経営計画をお聞かせください。

良太 3つの柱を考えています。1つ目は直営店、2つ目はFC事業で、今後も年間15店舗くらいは出店する計画です。その中で、既存のお客さまとのつながりをもっと深くしたいと思います。その一環として、久世福商店イオンモール堺鉄砲町店(大阪府堺市)では「LINE@」(ラインアット)というSNSのツールを活用して6000人のお客さまとつながりを持ち、来店を促す情報を提供し、売り上げを伸ばしています。それを全店で展開するために、EC事業を3つ目の柱として力を入れていく方針です。

小山田 EC事業について具体的な説明をお願いします。

良太 当社の商品は、どれもこだわりを持って丁寧に作られています。その生産現場を含めたコンテンツを充実させ、レシピや使い方も紹介したいですね。1店舗当たり5000人のお客さまへ発信し、3年くらいかけてお客さまから"コアなファン"になってもらうのです。当社の通販サイトに、コアなファンの方々のコミュニティーサイト機能を付けて、レシピを共有できたり商品開発の座談会に参加できたりする形にすると、もっと当社を愛してもらえると思います。

長尾 世界観を分かった上でファンになった人は、親子3代続くファンになるかもしれません。100年企業に向けた第一歩になりますね。

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タナベ経営 取締役副社長 長尾 吉邦
タナベ経営に入社後、北海道支社長、取締役/東京本部・北海道支社・新潟支社担当、2009年常務取締役、13年専務取締役を経て、現職。経営者とベストパートナーシップを組み、短中期の経営戦略構築を推進し、オリジナリティーあふれる増益企業へ導くコンサルティングが信条。クライアント先の特長を生かした高収益経営モデルの構築を得意とする。著書に『企業盛衰は「経営」で決まる』(ダイヤモンド社)ほか。


サンクゼールアカデミーで「より魅力的な人財」育成

長尾 人材育成に関する取り組みをお聞かせください。

良太 社内教育研修制度として「サンクゼールアカデミー」を始めました。もともとは社員の定着率を高める対策としてスタートしたのですが、それを全社的な教育体系としてリニューアルしました。経営理念、大切にする価値観を十分に理解し、自分自身に落とし込み実践していく強い決意を持った人、豊かな人間性を持ったコミュニケーション能力の高い人たちを「より魅力的な人財」へと導くための学びの場としています。具体的には、人財育成のための多彩なカリキュラム、コミュニケーションの場としての各種イベントや親睦会、互いにたたえ合う表彰制度、育児や介護と仕事の両立などの悩みを気軽に相談できるバックアップ・相談・支援制度があります。

長尾 働き方へのアプローチをしっかり支援すると、生産性は必ず上がります。年商30億円を超えた時点から、広報と採用教育に関わる人事セクションを充実させるか否かで成長に大きな差が出ます。サンクゼールは2年前に広報部を設け、人材の採用教育にも力を入れておられます。優れた情報システムもお持ちですから、さらなる成長が期待できます。

良三 米国でも優秀な人材を獲得できたので、オレゴンの拠点をできるだけ早く現地化したいと考えています。それが多様な価値観を共有しながら事業を行うモデルになるからです。

良太 日本中どこでも「サンクゼールなら間違いない」といわれるような確固たるブランドを築きたいですね。地道に商いを続けて情報を発信していけば、おのずとそうなると思います。

長尾 時代にマッチした世界観、人を引き付ける企業の姿勢や理念、専務への事業の継承。この3つが成長の鍵を握っていると思います。事業継承はうまく進んでいる印象を受けますが、いかがですか?

良太 一定の距離感を持って、良好な信頼関係を維持できていると思います。

長尾 事業継承も万全ですね。ペンション時代に培った「みんなが喜ぶことを創造する」姿勢こそが、サンクゼールの事業の原点ではないでしょうか。これからもまだ見ぬ世界観を顧客に提供して喜ばせてください。本日はありがとうございました。

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タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長 チーフコンサルタント 小山田 眞哉
開拓、製品開発による事業戦略構築に定評があり、食品メーカーの垂直統合戦略など、多くの中堅・中小企業の未来を共に創ってきた。人事・営業・財務・購買・生産などの経営管理機能のコンサルティングも手掛け、多くのクライアント先を成長に導いている。特に食品ビジネスを中心としたコンサルティングにはタナベ経営随一の実績を持つ。

PROFILE

  • ㈱サンクゼール
  • 所在地:〒389-1201 長野県上水内郡飯綱町芋川1260
  • TEL:026-253-7002(代)
  • 創業:1979年
  • 資本金:1億円
  • 売上高:97億円(2018年3月期)※グループ全体
  • 従業員数:826名(パート・アルバイト含む、2017年12月末現在)
  • 事業内容:ジャム・ワイン・その他食品の製造販売、ワイナリー・レストラン・売店等の直営およびフランチャイズ展開
  • http://www.stcousair.co.jp/
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所